民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

語り手のわたしと聞き手のあなたが
一緒の時間、空間を過ごす。まさに一期一会。

「ミッキーかしまし」 西 加奈子

2017年11月17日 00時14分45秒 | 備忘録
 「ミッキーかしまし」 西 加奈子  筑摩書房  2007年

 彼女(ネコ)たちは、本当に自由です。「気持ちいい」「面白い」という理由だけで生きている。それをすることによって自分の教養を深めよう、脳みそを刺激しよう、健康になろうなんて、微塵も思っていません。

 P-57

「江戸の定年後」 中江克己

2017年09月17日 00時06分40秒 | 備忘録
 江戸時代も後期になると、親孝行を売り物にする輩も出てくる。嘉永6年(1853)にまとめられた『守貞漫稿』には、「親孝行」と称する門付けを紹介している。
「天保末(1844)、江戸ではある男が衣服を着せた張りぼての人形を胸につり、孝行者が親を背負っているように見せかけていた」
 そのようにして、「親孝行でござい」と大声でいいながら歩き、家々の前に立っては、手に持った扇子で銭をもらったのである。なかには、本当に老婆を背負う男もいた。こうした門付けが横行したというのは、それだけ親孝行が少なくなったということかもしれない。

 出典 「江戸の定年後」 中江克己 P-36

「合理的精神とは」 小林秀雄

2017年03月09日 01時11分18秒 | 備忘録
 「合理的精神とは」

 小林秀雄が講演で次のようなことをいっています。

 合理的精神とは、誰にとっても2+2が4になる世界をめざすことだ。若者も年寄りも平等な世界。しかし、これはおかしい。2+2が若者と同じ4であるならば、人が年をとる意味がないではないか。年の功とは何なのか。

 そして小林秀雄は、<思想>という概念を持ち出します。思想は、合理的精神とは違って、むしろ年齢と関
係していなければならない。大人には大人の思想があり、それはときに合理的精神を凌駕するものなのだと。

 「書く力は、読む力」 鈴木 信一 祥伝社新書 2014年 所載 P-4

「音楽家になるには」 浅田 次郎

2017年03月07日 23時17分10秒 | 備忘録
 「スターダスト・レビュー」 浅田 次郎

 音楽家になるには医者になるよりもっと金がかかる。いや、そんなものとはたぶん、けたがちがう。何千万も何億もする楽器を買って、大学を出たらヨーロッパに何年も留学して偉い先生に師事する。それで初めて、ソロ・プレーヤーになる資格が生まれる。努力や才能は、それから先の話だ。P-77

「アフォリズムとは」 井上 俊夫

2017年01月31日 00時10分32秒 | 備忘録
 「アフォリズムとは」

 アフォリズムとは短く圧縮された簡潔な文章でもって、人生百般に対して鋭い批判や洞察をおこなうもので、好んで皮肉で奇抜で逆説的な表現を用い、時にはユーモアやペーソスで味つけをしたりする。

 「エッセー・随筆の本格的な書き方」所載 井上 俊夫 朝日カルチャーブックス 大阪書籍 1988年