近年の電車といったら、どれもステンレス車体のシルバーボディにカラーラッピングというスタイルが定着してしまい、アントンKにはどれを見ても同じに見えてしまうのが正直な感想だ。かろうじて残存している国鉄時代からの車両達も、厚化粧に身をまとい、当時の面影はなかなか蘇ってはこないものだ。
そんな昨今、全国のあちらこちらから、現役で走っている車両を昔の旧塗色に戻すという発表があった。JR北海道のキハ183系が民営化直後の塗色に一部の車両を戻すとの発表があり、続けて今度はJR西日本の国鉄型特急電車381系を当時の特急色で復活させるという。これもコロナ感染症の影響で大打撃を受けた収支を回復させるという意図があるのだろうか。鉄道離れが加速している昨今、少しでも明るい方向へ進んで欲しいものである。鉄道開業150年の今年、こんな傾向がまだまだ継続するようで目が離せなくなってきた。
今回は、国鉄時代の伯備線特急「やくも」。今でこそ目にしなくなってしまったが、当時は特急電車と言えば、この色を指した。でも今更ながら、この塗色が一番日本の風土に溶け込み、ベストマッチだと思えるのはアントンKだけか。低重心の381系電車もスマートでカッコ良い。
1985-10 L特急「やくも」 山陰本線:米子-伯耆大山にて