鉄道趣味のきっかけは、模型の収集に始まった。当時、魚籃坂下にあったカツミ模型店に行き、初めて誕生日にプレゼントされたのが581系電車。最初から編成ではなかったが、それでもエンドレスにレールを敷いて走らせた時の感動は今でも鮮明だ。その後、西荻窪のニットー教材、三鷹のトリオ商会、この2つの模型屋さんには、大変思い出が多い。休みの日には、まず自転車でこの2つの模型店を巡ることが日課だった。特に、三鷹にあったトリオ商会は、線路沿いの三鷹電車区の目の前の立地であり、何かと刺激を受けた場所でもあったのだ。
ある時、いつものように自転車で模型屋さんに出向いた時、ふと電車区を見ると「ぶどう号」と大きなヘッドマークを付けた70系電車が止まっていて、カメラに収めたいという衝動に駆られたのだった。これがおそらく鉄道にカメラを向けるきっかけになった出来事だろう。この時は、撮影出来なかったが、これ以来、カメラを持ち歩くようになっていった。普段は見られない臨時列車は、電車区の事務室を訪ね、快く教えて頂いたことも懐かしい出来事となった。
こうしてアントンKの鉄道写真撮影が始まったが、今振り返って考えてみると、本当の初めは、単なる通勤電車から始まっていることに気づかされる。そして、まだ幼い少年を相手に丁寧にご指導して頂いた鉄道マンに出会ったからこそ、この趣味の奥深さを将来知ることになる訳だ。
掲載写真は、当時のものから中央線の貨物列車を1枚。現在は知る由もないが、三鷹電車区の脇から撮影したもので、模型屋さんに行っては、この付近で撮影していた、アントンKには聖地なようなもの。今見ても大変懐かしい写真なのである。
1976-03-12 3485ㇾ EF15 8 中央線:三鷹-武蔵境にて
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