絵本と児童文学

絵本と児童文学、子ども、保育、サッカーなどの情報を発信する

赤ちゃんが・・・

2008-02-27 17:53:43 | 当世世間事情
 新幹線を下車するため、通路をドアのほうに向かっていた。歩きながら瞬時に無意識に右へよけた。赤ちゃんの頭が母親の腕からはみ出して、通路ぎりぎりの位置にあったからだ。ドア付近で下車を待ちながら、その赤ちゃんが気になった。
 赤ちゃんは1カ月も経ていない。普通は母親が赤ちゃんの頭をガードするように、腕で抱え込むようにするはずだ。腕が首あたりで赤ちゃんの頭が母親の体からはみ出ている。わたしと同じ駅で降りるときは、荷物を夫が持ち母親は左手に猫をもった。わたしはその姿を見てまたハラハラしたのだった。人ごみの中で赤ちゃんの頭が他人や荷物と接触しないか心配になったからだ。
 接触することはありうることだ。そのとき誰かが加害者になるのだ。このようなことも誰かが教えなければならないのだろう。その夫婦は、どうみても30代に見えた。

 右側の車窓から富士山がみえる。今年は雪に覆われた部分が多く、それが明るい春の朝の陽光で一段と気高く美しく見える。

 わが家の庭に、先週ふきのとうが2つ芽を出した。来年もっと増えることを期待してそっとしている。エビネの葉の緑が生き生きしてきた。寒さは残っているものの、春なのだ。


子どもたちの啓蟄

2008-02-26 16:15:47 | 子どもからの発見
 地域によって違うが、啓蟄(けいちつ)からが春だといわれている。啓蟄は、冬ごもりの虫がはいでる意味で、太陽暦で3月6日頃に当たるという。今年は5日である。わたしの住むところの季節にぴったりのようである。
 隣の子どもたち海とふきが、今朝6時30分に玄関ドアをドンドンとたたいた。半年振りの早朝の訪問である。睡眠が早寝早起きで、季節の影響を受けるタイプである。ずっと途絶えていた早朝訪問が、今日から再開された。まるで啓蟄と同じである。

■昨日海が友だちの兄弟をわが家のサンルーム部分に招きいれ、じっと庭をうかがった。ムクドリ、ヒヨドリとくるのを見て、「いいでしょう、ムクドリだよ」といった調子で、バードウオッチングである。メジロは室内の動きがあっても逃げないので、じっくり見られた。最初状況をつかめなかった友だちは、だんだん野鳥を見入るようになった。
 普段興味を示しているふうでもなかったが、ちゃんと他人に説明するほど心得ているのだった。それも自分が説明を受けたのを、まねしている言い回しであった。

■ふきは5歳半ぐらいから文字を読むようになったが、今は『さっちゃんのまほうの』(偕成社)くらいの長いもの(読み聞かせをすると20分ぐらい)も読みこなす。いわゆる拾い読みではなく、わかちがきごとに言葉あるいは文章として読んでいる。
 今朝は『さかなはさかな』を持ってきて、
「レオ・レオニだよ」
という。作家名をいうことにわたしは驚いて、
「どうしてレオ・レオニって知ってるの」
と思わず言ってしまった。すると
「ようちえんからかりてきてるのもレオ・レオニだよ」
といって家に取りに行って『ぼくのだ!わたしのよ!』をもってきた。
「レオ・レオニはえがうまいからわかる」
というではないか。『さかなはさかな』がクレヨンであり、『ぼくのだ!わたしのよ!』はコラージュで表現されており、普通は同一作家と気がつかないぐらいだ。どうしてわかるのだろう。
 どうやら担任ではない年配の先生と、絵本、草花、鳥について話しているとのことだ。


「中国の笛」をしのいで勝利-東アジア選手権第2戦

2008-02-21 14:16:09 | Weblog
 サッカー東アジア選手権の第2戦は、昨日チョンチン(重慶)でおこなわれた。1トップ2ボランチという初めてのシステムで、メンバーも若手の起用も含めて大幅に変えて挑んだ。
 ファーストハーフは大柄の選手の多い中国がきびしいプレスをし、主導権を握られたといってよい展開であった。ところが17分、駒野の左からのクロスボールを、GKがパンチングしたのをつめていた山瀬が右足で決めた。この1点があったから、アフタータックルなどラフプレーの限りをする中国に対して、日本選手は冷静に対応できた。
 セカンドハーフは、日本のパススピードを増してポゼッションができて、大方日本ペースで進んだ。中国が前半飛ばしすぎて、日本のスピードに乗ったプレーに対応できなくなった、ということでもある。そのこともあってか、ラフプレーがいっそう増えていった。
 GKの楢崎はシュートへの反応のよさが特長でプレー範囲が狭いほうだが、昨日の試合では果敢に前に出て中国の決定機を断ち切り、ベテランらしい戦況を読むプレーがさえていた。
 バックスに起用されて今野もよかったし、中沢はヘッドでも完璧に中国を封じたし、メンタル面でもチームへの貢献をした。初めてとった鈴木と中村の2ボランチのだが、その方がよいのではないだろうか。若手のオリンピック世代の起用も多く、きびしいアウェー環境でよく戦った。モチベェーションが高く、冷静に試合をしようとすることで意思統一されており、北朝鮮戦より充実した試合であった。
 北朝鮮のレフリーだったが、露骨な中国よりの笛だった。とても国際試合のレベルのレフリングとは言いがたい。これはあってはならないことだが、中国のサポーターの影響を受けることがあっただろう。それに審判技術のレベルが低いし、国際試合の審判経験が少ないことも起因しているのではないか。
 中国選手のラフプレーはボールに無関係に体にたいしてであり、レッドカードと判定されるような危険なプレーが多かった。日本チームに対してだけするとは考えずらく、このようなプレーでは国際舞台で戦うにはまだ時間が必要であろう。それに観衆のことなどでは、国際試合になれていないためか、反日感情とだけ片付けられない後進性を感じた。オリンピックは大丈夫だろうか、いやそれを通してスポーツをめぐる総合的な近代化を歩みだしていくのかもしれない。

 TBS系での放送だが、アナウンサーがサッカーの内容について深くないようだし、解説の金田も大味である。
 23日(土)韓国戦が楽しみになった。


介護福祉士をインドネシアから

2008-02-20 16:18:12 | 福祉
 昨年9月のコラムで書いたように、介護現場の声では介護職の不足は深刻だということです。とくに都市部では、求人しても資格問わずパートや臨時でも、職員が得がたい状況にあるということです。
 06年の介護保険度改訂で、職員の労働条件がいっそう悪化したからでしょう。それに企業の求人増も影響していると思われます。
 高校生の進路選択は現場の状況に敏感に反応し、介護福祉士養成の専門学校の定員割れ、あるいは学校の閉校も聞かれます。これから2,30年は日本社会の大きな課題である介護が、初期段階で劣化しているようでは困ったものです。
 介護福祉士の発足当初と介護保険制度では高齢者問題に関心が高く、多くの若者が意義のある仕事として選択しました。それが現場に介護福祉士の専門性を持った人が行き渡らないうちから、職員が見つからない状況に一気に落ち込んでしまいました。

 そのような状況を打開するためには、労働条件の改善等仕事に見合う対価でむくいるのではなく、経済格差の大きい国の労働者の受け入れでしのごうとしています。それがかつてからいわれている、経済連携協定(EPA)による労働者の受け入れです。
 フィリピン人の受け入れを数年前から日本側は準備をして(国会で承認済み)、今年度から開始かと思いきや、フィリッピンの国会審議が進んでいません。あるときのNHKラジオでは現地からの記者報告として「日本のごみが大量に運ばれて、不評をかっているので沈静化するまで提案できない」、またあるときは「大統領選挙をひかえて提案すると不利になる」といったことでした。いずれにしても対日感情がよくない、ということです。
 またアメリカやカナダに比べ日本は条件がよくないので、仮に日本への介護労働者の輸出が決まっても応募者が少ないだろう、といった観測も報道されています。フィリピンの高等教育は英語であるため英語圏がよい、カナダでは3年続けると永住権が得られます。それにたいして日本は、高等教育を受けた人を基準にし、3年間で日本の介護福祉士の資格を取るという条件であり、その前提には日本語習得という高いハードルがあります。

 さてフィリピン人の受け入れが進展しないうちに、インドネシアからの受け入れが年内にも実施されるということが、11日の『朝日新聞』で報道されました。昨年夏に締結された経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア労働移住省は派遣体制を準備しているとのことです。日本での国会承認はこれからです。
 両国合意の人数は、2年間で看護師候補400人、介護福祉士候補600人。インドネシアでそれぞれの専門教育を受けている人となっています。
 日本に来たら、6カ月間の日本語研修後病院や老人ホームなどで助手と働きながら日本語の国家試験を受ける、ということです。合格すれば無期限で在留でき、受からなければ帰国するとのことです。日本の資格や免許を取るということは難しく、甘く見ても10%もそれをクリアーできないと思われます。合格しないからといって帰国するようになるでしょうか。
 厚生労働省は看護、介護職員不足を補う限定的措置としているが、実際はそうはいかないと思われます。労働条件の悪化をそのままにして、経済格差のある国から低賃金労働で補うというのは、日本の未来は明るく描けないでしょう。
 それに外国人労働者の受け入れは、労働力不足を解決するにとどまらず、文化、人種、宗教、人権など日本社会のあり方にもつながる問題を内包していることも見越しておかなければならないでしょう。

美しい声を求める若い人たち

2008-02-19 17:52:48 | 音楽
 今朝は-1℃で、また寒さは残っている。しかし昼の日差しは明るく強くなり、早春である。寒さのためか、例年ひどくなる花粉症はまだ症状が現れない。

 様々な演奏家がどのように表現するかを比較して味わうのは、音楽を味わう楽しさである。しかし素人がそれらしく演奏するのを聞くのも、わたしは好きである。とくに声楽はそれを味わう楽しさがある。
 わたしは趣味の声楽発表会をよく聞くが、昨日はある音楽大学の学生とOGと思われる人のそれであった。○○門下生発表会というのである。学んでいる途上の人は、特定の先生から弟子のように細部にわたって教えを受けるのである。
 よく耳にするイタリア古典歌曲を数曲聞いた。モーツアルトのオペラのアリアなど聴いたことありそうな曲は親しみを感じた。若い学生たちなので声が出来上がっていなく、審査員のつもりはないが課題と思われることを考えながら聞くのも興味深い。趣味でやっている人たちの発表会とは違って、若くて声で表現しようとする歌に対して、声やテクニックに注意して聞くのがよい。
 15人ほどの学生が終わってからは、OGと思われる20代後半から30代ぐらいの人を10人聞いた。おそらく家族で暮らしながら続けている人、プロとして舞台に立っている人などと想像しながら、オペラのアリアを聞いた。それぞれ個性的で完成度の高い声での表現は、しみじみと聞いてしかも高揚感を持って聞いた。

 久しぶりに真摯に声で表現しようと励んでいる若い人たちの姿に、ほどよい緊張感と心地よさを味わった。自転車で帰ってきたので冷え切った体を、薪ストーブで温めながら耳に残っている声を呼び起こしたのだった

岡田監督が「お試し」する期間-東アジア選手権

2008-02-18 17:04:57 | サッカー
 中国の重慶(チョンチン)で昨日から始まった東アジア選手権の初戦は、北朝鮮とであった。唯一予選から勝ち上がってきた格下と思われていた北朝鮮と、1-1で引き分けた。
 ディフエンシブにくるだろうと思われた北朝鮮は、日本が相手をうかがっているような立ち上がりに、ひかないで先取点狙いで攻撃的に挑んできた。一瞬のすきに中央からのミドルシュートを決められた(6分)。
 その後の北朝鮮は、ワントップにしてカウンターねらいに徹底した。ファーストハーフの日本は、ディフエンジブな北朝鮮に対して中距離のパスもおりまぜてつないでボールポゼッションをしたが、打開することもできず終了した。
 セカンドハーフは日本のパスのスピードも上がり攻撃の変化も試みたが、北朝鮮のよく対応していた。時にはインターセプトをされてカウンター攻撃をされた。メンバー交代をしてまもなく、交代した安田のセンタリングをキーパーがパンチングしたのを、これも交代した前田が決めて同点とした(後24分)。
 その後日本は追加点を狙って攻撃を試みたが実らず、北朝鮮の粘り強いディフエンスを破ることができなかった。
 日本は不満の残る結果であったが、メンバーがベストメンバーでないことや戦術や選手起用など、岡田監督としては「お試し期間」として今後のチームづくりのための蓄積をする試合であった。

 東アジア選手権は20日の中国、23日の韓国と、8日間で3試合というハードであるが、岡田監督の方針が選手に浸透することと監督自身のチームづくりの蓄積になることを期待したい。

米軍基地問題から目をそらすな

2008-02-16 20:48:02 | 生活・教育・文化・社会
 沖縄でまた中学生が米兵から強姦される、という事件が起こった。事件が基地外だったため米兵(38歳)は逮捕され取調べを受けているが、目下強姦容疑を認めていない。
 この報道では、メディアで使用する言葉がことなっている。NHKと読売新聞は「乱暴」、毎日新聞は「暴行」、朝日新聞は「強姦」である。乱暴という言葉は普通には暴力であり、強姦の間接的表現をしているつもりだろうが、意味が広範囲になり核心がぼけてしまいかねない。
 今朝の日本テレビ系の「ウェーク」(よみうりテレビ制作)で、中田横浜市長がコメンテーターとしてこの問題に対して「中学生が夜に誘われてついていくのも問題だ」といった趣旨の発言をしていた。これはいじめにあった人に「いじめにあった側にも問題がある」と同じ見方で、人権感覚の欠如もはなはだしい。ことは8時30分におき、無理やり連れて行かれ途中で逃げたのを連れ戻されている。今後週刊誌が中田市長的な視点で取り上げ、被害者が2次的被害にさらされかねない。

 この事件に対するアメリカの対応はすばやかった。シーファー大使と米軍沖縄最高責任者が知事に謝罪に出向いた。当面米軍再編や思いやり予算(米軍駐留費のために07年の場合2173億円日本が負担している)等をかかえているため、反基地運動になる前に沈静化する、いわば政治決着を図ろうとしている。それに対して、沖縄県知事はアメリカペースですでに腰が引けている。
 再発防止といっても、基地内の主として若い海兵隊は0時から5時まで外出禁止であっても、今回の米兵のように基地外の一般住宅に暮らしている人が、5千世帯だという。監視カメラやパトロールでは、犯罪の抑止力になるとは思えない。兵士教育といっても限界がある。
 米軍基地はすでにフィリピン、韓国から撤退している。沖縄はあまりにも巨大な基地をかかえている、という本質から目をそらしてはならない。すでに決定済みの駐留本部のグァム移転(日本の負担金は7千億といわれている)を沖縄再編(辺野古移転)と切り離して実行することも、この際考える契機ではないか。

自園方式の給食

2008-02-12 16:42:37 | 子ども・子育て・保育
 昨日の昼は暖かだった。庭の野草のオドリコソウが目に付いたので、立春過ぎて春遠からず、といった感じである。
 今朝は5時30分に家を出た時は寒かった。新幹線で西に向かったら、雨であった。しかもけっこう寒い。

 保育園を訪ねた。保育士11人中5人が、正規職員と同じ仕事をする臨時であった。大都市以外は大方このような状況である。ある調査でも臨時、つまり非正規雇用が30%ということ。
 延長保育が6時30分までということだった。7人ぐらいと10%の利用である。
 子育て支援の一環として保育園が担うことが拡大しているが、それを担える条件をつくらないままの政策展開だから、現場はきびしい。カネをかけないで待機児解消、日本に一般化している長時間労働に対応して延長保育といった施策を拡大している。新保育指針の保育士に求める専門性と、実態との乖離がはなはだしい。

 給食は自園方式なので、調理室から食の匂いが漂っていた。何気ないことだけど、子どもにとってこの匂いも大事である。その日はパンだった。パンを食べる時は、子どもが自分でマーガリンなどを塗りながら食べられる容器に入っているとのこと。ちなみに週5日中3日が米飯であった。
 その日のおかずであるスープや肉団子は、温かなものを食べられる。肉団子も素材から丸めてつくる。食育といって大上段に構えなくとも、匂い、食材が分かる、暖かさ加減などでおいしく食べる、といった普通の事を大事にしたいもの、と改めて感じた。
 センター方式だと、大量に作るので様々な食料を混ぜたものが多いし、温かさや匂いといった食の総合的なものが捨象されてしまうのだ。

白い雪景色

2008-02-10 18:24:16 | 身辺のこと・自然
 今朝起きたら一面が白の景色。雪景色を銀世界という比喩表現があるが、それほどの重量感がなく寒さで光るぐらい硬くなく、頼りないものだ。しかし景色が白くなるのは、気持ちが落ち着く感じになる。庭に積もった雪は昼過ぎには、大方とけた。
 例によって野鳥にリンゴ、ミカン、パンの給餌をした。雪なので野鳥に思いをはせ早朝にやった。昨日今日と見ていると、わが家の庭はムクドリがテリトリーにしたようで、2羽が餌をついばむことが多い。強そうなヒヨドリが餌を奪おうとすると追い返してしまう。歩き方がユーモラスで愛嬌のあるムクドリだが、餌を守るとなるとなかなかの攻撃力を発揮することが分かった。
 メジロはムクドリとヒヨドリがいなくなるのを見計らって、餌をついばむ。どこからともなく現れるのが不思議だが、生きていくための習性が備わっているということだ。
 去年の秋ごろから常連だったスズメが、めったに来なくなった。ほかにテリトリーを定めたのかな。スズメより大きくて似ている鳥が時々来るが、どうやらツグミかもしれない。シジュウカラのような鳥も来るが、これはハクセキレイのようである。
 住宅地なのに野鳥が来るということは、大きな環境としては公園があったりして野鳥が生息できるということなんだ。

 首都圏の街なので、立春過ぎてからの雪が降ることのほうが多いが、今年は3回目である。「春は名のみの風の寒さや・・・」とは、この時期の寒い時ををうまく表現している歌であると、毎年思うのである。
 日の出が早くなり、だんだん昼の気温が上がるようになる。日中暖かさを感じると、三寒四温と言う言葉がこの季節をぴったり言い当てているのである。

タイから勝ち点3発進

2008-02-07 21:10:51 | サッカー
 今朝は一面雪景色だった。気温も0℃であった。わたしが留守をしていた3日にも雪が降ったそうだから、1月からは例年並みの寒さの冬のようである。

 昨晩のW杯3次予選初戦のタイ戦は、4-1で勝ち点3の発進となった。日本のグループ2組は、バーレーン、オマーン、タイなので、このグループから決勝最終予選間違いなしというのが大方の見方である。しかし公式戦は国の期待を背負っているだけに、モチベーションが高いので楽観は許されず、細心の準備で臨むのが求められる。
 ホームの埼玉スタジアムは、この種の試合としては観客が少なく(35130)あいにくの雪の舞うコンデションの中で行われた。タイはイングランドで寒さ対策も含めて準備はしていたといえども、雪の舞うコンデションはリスクを抱えての試合であっただろう。
 前半21分、遠藤が中央右寄りからのフリーキックをダイレクトに決めて先取点を取った。すぐにミドルシュートで返されて同点。これは得点後、一瞬集中が切れたときに決められた。
 後半は日本が3点を入れて、終わってみれば圧勝であった。タイはもともとサッカーが盛んなので、ボールテクニックは低くはない。戦術的判断力、試合の組み立てなど国際レベルとの距離はかなりある。しかし3次予選までコマを進めたことからしても、レベルが急激に上がっているように思えた。同じ地域で競い合っているベトナムは、3次予選には見えなく、シンガポールが出ている。
 日本のサッカーは、パスのスピードが格段に上がったし、プレスがきつくないせいもあってミスも少なかった。しかも前線へのロングやサイドチェンジなど攻撃的なパスも多くみられた。
 試合終了後のインタビューは、岡田監督選手ともども試合分析をして課題まで言う内容のあるものであった。3次予選だけでも6月まで、後5試合でこれからという状況もあるだろうが、野球選手みたいに「がんばります」で話を締めくくらないのが良い。サッカーというスポーツの文化性を反映している、とわたしは見ている。

 3次予選は5組(20チーム)あって、1組2位で10月15日からの最終予選に進出する。3次予選の組で厳しいのは、1組のオーストラリア、中国、イラク、5組のイラン、UAE、シリアなどであろう。
 最終予選は10チームを2組に分けて、各組2位までがW杯出場できる。日本はW杯出場の4チームに入ることを絶対条件として課せられているのだ。