風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

精霊送りの夕べ

2008-08-16 23:51:21 | コラムなこむら返し
 8月はだれもがいやおうなしに、死者と対話しなければならない月だ。ヒロシマ、ナガサキのふたつの平和祈念式典、敗戦記念日、そして旧盆と続く。お盆の真っ盛りに8・15の敗戦記念日があるというこの日付けは天の配剤なのか? と、ずっと思っていた。

 だが、今年は生者の世界がオリンピックイヤーでかまびしく、まして8月開催であるためどの家庭からも聞こえてくるのは、高校野球かオリンピック中継のTVの音だ。その生者の世界のさんざめきもきっとさびれた漁村では、あの世からの音に聞こえるのかも知れない。

 そうして、死者を迎え火で迎え、3日ほどを過ごしたのち、ふたたびおがらを焚いて死霊をお送りする。精霊(しょうりょう)送りだ。京都の五山をいろどる「大文字焼き」も、その送り火の催しでよく知られている。わが故郷では、初盆の新しい死者のために、それは巨大な精霊舟がかたちづくられ精霊流しされる。
 祖父のためにつくられた巨大な精霊舟を見上げたのも、もう50年以上も前の事で、ボクは7歳の少年だった。
 もう継ぐものもいない故郷の墓所は荒れていることだろう。無縁仏として処理される時も近いのかも知れない。
 その墓に入れなかった母を、おがらと線香で送ってボクもまた母のそばで将来、樹木となるだろう。
 樹木はいい。それは、墓石ではない。そこには「家」という係累がない。檀家宗教に拘束されることもない。
 個人が一本の樹木となって、思い出とともに緑なす地表の一本になる。この地球にお邪魔して、去っていったものの花実を咲かす最後の意志として……。



順延のお知らせ

2008-08-16 22:40:44 | イベント告知/予告/INFO
 先に今月のE.G.P.P.100の報告の所で触れていた9月のテーマ予告『池袋モンパルナス』はひとつき順延して10月3日開催のSTEP87のテーマとさせていただきます。

 それにともなって「池袋モンパルナス探訪ツアー」も順延し、9月21日ころの実施を考えております。期待なさっていた方があればごめんなさい。ツアーの詳細はまた告知させていただきます。よろしく!