民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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「国定忠治~赤城山」 新国劇 

2012年12月06日 00時23分33秒 | 名文(規範)
 「国定忠治~赤城山」 新国劇 

 江戸後期の侠客、国定忠治を描いた行友季風の作品。
新国劇の代表演目の一つ。
悪代官を斬って 赤城の山に たてこもった忠治は、
やがて 無数の敵方に囲まれて 味方を失ってしまう。

忠治「赤城の山も 今夜を限り、生まれ故郷の 国定の村や、縄張りを捨て、国を捨て、
可愛い子分の 手前(てめぇ)たちとも、別れ別れに なる門出だ」
定八「そういや、なんだか いやに 寂しい気がしやすぜ」
巌鉄「ああ、雁(かり)が鳴いて 南の空へ 飛んでいかぁ」
忠治「月も 西の山に 傾くようだ」
定八「おらぁ、明日は どっちへ行こう」
忠治「心の向くまま、足の向くまま、あても 果てしもねぇ 旅へ立つのだ」
定八・巌鉄「親分!」