遠征翌日は、朝目覚めると霧雨が降っていた。地平線に目をやると日の出を迎え太陽の位置もわかるほど明るいものの、目の前の線路端は暗く重そうな雲が垂れこめている。昨日からの疲れがドッと出る瞬間。しかしよく考えれば、これも想定内だったはず。気を取り直して撮影地に向かった。
こんなどんより雲を見ていると、シベリウスの第4が脳裏を駆け巡ってしまうが、ここは「みちのく」岩手の地。シベリウスはないだろう。せめて千昌夫か新沼謙治か・・・ ウ~ン、出てこない・・
アントンKの東北線のイメージ。山深く上下線がセパレートしている区間が多いこと。意外に思うが勾配区間が多いのも東北線の特徴だろう。そして東北線と言えば機関車はEF81ではなくどうしてもED75となってしまう。これはアントンKの年齢からくる印象だろうが、記憶をたどれば、EF81の特急列車もこの地で撮影していたことを思い出した。上野と青森を結んでいた特急「はくつる」が、583系から24系寝台に返り咲いて、EF81牽引だったのだ。この頃から、何でも有りの時代背景に変わりつつあったが、当時EF81の「はくつる」は新鮮に感じたものだった。今回その「はくつる」をイメージするのには、ちょっと無理があるものの、夜行寝台列車という共通点だけで、どこか心の中で昔撮影した列車のことを考えていたことは間違いない。
雨こそ上がったが厳しい露出の中、パーイチの二条のライトが左奥からファインダーに飛び込んできた。E26系が弓なりになったところでシャッターを切ったが、真下を通過して行ったパーイチも昨日とは違い非常に厳しい表情に思える。同じ機関車なのに、こうも表情が違って写るとは・・・
写真撮影は思っていた以上に奥が深いのだ。
2016-09 9011レ EF8181 カシオペア紀行盛岡 JR東日本/東北本線
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます