アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

伊勢海老列車

2014-10-18 19:00:00 | 鉄道写真(EC)

この時期恒例の下田までの団体列車185系による「伊勢海老列車」。

今回は、斜めストライプに塗り替わった編成でやってきた。順光下で見る185系は、まだまだ綺麗で元気に見える。戸塚の直線を快調に飛ばしてきた。

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2014(H26)-10-17  9013M   185系(A08)       JR東日本/東海道本線:戸塚-大船

 


EF64による「みなかみ」号

2014-10-15 19:00:00 | 鉄道写真(EL)

今月は、毎週末何処かしらでネタものの運転があり、何を撮影しようか、どう動こうか考えながら出る機会が多い。しかしながら、この手の列車は、一過性のもので、大して価値はないと近年思っている。

これも長年撮影しているからこその思いかもしれないが、確かに普段見られない列車が走ると、それはそれで写欲が湧く。でもあまり心には響かないケースが少なくない事も事実だ。最近は、撮影しても満足感を得られない場合がある。やはり基本は、日常の鉄道風景の記録であり、今この時に何をどう撮影したいかという気持ちが一番大切だ。その積み重ねがこの趣味の原点ではないかと考えている。とにかくいかなる時も、どんなことも続けることが大事なのだ。

写真は、そんな想いにふけりながら撮った「みなかみ」号。HMの掲出もなくロクヨンの12系なんて地味に思うが、何年振りの撮影だろう。8404レ急行「アルプス」を彷彿とさせる見ごたえだった。

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2014(H26)-10-11          9734レ  EF6439  12系       JR東日本/中央本線:立川

 


C11207によるSL[ニセコ」号

2014-10-12 20:00:00 | 鉄道写真(SL)

毎年10月の北海道遠征。電車のイベントまで手を出したので、ちょっといつもとは行程が異なった。朝一の夜行列車の撮影は変わらないが、その後の行動予定を今回大きく変えてみた。その道中に山線のSLニセコが撮影できそうだったので、お手軽218キロにて待ってみた。

C62がいた1990年代は、早朝から鉄チャンで溢れていたこの場所も、今では余裕で撮影ポイントを決められる。機関車の人気の差なのか、移り行く時代の差なのか。今では圧倒的に夜行列車を狙う鉄チャンの方が多く感じた次第。

定時よりやや遅れ気味で姿を現したが、ここは左から立ち上がって目の前までの長いストレート。超望遠レンズでドカンと狙えば結構迫力が出そうなポイント。しかし肝心のカマの方がやる気がないらしく、遠慮がちに煙を上げてきたため、こちらも急遽短い構図で、柔らかく振ってシャッターを切ってみた。峠付近は、もう秋色満載であったが、帰京後、来年の秋にはもう走っていないと聞かされてトーンダウン・・もう少し真面目に撮るべきだったと振り返っている。

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2014(H26)-10-05   9220レ  SLニセコ  C11207    JR北海道/函館本線:然別-銀山

 


スクロヴァチャフスキ かくしゃくなり

2014-10-11 21:00:00 | 音楽/芸術

読響の定演に行ってきた・・・

ちょうど3年前にも、スクロヴァチャフスキの指揮するところのブルックナーの演奏を聴くためにチケットを手に入れている。その時は、ザールブリュッケンという来日オケであったが、読響の定期演奏会には、よくスクロヴァチャフスキが呼ばれて、ブルックナーの演奏を行う。前回の3年前は、第9交響曲であったが、今回は、第0番という初期の交響曲だ。彼の解釈は、独特であり、おそらくブルックナーをよく聴いておられる方々からは、賛否が分かれることだと思う。それは、オケの細部まで手を入れて、自分の音、響きを形成するため、新しい発見は多々あるものの、音楽自体をコンパクトにしてしまう。アントンKにとっては、これが大変面白く聴こえて、また今まで聴いたことのない音色を感じたとき、前回の9番の演奏を思い出しても、聴いていて何度背筋がゾクゾクしたことか!しかし今回は、初期のシンフォニーだから、どのように演じるのか興味はあった。

実はこのスクロヴァチャフスキは、過去にも、ブルックナーの交響曲を順番に採り上げており、アントンKも今回の0番を読響で聴いている。調べないとよく覚えてはいないが、おそらく10年以上前のことと思われ、その時の印象もあまり強烈に残ってはいない。自分の中では、やはり後期のシンフォニーの解釈が面白く、実演は逃したくないと思っていたが、今日の演奏に触れて、この考えが変わった。

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ここまで書いたところで、今日(10月11日)は同一プログラムのマチネの演奏会に急遽行ってきた。

ブルックナーの音楽は、不思議なところがある。他の作曲家の交響曲より演奏時間が長めにも関わらず、聴き終わると、またすぐに聴きたくなることが多い。確認したくなるとでも言うと的を得ているか。そんなこんなで、今回は横浜みなとみらいへ急行した。スクロヴァチャフスキのブルックナーは別格と思っているアントンKにとつて、今日のプロは、もちろん前半のブルックナーがメインだが、おそらく今日の客席を見渡してほとんどの聴衆が後半に演奏されるベト7目当てであることは容易に想像できた。マチネということもあり、どことなく穏やかな明るい雰囲気に包まれていた会場であった。

一昨日の演奏で、もう一度確認したかったところを今日もう一度聴いてみたい。その一心でやってきてしまったが、それは、第1楽章の展開部における木管楽器群の表情で、一昨日のサントリーホールでは、ちょっと聴き取れなかった箇所は、やはり思っていた通りにやってくれて一安心といったところ。一番好きなところだけに気になって仕方なかった部分なのだ。ここは、木管楽器が掛け合いで主題のモチーフをそれぞれ演奏し回想していくところだが、弦楽器の転調に合わせて散りばめられているこの部分が特にお気に入りなのだ。それにしても、第1楽章の出からして、これ以上ないと思えるくらいの良いテンポ感なのだろうか。低音に重きを置き、安心して音楽に身を委ねられる感覚になる。コーダ手前で、ホルン4本の強奏のためのベルアップ(マーラー風?)には、少し驚いたが、中間部におけるトロンボーンの最強奏も納得だし、この地味で無骨な交響曲をさらに魅力的に変えていたように思う。そして何といっても、スケルツォについて触れておきたい。田舎の舞踊音楽のようなスケルツォはいつもと同じだが、主部の弦楽器が特徴的であった。下降音型の部分で、三拍目に強いアクセントを加えてアルコで弾かせていたのである。これは偶然ではなく、今回の2回の演奏でそのようにやっていたし、明らかにスクロヴァチャフスキの要求によるものだった。アントンKは、このような解釈を過去に聴いたことがなく、とても新鮮に映った部分だった。(後で同指揮によるCDの演奏をも聴き返してみたが、このようにはやっていなかった)

今回のオケ、読売日本交響楽団は、他の在京オケ同様、益々好調なようで、こういった指揮者の要求にも、まるで何事もなかったように普通に演奏していることが素晴らしい。特にこの演奏会では、弦楽器群は特質物で、どの声部も雄弁であり、息を合わせて合奏するという行為を実感できた。スクロヴァチャフスキは、今年で91歳。その指揮振りからは、とても年齢は想像できないが、1日でも長く指揮台に上がってブルっクナーの演奏を我々ファンに届けて欲しい。次回の来日を首を長くして待ちたいと思う。

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読売日本交響楽団  定期演奏会

スクロヴァチャフスキ指揮

ブルックナー 交響曲第0番 ニ短調

ベートーヴェン 交響曲第7番   イ長調 

10月9日 サントリーホール

10月11日 横浜みなとみらいホール


レミ・バローのブルックナーについて

2014-10-08 18:00:00 | 音楽/芸術

気になるCDが最近発売されたので、購入し繰り返している。楽曲は、例によってブルックナーだが、交響曲の第3、それも第一稿の初稿版である。ブルックナーのシンフォニーの中でも、第3は最も問題作とされているが、それは、何度も改作されて楽譜がいくつも存在することに起因する。特に今回の初稿版は、「ワーグナー」との表題からもわかるように、ワーグナー自身のモチーフが散りばめられており、小節数も他の版より圧倒的に長く、また演奏自体も難しいと言われている。

今回のCDは、この初稿版での演奏だが、CDのクレジットには、「演奏時間86分の長大な解釈・・・」とあった。中の解説文を読んでみると、指揮者のレミ・バローという人、かつてチェリビダッケの指導を受けて、かなり影響を受けている内容ということ。まさに、チェリの再来か?とも言わんばかりだったので、ワクワクしながら聴いてみた。

まだ数回しか聴けてはいないが、その中身は、やはり似て非なるもの・・・

ライブの録音場所は、ブルックナーゆかりのザンクトフローリアン修道院。76年朝比奈が大阪フィルとともに第7を演奏し絶賛を浴びた聖地だ。もちろん行ったことがないので想像でしかわからないが、残響が7秒とも、9秒とも言われ、かなり長めの響きが形成される。ここでの演奏は、当然ゆっくり目の演奏になるわけだ。このレミ・バローの演奏も、第1楽章の出からして悠然と進めていく。そして全体を通してこのテンポ感は不動のようだ。しかし、このテンポのおかげで、オケの各声部が良く聴き取れる一方、録音条件なのか、全体のトーンがボケていて、甘く聴こえてしまい、しっくりこないのが正直なところ。このCD、演奏内容はともかく、録音の状態でかなり損をしているように感じてしまった。

確かに、この第3交響曲の初稿版には、今や何種類かのCDが存在しており、昔を思えば随分と贅沢な時代になったと感じるが、その中では、今回のレミ・バローを選ぶ理由は見当たらない。初稿版と言えば、インバルを上げたいし、すっきりとしたケント・ナガノや、何と言ってもティントナーを忘れてはいけない。まだ指揮者としても若いレミ・バロー。将来のブルックナー指揮者として、世界から注目を浴びる存在までの成熟を願っている。

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 ブルックナー 交響曲第3番 ニ短調 (第一稿)

レミ・バロー指揮

セント・フローリアン・アルテモンテ交響楽団

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