アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

「とき」と「新雪」

2017-12-21 16:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

冬らしい寒い日が続いている。今シーズンは雪中撮影を久しぶりにやりたいと思っているが、さてどちらに向けて足を運ぼうか、これから色々算段してみたい。机上であれこれ考えることも実に楽しいことなのである。

新幹線のない時代の越後湯沢。スキーヤーのための臨時特急「新雪」と「とき」との並びを撮影したくて、一度越後湯沢まで来てから普通電車で中里まで戻るのが常であった。この日は朝から吹雪出してカメラを出すのも億劫になった。雪に強いとされて登場した183系1000番台だが、ダブルワイパーも追いつかないくらいの雪に難儀していた様子が思い出される。

 1980-02-10   2001M   Tc183-1006  とき1号    越後湯沢にて


フルシャのブラームス第1を聴く

2017-12-21 15:00:00 | 音楽/芸術

急遽、今回友人からチケットを譲り受け都響の定演に行ってきた。

アントンKの友人K氏は、団員さんにお知り合いがいるらしく、昔から東京都響の定期を聴いている。この日は彼の都合がつかず、やむなくチケットが回ってきたというわけだ。都響と言えば、前回は小泉氏のフランクを聴いたはずだが、アントンKにとっては、やはりインバルのマーラーがどうしても筆頭に上がってしまう。もう3年くらい前の話になってしまうが、みなとみらいでマーラーの第8を聴いたのも、彼のお誘いを受け、とんでもない恩恵を受けたのであった。そんなこんなで今回はお世話になっている友人の代役でサントリーホールへと向かった。

さて今回の指揮者は、主席客演指揮者のヤクブ・フルシャという若手の指揮者である。友人の話によると、演奏会では人気があり、カーテンコールもたびたびとのこと。どんな指揮振りなのか、そして何と言っても、どんな音楽を聴かせるのか興味が沸いてしまう。

前半に指揮者お得意とされるマルティヌーの第1番、そして後半にブラームスの第1番といった明快なプログラム。総じての印象は、現代的な解釈の中で、埋没してしまうような演奏解釈の印象を持った。早めのテンポを基本としていながらも、歌のある個所では、たっぷりと歌わせる。音楽が熱く高揚してくるところでは、顔を赤らめながらエキサイティングな指揮振りとなるが、何となくフルシャの音楽の中には入り切れず、白けてしまったポイントも多い。第4楽章コーダでのTpの主題の提示は埋没して聴こえずがっかりしたが、これは楽譜の問題なのか。どの楽章もインテンポを貫くことはよいとして、音楽の色が変化する小節間の間をも感じられないのは、どうしたことか。ブラームスの第1と言えば、古くから名演や名盤とされる演奏を聴いてきたアントンKにとっては少し物足りない。おそらく平均点か、それ以上の演奏だろう。いかにも現代の演奏家風とでも言えばわかりやすいかもしれない。どこか特出した個性、主張が無いのだ。インキネンや、ノットも同じ範疇に感じるが、音楽を大衆に向けるのではなく、自分の音楽をもっと聴衆に示して欲しいと願いたい。

終演後、指揮者フルシャは、四方に丁寧なお辞儀をしたり、笑顔を客席に振りまいていたが、こういった舞台が音楽そのものより聴衆に人気なのかなとも思った。

2017年12月16日 東京サントリーホール 

東京都交響楽団 第845回 定期演奏会B

マルティヌー 交響曲第1番H.289

ブラームス 交響曲第1番 ハ短調 OP68

指揮 ヤクブ・フルシャ

コンマス  矢部達哉

 

 


常磐線を走ったEF80の客車列車

2017-12-20 20:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

2017年も早いものであと半月を切ってしまったが、JP化30周年に当たる今年は、アントンKにとってもある意味節目の年となり、来年に向けて新たな趣味活動を進展させたいと思っている。具体的にはまだここで記述は出来ないが、実際に行動に移し落ち着いたら趣味の履歴として残していきたい。

鉄道趣味も長くなると、忘れ去られている事柄が多く、写真を見直してハッと思い出すことも最近では増えてきた。今でこそ客車列車は、全国的にも貴重な列車となってしまったが、国鉄時代には、たくさんの客車列車が存在して、いわゆる夜行寝台特急以外にも多数見ることができた訳だが、今回掲載する常磐線の客車列車もその一つ。当時の普通電車だった401系~415系に混じって一日3往復の長距離客車列車があった。EF80が好きだったアントンKは、当時時間を見つけては常磐線へと繰り出し、このハチマルの客車列車や貨物列車の撮影を楽しんだもの。ゴハチ全盛の当時、撮影仲間内からは随分と奇異に見られていたようだが、交直流電機の象徴であるピンク色が何とも写欲をそそり、団臨運転日にかこつけては、通ったのも懐かしく思い出される。写真は、浪江(福島県)発上野行き普通列車422レ。けん引するEF80は田端区所属であり、大部分が前面ヒサシ付きに改造を受けていた。

1980-10-09      422レ  EF8012          常磐線/北小金-南柏


山男ロクヨンの雄姿

2017-12-19 19:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

現在ではどのJRを見渡しても見ることがほとんど無くなってしまったEF64の0番台。唯一1台37号機が残存しているが、塗色が(何と)茶色に代わっていて、往年の姿の見る影もない。そんな想いから今回はそのEF64の0番台で更新する。

晩年、ブルトレ「あけぼの」までけん引した実績ができたEF640番台であるが、総じて地味な目立たない機関車だったように思う。中央線に撮影に出ても、臨時列車があるときでさえ、ファンの姿はなく、まして貨物列車狙いなど皆無だった。国鉄時代晩年では、やはり機関車ファンの注目の的はゴハチであり、EF65といった言わばスター機関車の方だったように思う。ゴハチを駆逐するため山を下りてきたEF62でさえ、あの東海道線を行き来していてもさほど注目はされなかったように思う。縁の下の力持ち的なロクヨンは、さらにその影に隠れていた存在だった。

アントンKがカメラを持って初めて中央東線に出向いた時代には、まだED61という機関車の運用が残っていて、いずれロクヨンが駆逐していくといった情報から、記録するならまずED61の方が優先されたが、その当時からロクヨンの側面の大きなフィルターや、厳めしい顔つきに魅了され、合わせて狙うことが多かった。そして何と言っても、主電動機の独特な音が通過音とともに身体を満たしていくのである。ここでは、バケペンに持ち替えて間もない頃に写したものを掲載したい。

1980-04-26  462レ  EF6426+57    中央東線/初狩-笹子にて

 


2017年新日本フィルの第9

2017-12-17 20:00:00 | 音楽/芸術

今年も第9の季節がやってきた。

師走も後半戦となると毎日のように第9の演奏会が催される東京。在京オケは主に7楽団あるらしいが、そのどのオーケストラもこの時期にベートーヴェンの演奏を行う。こういった習わしは日本だけだと聞くが、よくよく考えてみれば贅沢な話だ。ベートーヴェンの交響曲自体、演奏会のプログラムから減少している昨今、これだけ集中して実演を聴くことができることの有難さを忘れがちだ。学生時代から、朝比奈隆のベートーヴェンで育ったアントンKは、朝比奈の晩年には大阪で大フィルの第9が恒例となったが、今世紀に入ってからは、在京オケの第9演奏会に出向くことにしている。この辺の印象は別の機会に譲りたいが、今年は色んな意味で新しい発見があり、アントンKの心の支えとなっている崔文洙氏率いる新日本フィルの演奏会に一年の感謝を持って出向くことに決めていた。本音を言えば、複数回演奏のある第9のうち、1回でもよいから音楽監督である上岡氏に振って欲しかった。一昨年聴いたとはいえ、昨年から今年にかけてのオケとの疎通は目を見張るものがあり、以前の演奏とは違った、いや全く別の印象の第9が聴けたかもと思うと少々残念なのだ。

しかし、今はそんな想いもどこかに飛んで行ってしまうくらいの好演に胸が躍っている。 マルク・アンドレーエという指揮者。若手指揮者が続いたが、今年は巨匠指揮者の登場とパンフのクレジット。不勉強のアントンKには、お初の指揮者だったが、こと第9に関しては、見通しの良いすっきりした演奏だったように思っている。スラッとした立ち姿に指揮棒を持たず、両手を十分使っての指揮振りに、オーケストラは敏感に反応し具現化する。ビブラートを最小にして、ロングトーンの音量にも変化を付ける奏法は、ピリオド奏法のように感じる。こんな印象だから、アントンKは第1楽章の出のところから、もうやられてしまった!弦楽器群のPPの六連符の刻みがはっきり聴き取れ、その上に第1Vnの主題が鋭く入ってくるのだ。ここの伴奏は、おそらくPP指示ではないだろう。音符の粒が揃っていて音楽の土台がしっかりしているのだ。ただ展開部の音楽が大きくなった箇所では、この奏法の影響かはわからないが、各声部が聴きとれる反面、音楽がこじんまりした印象を持った。逆にスケルツォ主部などは、こういった短く引き締まった音色が生かされ、ティンパニの雄弁さと相まって、実に爽快な気分にさせてくれた。大好きなアダージョでの木管楽器群の好演は目を見張るし、歌手たちの熱演も心を熱くさせた。合唱団は特にPPでのハーモニーが美しかった。

長年に渡って実演に触れてきたベートーヴェンの第9交響曲。今年は新日本フィルハーモニーのまた新たな音色を感じて第9に触れ、そして終えられたよう思う。中でも、コンマス崔文珠氏率いるVnの美しさ。特にスケルツォ中間部や、アダージョのメインテーマの情感は、今回の演奏では白眉だったのではないか。今も思い出すと感動で背筋にシビレが走る。

新日本フィルハーモニー交響楽団 ハートフルコンサート2017

J.S.バッハ 目覚めよと物見らの呼ぶ声あり  BWV645

J.S.バッハ 幻想曲とフーガ ト短調 BWV542

ベートーヴェン 交響曲第9番 ニ短調「合唱付き」OP125

指揮 マルク・アンドレーエ 

ソプラノ  森谷真理

アルト   山下牧子

テノール  大槻孝志

バルトン  久保和範

合唱    栗友会合唱団

合唱指揮  栗山文昭

コンマス  崔 文洙

2017年12月15日 東京サントリーホール