「昭和からの遺言」 倉本 聡(1935年生まれ) 双葉社 2015年
「卑怯について」 その8(最後) P-81
戦後この国は戦いから隔離され
卑怯だ、ずるいと批判を浴びながら
平和憲法を必死に死守した
たしかにある意味では
潔ぎ良いとは云えないかもしれない
しかしそのことが70年の平和を
この国にもたらしてくれたのだったら
卑怯な国という世の悪名を
敢えて受けるのもよいかもしれない
ただし。
国家はそれで良い。
しかし国民は 個人個人は
決して卑怯ではあってはならない
さもないと70年間戦争を避けてきた
卑怯の哲学が成立しなくなる
大きな卑怯の世界の中にいる
それは仕方ない 威張って認めよう
だが俺個人は俺個人に対し
卑怯者になることを
絶対 許さない
「卑怯について」 その8(最後) P-81
戦後この国は戦いから隔離され
卑怯だ、ずるいと批判を浴びながら
平和憲法を必死に死守した
たしかにある意味では
潔ぎ良いとは云えないかもしれない
しかしそのことが70年の平和を
この国にもたらしてくれたのだったら
卑怯な国という世の悪名を
敢えて受けるのもよいかもしれない
ただし。
国家はそれで良い。
しかし国民は 個人個人は
決して卑怯ではあってはならない
さもないと70年間戦争を避けてきた
卑怯の哲学が成立しなくなる
大きな卑怯の世界の中にいる
それは仕方ない 威張って認めよう
だが俺個人は俺個人に対し
卑怯者になることを
絶対 許さない