現在ではどのJRを見渡しても見ることがほとんど無くなってしまったEF64の0番台。唯一1台37号機が残存しているが、塗色が(何と)茶色に代わっていて、往年の姿の見る影もない。そんな想いから今回はそのEF64の0番台で更新する。
晩年、ブルトレ「あけぼの」までけん引した実績ができたEF640番台であるが、総じて地味な目立たない機関車だったように思う。中央線に撮影に出ても、臨時列車があるときでさえ、ファンの姿はなく、まして貨物列車狙いなど皆無だった。国鉄時代晩年では、やはり機関車ファンの注目の的はゴハチであり、EF65といった言わばスター機関車の方だったように思う。ゴハチを駆逐するため山を下りてきたEF62でさえ、あの東海道線を行き来していてもさほど注目はされなかったように思う。縁の下の力持ち的なロクヨンは、さらにその影に隠れていた存在だった。
アントンKがカメラを持って初めて中央東線に出向いた時代には、まだED61という機関車の運用が残っていて、いずれロクヨンが駆逐していくといった情報から、記録するならまずED61の方が優先されたが、その当時からロクヨンの側面の大きなフィルターや、厳めしい顔つきに魅了され、合わせて狙うことが多かった。そして何と言っても、主電動機の独特な音が通過音とともに身体を満たしていくのである。ここでは、バケペンに持ち替えて間もない頃に写したものを掲載したい。
1980-04-26 462レ EF6426+57 中央東線/初狩-笹子にて