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春の胎動-みちのくへ90分行くと

2004-03-17 17:13:36 | 旅行
[123] 春の胎動-みちのくへ90分行くと (2004年03月17日 (水) 17時13分)

 上野を出た新幹線の車窓からはビルや住宅が目にとまり、やがて田畑と丘陵である里山の風景に変わる。田んぼの畦は草が出かかっているためか、明るい陽光とあいまってくっきりとしている。落葉樹の木々は、芽吹く直前の活力が枝の先端までゆきわたり、きりりとして見える。萌え木の淡い緑と常緑の深緑の色のハーモニーが優しい。やがて左手の遠くには、雪を頂いた山々が目に入った。90分ほどで下車してバスで山道を行くと、そこにはまだ雪があった。
 友人との3人による恒例になった温泉のめぐりである。さっそく露天風呂におもむく。硫黄泉の匂いがいっぱい漂い、温泉の風情を味わうのには十分である。湯船につかりながら奏でられる川の流れの音に耳を澄まして、目を雪におおわれた山の斜面に転ずれば赤松が林をなしていた。自然を凝縮して感じられるようにしたロケーションは、日常とは違った世界にいざなってくれた。
 もじどおり日常の砂塵を排して旧交をあたためる旅は、みちのくの入り口までであったが、春の胎動に立ち会い、それに包まれているのを実感したものであった。
 つかの間の自然のダイナミズムにふれた旅からわが家に戻ると、シュンランが花を咲かせ、ノカンゾウが鮮やかな緑をなし、ホトトギスの濃い緑色が土をはねのけていた。ささやかな庭の土にも、季節変わりの鼓動を感じたのだった。(04・3・15)

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