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晩秋を楽しむ旅

2002-11-22 10:21:53 | 旅行
[61] 晩秋を楽しむ旅 (2002年11月22日 (金) 10時21分)

 中央線の甲府へ向かう車窓からの山々は、紅葉まっさかりだった。いつも見慣れている東海道新幹線や知多半島のそれとは、趣が違う。寒暖の差の激しさと照葉樹の少い自然条件が、鮮やかな紅葉をつくっているのだ。急で険しい山々の木々が落葉寸前に、私たちに自然の移ろいの美しさをプレゼントしてくれている。
 気心知れた3人での旅である。県立美術館でミレーの絵を見た。いつかは訪ねたいという思いが実現したのだ。ミレーの絵は農民を描いたものが多く、ゴッホにも影響を与えた。絵の前でしばし静かに思索にふける時間をもらった。作品が6点であっても、オルセー美術館(パリ)などに行かなくても鑑賞できるのは、しあわせなことだ。
 昇仙峡は、次々の繰り出す天に突き出すような岩肌に添う木々の紅葉が、まさに錦織り成す彩りで自然の鮮やかさを堪能させてくれた。自然を愛でながらの日常性を排した時間は、至福の時を刻んでいた。紅葉を照らす夕焼けは、なぜか輝いて見えるのだった。
 温泉でからだをほぐし、しばし話し込んだ。2人とも研究者であり、それをビジネスとして展開していく立場にいる。そのあたりの研究とビジネスの関係の仕事の話は、私にとっては異業種のことをじかに聞くことなので刺激的だった。
 紅葉をみることに日程を合わせたわけはなたったが、最盛期の山々の美しさにつつまれた旅になった。18日(月)に帰って日常の暮らしに戻ったので、ささやかな心穏やかでかつ心踊るひとときであった。あの山々の紅葉の葉は、もう風に舞い始めていることだろう。

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