絵本と児童文学

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蟹工船、また

2008-07-30 19:26:35 | 生活・教育・文化・社会
 小林多喜二の『蟹工船』の文庫が売れているのは、様々なメディアを通して知ることとなりましたが、そのようになったきっかけの一つにマンガがあったということでした。
 06年11月に銀座出版社から発行された『マンガ蟹工船』を取り寄せました。作画は、藤生ゴウでした。
 彼はある時期に隣に住んでいて、お邪魔したことがありました。裁判の被告人の顔を書くぐらい、腕の立つイラストレーターです。仕事をした本を紙袋いっぱいいただいたことがあり、分野が多岐にわたります。虫や魚の精密な絵から精緻な歴史上の人物がなど、驚いたものでした。マンガというか劇画も描くことがわかりました。この本は6月20日で6刷、かなり読まれているということです。
 もう一つのマンガがありました。『まんがで読破・蟹工船』(07年10月 イースト・プレス発行)です。文庫本大で、いわゆる近代文学をたくさんマンガにしています。
 わたしはマンガを読むのが苦手なので、ほとんど読んだことはありません。しかしこのマンガを読み比べましたら、前者の方がはるかに文学作品を崩していないものでした。後者は作画が特定していなく、顔の絵が多く状況などの想像がかき立てられるものではありません。

 ところでわたしは原作を最初は高校時代に読み、その後いくつかの年齢の時に読んでいます。生まれ育ったところのためにイデオロギーだけではなく、漁場の様子など子ども時代に聞いたことがあります。職業は漁業ではなかったが、防寒着にアザラシの皮が使われているものを見たことがあります。『蟹工船』は北方の漁業としても想像ができました。
 映画は子ども時代に見た記憶があるが、寒さ、過酷な労働、不条理、怖いといった思いをしたものでした。それに自分だったらどうしよう、その時代に生きていなくてよかった、といったことも考えたのでした。

道が混まなくなった

2008-07-29 15:56:31 | 当世世間事情
■ 道が混まなくなった
 都市ではあるが、タクシードライバーに聞いた話では、道が以前より混まなくなった、とのことです。ガソリン値上がりのため、車の乗りびかえが増えているのでしょう。タクシー会社はLPガスだが、ガソリン価格と同じく高騰していて、会社は大変だろうとのことでした。
 わたしの体験では、横浜に車で出かけるのを50分余り見込んいたのが、このところ3回は40分で着いてびっくりしている。

■ 自転車でケータイメール
 自転車に乗りながらのケータイでの電話利用が気になっているが、今はケータイでのメール打ちがよく目に付くようになっています。住宅街の狭い道をおぼつかない乗り方でやっているのを、はらはらしながら見ています。
 車を運転する側の注意事項に、子どもの自転車と朝スピードを出して乗る若者と、さらにメール打ちながらの運転が加わりました。ケータイでの電話も禁止事項になっているが、メールとはね・・・。能力や技術が向上したというよりは、一つのことに専念できないということかもしれません。
 あるパーティをやった時に、バックグランドミュージックの準備が重要事項でした。音楽がないほうが集まった人の心を交わすのにどんなにいいかと思いながら、集中できないと我慢したことがありました。
 テレビでも映像に必ず音を入れます。名画や世界遺産や自然風景にも。それってヘンだと思います。

■ 毎日新聞
 近くにあった毎日新聞の販売所が、7月からなくなりました。理由はわかりません。
 毎日新聞は北海道での夕刊を廃止したし、500万部発行とされているが、財政がきびしい状況とも言われています。歴史があり、新聞社としての公益事業もたくさんしています。すぐ思いつくものとしてアマチュア野球、音楽家の登竜門である音楽コンクール、書など。わたしは駅などで買う新聞は、毎日新聞であり読むようにしています。記者子コラムなどおもしろいのです。
 署名記事を多くしたり、レイアウトをさきがけて変えたりしているが、みんなの広場(投稿記事)に高齢者が多いことなど気がかりです。


日本語力はどうですか

2008-07-25 21:20:50 | 生活・教育・文化・社会
 雨が降らなくて2週間以上になるだろうか。連日猛暑が続いている。
 庭にはじめてシラユリが咲いた。つぼみが膨らんできたと思っていたら、今朝、鮮やかに花開いた。それにキンカンの白い花がたくさん咲いている。初夏に咲くと思っていたら、盛夏に咲くのだった。

 今朝の朝日新聞によると、文化庁が07年度におこなった「国語に関する世論調査」の結果は、興味あるものなので書き記すことにする。○が正しく×が誤用である。誤用が多いのが、8問中5つである。そのうちどちらでもよい、となっていくのかな。わたしは、話のさわり→話の最初の部分、憮然(ぶぜん)→腹を立てている様子、の2つを誤用している。
 ところでこの8問を、会話でよく使う人ってどのぐらいいるのだろう。しかもすべて正しく使っている人って少ないと思うが、いかがなものか。
 日本語は幼児期に独学で読み書きを習得できるぐらい入門はやさしいが、生涯獲得に励まなければならない、奥深い言語ということだ。

【どちらの言い方を使うか】
① 全力で物事に取り組むこと
  ○心血を注ぐ (64.6%)
  ×心血を傾ける(13.3%)
② 論理を組み立てて、議論を展開する
  ○論陣を張る (25.3%)
  ×論戦を張る (35.0%)
③ 何かがきっかけになって、急に物事の本質がわかる
  ○目からうろこが落ちる(80.6%)
  ×目からうろこが取れる(8.7%)
④ 卑劣なやり方で失敗させられる
  ○足をすくわれる (16.7%)
  ×足下をすくわれる(74.1%
【どちらの意味か】
① 話のさわりだけ聞かせる
  ○話などの要点     (35.1%)
  ×話などの最初の部分 (55.0%)
② 7日間に及ぶ議論で計画が煮詰まった
  ○結論の出る状態になる  (56.7%)
  ×結論が出せない状態になる(37.3%)
③ 憮然(ぶぜん)として立ち去る
  ○失望してぼんやりとしている様子(17.1%)
  ×腹を立てている様子        (70.8%)
④ 檄(げき)を飛ばす
  ○自分の主張や考えを広く知らせて、同意を求める(19.3%)
  ×元気のないものに刺激を与えて、活気をつける (72.9%)

連日暑い

2008-07-19 06:27:50 | 身辺のこと・自然
 連日暑い日が続いている。梅雨前線が追いやられ夏の気候である。梅雨明け宣言はされていないが、すでに梅雨明けはしているのかもしれない。昨日の午後はスコールのような雨が降った。
 わが家の庭は、6月下旬に木の剪定をしたのでさっぱりしているが、ノハギなどの低木や草はうっそうとしてきた。ノハギの花が咲き誇っている。アサガオ、ヘチマなどが網をつたわり日々上に伸びている。今年はミズヒキが多くなっている。
 この間池のヤゴがトンボにかえりアゲハも飛び立った。庭にはチョウ、トンボなどが寄り道してくれる。時々スズメでにぎわうときがある。

 今日も相当暑くなりそうである。テニスをやるとコートでは38℃を示すことが多い。8月10日すぎると日照りが強くとも秋風がからだを通りぬけるが、今は風もなく1年中で一番熱いのである。
 日の出の時間がだんだん遅くなって4時半ごろから明るくなる。夕方も7時には暗くなる。昨日はその時間に、東の空に大きな満月が夜空に光を放って美しかった。

粗大ごみ回収

2008-07-15 15:08:08 | 当世世間事情
■ 粗大ごみ回収
 時々「ミニコンポ、テレビ、家具などいらなくなったものを回収します」というのが、ミニトラックで巡回してきます。
無料で回収という触れ込みで料金を取ることに対して、生活相談センターにたくさん相談が持ち込まれている、不正商売があります。生活相談センターでは、被害にあわないよう、呼びかけています。
 無料とは言わなくなっており、料金を取ります。物によっては1万円といった料金になるので、1日結構な収入になるかもしれません。修理して途上国などに輸出するのか、とも想像しますがそれは不明です。
 自治体が粗大ごみを有料化するようになってから、この商売が生まれたのではないかと推測しています。わが市では02年頃から市の粗大ごみ回収は有料になりました。
 ところでこの商売は、しかるべきところから認定や許可を受けているふうでもありません。それに単独なのか、それとも大元の人がいて巡回車は営業で、ネットワークがあるのでしょうか。
わたしが心配するのは、回収した粗大ごみの処理です。修理してリユースするのならよいのですが、投棄をどうしているのでしょう。市の処理は、おそらく回収料金に上乗せしてやっていると思われます。すると不法投棄ということが心配になります。それは国内でも困りますが、フィリピンに日本のごみが大量に持ち込まれて、不評を買っていると報道されたことがあるので、それと関係がないのだろうかと考えをめぐらせてみました。
 
■ 秋葉原無差別殺人事件のとき、短時間で10人以上に斬りつけて死に至らしめるというのは、相当な体力と集中力のある者でなければできないと思ったら、ダガーナイフというのを使ったということだった。そういったナイフがあるとははじめて知った。そのようなことへの嗜好がある人がいるとはいえ、生活に使うナイフとは異なるものである。
 8日の毎日新聞によれば、販売規制つまり禁止をしていた県が7つあり、事件後に禁止が12県である。その他は禁止予定、検討中などである。
 献花台に7日までに8000の花束や1万本の飲み物が供えられた。これは49日にあたる27日まで継続するという。仏教国であることを自覚させられた。
 歩行者天国とは、よく考えると不思議なネーミングである。それをやめ、監視カメラを増やし警察の巡回が常態化している。欧米ではおそらく追悼集会を催し、それまでの街に戻るのではないだろうか。窮屈さを増大することが、こういった犯罪の抑制措置になるのか、考えさせられるものだ。

児童期へ成長

2008-07-14 13:30:31 | 子どもからの発見
 海は2年生です。だんだん幼児期の特徴が消え、児童期へと成長しています。
◇ 1年生までは妹のふきも含めて3人で、ごっこ遊びをよくやっていました。動物になっては想像の世界を共有するために「○○なのね」と申し合わせをして、それをベースにして話を作りリビング、階段、2階など空間を広く使って、ダンボールでコーナーを作ったりしてやっていました。そのようなごっこは、2年生からやらなくなりました。2年生になってからは、数回学校ごっこをやり、先生役になっていました。担任の先生の特徴と思われる真似をしていました。もうごっこ遊びはやらなくなりました。
◇ それまでよくやっていた空き箱を使って作る、絵を描く、折り紙、おもちゃでの遊びなどめっきりやらなくなりました。
◇ 想像の世界でモノを何かに見立てる、幼児期の大人社会の知識や規範にかかわらない行動はめっきりなくなりました。児童期へと転換したようです。

◆ 1年生の2学期から、徒歩3分ぐらいの別な並びの住宅に住む、学校のクラスの友達と時々遊ぶようになりました。事前に約束をし、リュックに遊び道具を入れて行ったり来たりします。野球、サッカー、あるいは共通の話題であるポケモンなどです。家にはお互いに上がらないようにしているようです。ちなみに町内の住人は、子どもはいなくおおよそ高齢者で、静かです。
 また最近では、公園に出かけて遊ぶことが増えました。大きな公園では登校班の上級生とサッカーをやることもあります。
 規範を意識して行動するのは、まず時間のようです。5時のチャイムがなったら、外遊びをやめてすぐに家に帰ってきます。また、状況によっては丁寧な言葉遣いをできるようになっています。
◆ 宿題が毎日あります。学校から帰ったら、まずそれをやるようにしています。算数の計算と国語の音読や漢字などです。わたしから見れば、毎日やって学校に通わせるのは、親が大変なので、誰もがやっているとすれば、大したものだと思うのです。海は必ずやるものだと思って、やっています。
 2週間ほど前、「黄っていう漢字どうだっけ」というので、もたもたしていたら「黄」と書きました。そこでついでにと思って「左に木を書くと横って言う字になるよ」というと「ぼくならそれをバナナって読むよ」という反応でした。「えっ?」というと「木に黄だから、バナナがなっているっていうこと」といってのけました。知的なお笑い(ユーモア)を考えられるようになったものです。
◆ 先日の七夕飾りには「頭がよくなりますよう」と書いていました。これは一般的大人が考えがちな特別なことではなく、勉強が生活の中に位置づいている、と解釈してみました。
◆ テレビ番組は「ポケモン」は欠かさず見ています。これは子どもたちの共通の人気のもののようです。最近は「ドラえもん」も見るようになっているようです。NHK教育の子ども番組はまだ集中してみています。
 またニュースで報じる断片を取り込んで、会話の際しゃべることがあります。学校の生活科でやるのだろうが、周囲の社会的なことにも関心を持つようになってきています。たとえば街のことを銀行、デパート、駅といった体験以外の概念でいうようになってきています。
◆ 生活圏と違うところに、親が畑で野菜を作るようになりました。海は親と一緒に自転車に乗って出かけます。
 自転車を単独で乗りたがって、一度「乗れるのにどうしてだめなんだ」と強く訴えました。3年生になったら学校で自転車の乗り方を体験してから、ということにしています。
◆ 上の子どもの場合、見よう見まねということが少なく自分で開拓していかなければなりません。この手探りの学習は大変ですが、長い人生ではよい体験になると思われます。 

来月にインドネシアから

2008-07-10 10:24:01 | 福祉
 今朝のNHKのラジオニュースによると、EPAにもとづくインドネシアの看護と介護労働者が8月中旬に来日するとのことだ。
 看護職155人、介護職125人で、総数280人である。総受け入れ2年間で1000人の第一歩である。日本の受け入れ先の病院57、老人施設等が107は、すでに決定している。
 来日後半年間に5つの研修所で、日本語、医療、介護について研修を受けてから職場にで働くことになる。看護師3年、介護福祉士3年を経て日本の国家資格を取得した場合継続され、それ以外の人は帰国するという。

 インドネシアでは希望を募り選考しているといわれているが、日本で働くために日本語やそれぞれの専門職としての研修をしている等は伝えられていない。選考基準もわからないが、看護職はインドネシアでその職についていたとしても、日本の病院でそれをベースに働けるとは考えにくい。インドネシアでは介護という職業が確立していないといわれており、最初の公募には希望者は少なかった。そのようなことからすると日本向けの看護や介護を、学校等で学んだとは考えにくい。
 来日後の半年の研修としているので、そこで職業の専門性を学ぶ可能性がある。それにその研修期間に、日本語の研修というのも気になる。仮に日本語検定2級以上レベルであっても、看護と介護の国家試験で資格を獲得することはきわめて難しい。3年ないし4年間仕事をしながら日本語の学習をしても、日本語検定2級の資格を取得するのが難しい人が多いと推定される。
 資格を取れないと帰国するとなっているが、現実問題としてそのように運用できなくなる可能性がある。その時は特別な資格を作る等によって、継続させることも想像出来ないことはない。とくに介護は日本の生活文化に根ざしたコミュニケーションをベースにするので、直接介護は難しい。場合によっては補助的業務をすることとなり、介護業務が複線化する可能性がある。
 日本の医療と介護という暮らしのセフティーネットを、外国人にその一部をゆだねるという歴史的なことがスタートすることになるのである。

フェデラー6連覇ならず

2008-07-07 10:18:42 | テニス・他のスポーツ
 ウインブルドンが気になったのか、3時少し前たまたま目覚めた。いつもならまた眠りにつくのだが、ウインブルドン男子ファイナルの試合が続いているかもしれない、と思ってテレビをつけたらやっていた。開始時に見たが、生活リズムを崩したくないと思って、眠ってしまった。雨の中断もあったので時間が延び、さらに伯仲した壮絶な戦いをしていた。
 2セットをナダル(スペイン)が取ってタイブレークに持ち込んだが、フェデラー(スイス)が3セットを取り4セット目であった。
 フェデラーは5連覇しており、122年ぶり2人目の連覇がかかっていた。22歳と若いナダルは、ウインブルドンファイナルのフェデラーとの3回目の対戦だ。挑戦者でもあるため、オールラウンドプレーヤーであるフェデラーに対して、ナダルはボディとバックを攻めていた。フェデラーのフオァは、ボールを自在にあやつりワイドを使う。ナダルは走らされて消耗するため、フオァでの打ち合いを回避したのだろう。
 フェデラーは、第4セットのタイブレークで2度のマッチポイントをしのいでこのセットを取った。フェデラーの強靭な精神力での応戦は、感嘆に値する。長い4セットから5セットに持ち込まれた。
 長く続くラリーは見ごたえがあり、接戦はかたずを飲む緊迫感あるものであった。最高の舞台で現代のテニスの高水準プレーを堪能した。最後はナダルに凱歌が上がった。第5セットは、9-7であった。試合時間は4時間48分で、長時間試合記録を塗り替えた。この試合は歴史に残る名試合となるだろう。
 ナダルはクレーコートの全仏オープンを4度制し、クレーに強いとされているが、芝生のウインブルドンをもチャンピオンになった。若さとラリーの技術が高くしばらくはフェデラーとともにトップを争うことになるだろう。

 EURO2008を見て生活リズムに変化ができたので、深夜に放送されるウインブルドンは見るのを控えていた。いい試合を見て満足したし、きょうは昼に睡眠時間赤字の穴埋めをしなくちゃ。

*8日の毎日新聞を参考に、加筆筆修正をしました。テレビ放送を参考に書いたため、若干不正確な記述がありましたことをお詫びいたします。(8日追記)

保育の質をよくする条件-保育の現在②

2008-07-06 13:19:59 | 子ども・子育て・保育
 公示された保育指針は、大綱化されコンパクトに7章に収めた。その中の7章は、職員の資質向上、である。保育士の専門性を高める事を重視したのを、保育の質の向上につなげたいものだ。
 ところが保育所は、持続的に保育の質の向上ができる条件がある、とはいいがたい現状にある。その理由は、大都市の保育所は別として、労働法改正を反映してか非正規職員の比率が多くなっているからである。しかも非正規職員(期限付き臨時職員)がクラス担任をしている。
 わたしが機会あって取材したのでは、町、村ではクラス担任の50%ぐらいが非正規職員で、大都市周辺の市で30%ぐらいという印象である。クラス担任が正規職員でないとは、以前は考えにくかった。
 非正規職員は担任としての能力に劣るとうことではなく、責任ある業務をその人に委ねることへの懸念と職場としての仕事の蓄積が持続できない、という問題がある。しかも非正規職員の人の多くは、正規を希望している等から協同でする保育の仕事に、微妙な気遣いをすることなり、そのことが職場に仕事の核心まで問い詰めることをさける、ということを生み出していないだろうか。また、複数担任では、保育の中心を正規職ではなく年配の非正規職がおこなっている光景を、一度ならずとも見たことがある。
 さらに非正規職員は、延長保育の朝、夕だけ、あるいは職員の休息時間の代替といった、パート職員が多くいる。ある調査では、05年度で正規職員の比率が34.1%とのことだ。

 少子化対策のなかの子育て支援の多くを担う保育所は、待機児解消のために定員を20%超えた受け入れ、延長保育、乳児保育等実施してきている。それらを実施する財政の裏づけがないまま、現場の保育士の負担が過剰になっている。
 保育士は、労働時間がすべて保育業務という事情にある。職員の資質向上が個人の努力にゆだねるだけではなく、研修権を持ちそれを協同でもおこなえて、仕事の質の向上につなげていけるような条件も考えなければなるまい。保育士が自らの専門性に誇りを持って働けるために。

文字の読みと書くこと

2008-07-04 15:23:30 | 子どもからの発見
 ふき(6歳、年長組)は年中の秋頃から、一気に文字を読めるようになりました。観察していても、どのような過程を経たか分からないぐらい、短期間で獲得しました。文字を読めるようになったら、歌の歌詞を見ては2番3番と歌いました。メロデーと合致しているので、これにはちょっと驚きました。
 文字を読み出したらいわゆる拾い読みではなく、すぐ言葉として読みました。ひらがなは言葉ではなく音を表記する表音文字なので、読み始めはひと文字ごとに読みがちになります。ところが言葉としてつなげて読みました。文字を目で追うだけではなく言葉のかたまりとして読んでいるわけです。しかも早く読み、内容も理解しているようです。
 兄が文字に接触し、さらに入学して勉強している環境にあるので、見よう見まねでそのような獲得の仕方をするのでしょう。年中組から小1の兄のしりとり遊びに付き合っているので、語頭と語尾の音を取りさす力、つまり話し言葉自覚化ができているのです。これができるということは、読むことが可能という証でもあるのです。
 手探りで少しずつ分け入った兄の学習と、文字に親しめる環境にあるふきは学び方が違います。ふきのほうが効率よく学んでいるが、それは環境の違いからくるものです。
 読めるのでひらがな書きをじっくりやります。それは2つ3つの文字を書いて、他は上から下へカーブをつけた記号のようなものを、時間をかけて丁寧に書いていました。文字を書いているつもりなのです。
 そのため年長になってからは、文房具屋に売っている書き方の入門のノートを買ってきて、ゆっくり進めて書くようにしました。そうしたら喜んで取り組みます。自分が書けるようになったことを自覚出来て、うれしいようです。筆順も正確に覚えています。