みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

男はつらいよ

2006-11-22 18:51:50 | Everyday is special
「男はつらいよ」という映画が大好き、と書きましたら、いろいろと反響がありましたので、少し書いてみましょう。

いま、NHKのBSで毎週土曜日の夜9時から放送されていて、全48作のうち、すでに40作まで放映されました。

ぼくは、この時間帯は見ることができないので、ビデオに撮って、友部の修道院で他の神父さま方と見ています。

ぼくが、初めてこの映画を見たのは小学生の、たしか5年生位の夏休み。ということは、いまから35年前の夏、当時大学生の上の兄に連れて行ってもらいました。

ストーリーはまったく覚えていませんが、帰り道にかき氷を食べたことだけが記憶にあります。あの、「かき氷」という昔ながらのノボリがぶら下がっている、いかにも昭和らしい、寅さんの映画に出てくるような食堂でした。

さすがに48作となると、初期の頃と中期から後期にかけて、味がかなり異なってきますが、寅さんの魅力は、いつの時代も常識にとらわれることなく、自由に人間らしい生き方を謳歌しているところにあると思います。

11月17日のコメントにも書かせていただきましたが、先週の寅さんで、帝釈天の御前さまが、寅さんの妹のさくらとの会話の中で、

「仏さまは愚者を愛しておられます。私のような中途半端な坊主よりも、寅の方を愛しておられると思いますよ」

と言われた台詞にグッときてしまいました。

ぼくは、その中途半端なカトリックの坊主だなあ、と、しみじみ思わされました。

寅さんが「人間ってどうして生きてるのかなあ」という高校生の甥っ子(ミツオ)の問いかけに「そんなむずかしいこと聞くなよ」と戸惑いながらも、

「生きててよかったって思えるときがあるからじゃねぇのかなあ」

って、笑顔でこたえていたのもよかったなあ。

下手な説教を聞くよりも、寅さんの映画を見た方がよっぽどいいんじゃないかと思うこの頃です。

写真は、きのうの友部の紅葉。やっぱり青空が似合いますね。そろそろ最後の見頃でした。