絵本と児童文学

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誉めことば

2004-08-29 14:32:19 | みるふぃーゆのコラム
誉めことば (2004年08月29日 (日) 14時32分)

 子どもといっしょに出歩くようになってから、近所の人から見知らぬ人までよく声をかけられるようになりました。
ま~た、うちの若殿はそとづらが良いというか、お愛想良しというか、よその人ににっこりと笑ったり、日頃、親の私たちには見せない芸など披露します。当然、「かわいいわねえ」と言われ、若殿は一段と調子にのっていい気分のようです。
 
 よその子どもに対する誉めことばは、やっぱり「かわいい」と言うことが多いと思います。もちろん、「かわいい」と言われることが多いです。
でも、今まで言われた中で、親心をくすぐられたのは「賢そうね」という言葉でした。「頭よさそう」ではなく「賢い」でもなく「賢そう」なのです。
社交辞令とはわかっていても、うれしくなっちゃいます。
私も、よそのお子さまに使わせてもらおうと思った次第です。

みなさんも小さな子ども連れにどうぞ「賢そう」をお試しあれ!親の目元が緩むこと間違いなし。もっとも、寝顔に「賢そう」では効果半減ですけどね。

イタリアがイラクを破って3位に

2004-08-28 05:15:22 | サッカー
[169] イタリアがイラクを破って3位に (2004年08月28日 (土) 05時15分)

 オリンピックサッカーの3位決定戦は、先ほどの4:21分に終わりました。イタリアが前半9分、左からのクロスをヘッドで合わせたジラルディーノ(パロマ)の得点を守りきりました。
 私はイラクがどのぐらいのレベルなのかという関心があったので、3:30分過ぎからの後半をライブで見ました。
 イタリアは、試合前にジャーナリストがイラクで殺害されため、喪章をつけて試合に挑みました。喪章をつけるという心理状態からか、あるいは準決勝でアルゼンチンに0:2で敗れたからか、しかも1点を守りきるディフェンシブなサッカーをしたわけではないが、高揚した切れとスピードというよりは、ゆっくり展開していたような印象でした。格下相手のゲームメイク、というわけもありません。
 一方イラクは、国の事情からしてモチベーションが高く集中と粘りを失わず、攻撃的なサッカーに終始していました。中盤での寄せが早くシュート数も多く、決定的な場面もありました。しかしイタリアの堅い守りをこじ開けることはできませんでした。
 イラクは、バクダッドのサッカー場が墓地になっているぐらいですから、長期間にわたって国内での準備はできなかったでしょう。しかし選手の身長が高く、技術的にもチーム力も準決勝まで勝ち進んでくるにふさわしいサッカーをしていました。なお、日本のサッカー協会は、イラクのサッカー協会に支援をしています。
 もっともイラクは、これまでもアジアではトップクラスのレベルです。日本がアメリカW杯予選で、ロスタイムに同点に持ち込まれて出場がかなえられなかった(いわゆるドーハーの悲劇といわれている)相手チームがイラクだったことからしても分かるというものです。
 試合後、両チームの選手がユニフォームを交換し合っていたことに象徴されるように、荒れた内容でなくフレンドリーに展開されました。しかし、なんといってもイタリア選手の喪章は、両チームの選手を複雑な心境にしていたことでしょう。
 イタリアは1936年の金以来のメダルというから、68年ぶりというわけです。

オリンピックあれこれ-その2

2004-08-27 22:00:30 | テニス・他のスポーツ
[168] オリンピックあれこれ-その2 (2004年08月27日 (金) 22時00分)

■オリンピックが終了間近かになり、NHKのタイトル曲である、ゆずの「栄光の架橋」がもうじき聞かれなくなります。

■23日(月)未明におこなわれた女子マラソンは、ライブで見られませんでした。前日夜テニス旅行から帰り、当日早朝仕事に出かけるスケジュールだったためです。ところが体調回復がままならず早朝に出かけられなかったため、VTR放送でフィニッシュの20分ぐらいだけ見たのでした。結果がわかっていても感動的レースでした。
 野口の1万メートルは見たことがありましたが、マラソンは初めてでした。150センチの身長でストライド走法なので、跳んでるような走りです。持久走にふさわしい筋肉で、とくに下半身が安定しているフジィカルを作り上げていました。あれだけの走るのだから、心肺機能はおそらく軽自動車のボディに2000CCの耐久に強いエンジン搭載したようなものかな、と想像したりしたものでした。それに精神的にも自律的で安定しているのかな、とも思ったものでした。
 ラドクリフ(イギリス)の37キロでの棄権などからしても、いかに難コースだったのか、実感できました。
 余計なことですが野口の優勝によって、選手選考までさかのぼってメディアが騒ぐネタがなくなったことも、私はホッとしたことでした。

■日本選手のメダル獲得が過去最高とのことです。競技レベルが高度化していることを反映してだろうが、日本で上位成績の選手は、小さいときからその種目の早教育を施されていることです。
 それも3つのタイプがあるようです。まず親がトップクラスのアスリートだった人の子ども。三宅、室伏、塚原などです。それに親に小さいときから手ほどきを受けている人。福原や柔道の選手の何人かと浜口も該当するか、というところです。さらに幼いときにスポーツクラブに入りそこで育った人です。これは水泳、体操、柔道などで、コーチに育てられた選手です。
 このような特定分野を特化した教育とその環境によってアスリートがつくられることは、すでにイチローの父親、若貴兄弟などで知られていることです。あらためて小さいときからの早教育、あるいはそれに必要に環境なくしてアスリートとなるのは難しいということが証明された思いを強くしましました。
 教育の問題としては、スポーツだけでなく勉強も含めて早期から特定分野に特化するようになっているのでしょう。しかし頂点に立てる人はほんのわずかで、大部分の子どもは特定分野特化で効率を求められたら、子ども特有の好奇心や試行錯誤による自分の力で何かに分け入るような機会をへないようになっているのかもしれません。そのために全体の教養のような能力や課題解決的能力が干からびているのかもしれない、あるいは今日の子どもの際立った問題が起きる遠因になっているのか、などとふくらませて思いをめぐらしてしまいました。
 それに日本のスポーツが学校と企業が中心だったのが、野球などいくつかのスポーツを除いては、いわゆる社会体育(市民スポーツ)で担われていることが明らかになっています。
  
■サッカーは、日本のグループだったBから上がった、イタリアとパラグアイが準決勝まで勝ち進みました。あらためてグループBのレベルの高さが証明されました。決勝はパラグアイとアルゼンチンで、明日(28日)の15時44分からライブで放送があります。固いディフェンスのイタリアを相手に2得点をしたアルゼンチンが、優勝と予想をします。
 なお、日本はチーム試合競技が、まったく振るわなかったのでした。ソフトボールと野球の3位でした。

■それからメディアからすれば、オリンピックドラマのネタになるはずだった、夫婦で金、父親が精神主義の怒鳴り声の取り組み、長嶋神格化威力などが達成しなかったので、どんなことが大きく扱われることになるでしょう。

オリンピックの野球

2004-08-27 15:53:57 | テニス・他のスポーツ
[167] オリンピックの野球 (2004年08月27日 (金) 15時53分)

 夕べ自宅に戻ったら、夜の庭は虫の音がオーケストラなみになっていました。もう秋がやってきたのです。池ではメダカがたくさん増えています。ヤマハギは、初夏に花が咲いたが、またつぼみをいっぱいつけて再度咲こうとしています。
 
 昨日(26日)の早朝(4時ごろから)、野球の決勝であるキューバvsオーストラリアの終盤を見ました。ちょうど6回のキューバの攻撃で、4点を加点したところでした。キューバの鋭いスイングで畳み掛ける連打が印象的でした。
 解説星野が、オーストラリアがタッチアップできるのにしない、いわゆる機動力を使わない点を指摘していました。キューバの投手を代えるタイミングを、バッターが打席に立ってからやるのはけしからん、などと指摘をしていました。
 また、内容にはふれないもののプロ野球も改革しなければならない、様々なことを国際標準にしなければならない、としゃべっていました。国際標準は、ボールの統一、カウントのコールを日本もボールからストライクの順にする、ストライクゾーンの統一などで、そのためにはオリンピック以外にも国際交流試合を、などにも及んでいました。
 日本はカナダに勝ち3位でした。終わってからのインタビューで、中畑ヘッドコーチは不本意さからこみ上げてくるのを抑えつつ「球界のためにも国民のためにも、死に物狂いでがんばったと思います。・・・優勝より得るものがありました。・・・」と。城島は「・・・胸を張って帰ります。・・・」とのこと。そういえばプロ野球は、負けても次の日は切り替えて試合をするんだ、と思ったものでした。
 『読売新聞』(26日朝刊)の見出しを並べてみると、「長嶋ジャパン耐えてメダル」「プロの責任全う」「胸張れる経験」「長嶋門下生完全燃焼」などとなっていました。スポーツ欄だけでなく、1面も大きく使って。それまでの論調とまったく違う、見事な切りかえ、収束の仕方です。日本はおろか世界最大の900万部を超える発行(朝日783部、毎日413部-87年)部数を誇る新聞による、世論を誘導は見事なものです。メディアリテラシーの力を研ぎ澄まさなければ、このように操作されていくのです。
 ちなみに『朝日新聞』は、1面に5段組写真と4段組見出しで「野球、カナダ破り銅メダル」の他にスポーツ欄で「日本、苦い大勝」「一発、つなぎ・・・プロ集団、最後に意地」です。事実で冷静な内容です。
 それにしても不思議なのは、長嶋ジャパンと言い続けて、いつからか選手を門下生にまでしてしまう読売、ジャイアンツあるいはプロ野球の体質は、とても不思議です。テレビ朝日系の栗山オリンピックキャスター(元ヤクルト)も「ミスターでなければこんなチームは組めなかった」と、長嶋の功績をたたえていました。システムが確立できずカリスマス性に依拠しなければことが進まない、プロ野球の体質を象徴したコメントでした。
 と書いてきましたが、誤解のないように断っておきます。私は負けて恥を知れ、などという発想はもうとうありません。神格化しての事大主義の手法と勝利至上といった旧いプロ野球の体質について、近代的合理的発想をできなければ野球は衰退すると憂えているのです。
 チーム自らには優勝をノルマと課し、プロ野球機構とフアンに優勝を期待以上に約束と思えるほどにして、それがかなえられなかった今、どのように総括するのでしょう。おそらく今回は、野球の内容についてはできないでしょう。中畑ヘッドコーチの責任のとりようもない仕組みです。
 今日帰国して、どのような会見になるでしょう。まさか「国民のために、死に物狂いで・・・」などと繰り返さないでしょうね。そんな一面的な強者の言い方ではなく、スポーツである野球の今後につながる、言葉を期待したいのです。野球界は、そんな内容は無理なのでしょうか。
 改めて野球は、グローバル化していないアメリカのスポーツであることを実感しました。オーストラリア、カナダ、ギリシャなど元大リーグあるいはその傘下の選手でチーム編成をしていました。

31 猛暑の夏、街でひろった声から

2004-08-26 09:05:05 | 当世世間事情
[166] 31 猛暑の夏、街でひろった声から (2004年08月26日 (木) 09時05分)

 タクシーを利用したときに、ドライバーから聞いた話である。猛暑のため利用客がとても多いとのこと。なにしろ雨のときより圧倒的に客が多いということだ。雨降りより多いとは、思いもよらないことだ。
 いつもより利用が増えているのは、バス停で待っている人、お年寄りの移動、とここまでは想像がつく。それに若い女性の利用が多いとのことだ。それは、汗をかくのがいやだ、また汗をかいて洋服をクリーニングに出すよりはタクシー代のほうが安い、との理由だそうだ。
 タクシードライバーから見た世間動向に、興味深く聞き入ったのだった。そして会社はもうかってホクホクだろう、と何回も強調していた。
 コンビニの売り上げが、麺類と清涼飲料水などの品物を中心に例年より多いとのこと。猛暑の夏と消費を中心にした経済動向が、9月には統計的にも明らかになるだろう。
 私の例年と違う消費は、アイスクリームを何回も食べたことだった。

「日本の国民の皆様・・・」

2004-08-25 10:11:12 | テニス・他のスポーツ
[165] 「日本の国民の皆様・・・」 (2004年08月25日 (水) 10時11分)

 昨日(24日)夕方から、野球のオーストラリア戦を見た。予選唯一黒星を喫したチームはどんな試合をするのか、それに日本チームの最大の山場という関心からだ。もっとも時間帯が見やすかったということもあった。松坂の好投にもかかわらず、日本打線はタイムリーが出ず得点できなく、0:1で負けたのだった。優勝宣言をしていただけに、勝敗決まったあとは解説星野の声もなく、さっと放送は終了した。
 日本の選手の気負って硬直した感じに対して、オーストラリアは、日本の詳細を分析していたように思った。ピッチャーのウイリアムスは阪神だし、キャッチャーのニルソンは中日に在籍していたわけだし、条件は十分あるのだ。
 サッカーが国際大会で高揚するのに対して、野球は人気にかげが出てきている。オリンピックへのプロ野球選手によるチーム編成は、野球に国際性を持たせることによる低迷の回復構想のひとつだろうと、私は見ている。それに大リーグとの関係の模索も、である。いわばそのプロジェクトのひとつがつまづいてしまったのだ。
 プロ野球チームの合併1リーグ制、それらを進めてきたオーナー会議議長渡辺の辞任、さらに新チームの結成などを抱え、日本のプロ野球は正念場にさしかかっている時だ。オリンピックの昨日の敗戦は、むしろプロ野球の問題をリアルにとらえる流れに働くだろう。
 ところで今朝のテレビでの野球選手のインタビューは、言葉がなかった。必ず優勝ということが崩れたわけだから、無理からぬこともあろう。しかし必ず優勝というのは目標であって、結果をそう設定することがスポーツには無理がある。絶対優勝と言う無理な設定をしたから、収拾をすることが難しくなる。彼らが日本のプロ野球で、すぐ輝きを取り戻せるか、といった心配までしている。
 中畑ヘッドコーチ(実質的監督)が「日本の国民の皆様に・・・私の責任です・・・」とインタビューに答えていた。国民という言葉に、日本を背負っている意識がのぞいて見えるのだ。野球チームは、スポーツを超えた強烈なナショナリズムをかかえてアテネに行っていることを改めて思い知らされた。じつはこれと同じ発言した選手がいたのだ。女子レスリングの浜口である。「日本のテレビを見ている人に一言・・・」と向けられ「日本の国民の皆様・・・」と始まって、私はギクッとしたのだった。
 両者とも絶対優勝と吹聴したり叫んでいたのが、共通している。スポーツとナショナリズムを考える一端を垣間見たのである。


課業の内容をどう考えるか

2004-08-25 08:47:43 | 子ども・子育て・保育
課業について 投稿者:ちひろ (2004年08月24日 (火) 23時07分)

 課業について簡単にできるもの、教えてください。三十分で。

どのような条件での保育なのか (2004年08月25日 (水) 08時47分)

 この文章だけでは、手がかりがなく回答が困難です。課業としているが、一斉活動、あるいは課題活動と言われているものでよいのでしょうか。
 保育内容を構想する場合は、園の地域性、対象年齢、クラスの状況(人数、特徴、それまでの活動の様子など)、季節、どのような時間帯か、保育する人の立場(実習生、担任など)、どのような分野の活動を想定しているか、といった条件を考える必要があります。ということで私がふれた条件をおさえる過程で、ある程度の保育内容(ここでは課業としているが)が構想できるということでもあります

テニス三昧も疲れるもんだ

2004-08-23 19:36:55 | テニス・他のスポーツ
[164] テニス三昧も疲れるもんだ (2004年08月23日 (月) 19時36分)

 まれに飛び入り参加するあるテニスクラブの知人から、1泊のテニス旅行に誘われた。急な呼びかけからしてもメンバー不足の補充のようであった。涼しいところでテニス三昧とは願ってもないことと思い、二つ返事をした。21日(土)の朝早く車で出かけて、180キロぐらいも走っただろうか、涼しい高原地帯についた。
 午後から試合をやり続けて3時間を過ぎた。それは私にとって運動量としてもオーバーワークである。しかもメンバーは壮年と老年であるが経験が長いため、テニスのレベルが私にとってはいっときも気を緩められないものであった。
 普段のテニススクールは、壮年女性の多いグループ(初中級ということ)でのんびりやっている。初心者には配慮をしたプレーをしたりするのである。それに比べボールのスピードとゲーム展開の仕方のレベルが違った。テニスを長時間やり続ける喜びと心身の疲労と葛藤の時間でもあった。
 夜のビールを飲みながらの歓談は、様々な分野の人の話は興味深く、私にとって世間を知る機会になった。それにほとんどの方が複数のスポーツをしていることは驚きであった。ゴルフ、バドミントン、ハングライダーなどである。時間があって教養のある暮らしぶりを感じたのだった。
 次の日も9時から開始で3時間やり続けたので、スキーなどと違った疲労感を体験したのであった。
 私は自分がミスをすることに対して、声を出す癖があることに気がついた。どちらかというと自戒の感情が強いのだろう。かつてやっていたサッカーのときはそんな記憶はないので、テニスに自信がないのとそのスポーツの特性からもきているのかもしれない。テニスは、プレーが止まり、ミスがはっきりするのである。
 普段は健康が主たるねらいでやっているが、向上も目標に掲げてやった方がよいのかな、など考える機会にもなったのだ。

安全日本は過去のもの-警戒心をマナーに

2004-08-21 07:07:10 | 生活・教育・文化・社会
[163] 安全日本は過去のもの-警戒心をマナーに (2004年08月21日 (土) 07時07分)

 あれは92年頃だろうか。日本に数年暮らして流暢な日本語のカナダ人と、様々な話をする機会があった。日本の外国人への閉鎖性という話になった。移民をベースにしたマルチカルチャーのカナダと、血縁主義を中核とした日本の民法や文化の違いなどに及んだ。
 私は日本の高コンテキスト文化の一つの例として、富山の置き薬の例を出した。それに自販機が多く、しかも酒やタバコまでも誰でも自由に買えるといったことに話が及んだ。
 彼が最も関心を示し驚いたのは、置き薬のシステムであった。リスクが少なく商取引として成立する自体信じられないこと。カナダ人は、安全や信頼を前提にした日本のシステムの様々なものに日本の一端を理解したようだった。
 置き薬は、今も一部に残っているようだが、私の幼いときはその恩恵をずいぶん受けたものだ。私が考えてもよく成立していたものだと、なつかしささえ感じるのだ。薬を保管して使用しそれに応じて代金を支払うことは、住民の移動が少なく正直に精算をすることで成立する。安全で信頼を前提にしてこそできることだ。
 たしかに家に鍵を掛けなくてもよかった。水と安全は、ただという時代であった。
 今はそんなわけにはいかない。「催眠商法」「マルチ商法」「キャッチセールス」それに電話での様々なセールスなど、上げればきりがない。「オレオレ詐欺」など、常態化し巧妙化して被害も相当なものになっている。
 街では引ったくり、それもバイクなどを使って粗暴な手口なので、自転車の荷かごに網を掛けて予防するのも標準化してきている。コンビニ、郵便局、お金の運搬をねらった強盗、さてはATM機をショベルカーで壊して持ち去るに至ってはあきれるぐらい驚くのだ。
 空き巣の窃盗も、ピッキングなど普通の暮らしを脅かす凶悪なものだ。状況によっては殺人にも及ぶ。それに都市や住宅地だけではなく、農村の収穫した作物を大量に盗まれることも秋になれば多発するのだ。最近は漁村の船外機が大量に盗難にあっているという。
 多くの人を驚愕させたのは、池田小学校事件であった。あれ以降学校等への不審者侵入対策として物的条件の変更だけではなく、日頃のトレーニングもおこなわれるようになった。
 また幼い子どもから小中学生までもが、性などの嗜好の対象と化し、登下校の子どもを守る取り組みを地域ぐるみでしているところも多くなっている。子ども自身にも、防犯グッズの所持と使用法の指導とCAPなどのセルフディフェンスの取り組みも重要なものとなってきている。幼いときから、大人への警戒心を教えなければならなくなっている。それが不信感だけではなく、警戒心をパブリックマナーとして育っていけばよいのだが。
 こんなに荒れた治安の悪くなった日本を、私はかつて想像できなかったのだ。

 しかし水と安全はただといった文化は、まったく消えたわけではなく、まだ心情として残っている。その心情と地域のつながりの復活をベースにしたものが、テレビ番組にある。私たちの心にある善意の心情に共感し、その願望を呼び戻す番組でもあるのだ。
 もう7年(?)続いているという「鶴瓶の家族に乾杯」(NHK土曜日不定期)が象徴的な番組だろう。アポイントなしで田舎をタレントが家族を訪ねるというものだ。アポなしというのは確かだろうが、カメラなどから被写体になる人は直前にNHKの番組撮影ということがわかるのだ。さらに編集をするので、それなりの物語になる。私は何気なくいる時間に見てしまう番組である。見た後ほっとする心が膨らむことは確かである。
 「田舎に泊まろう」(東京テレビ系日曜日)というのもやっている。私はきちんと見たことがないので、詳細はふれられないが、アポなしで民家に宿泊させてもらうという、番組である。
 地域住民の善意のつながりで、今の社会が起こす様々な問題を解決するというコンセプトの番組で「ご近所の底力」(NHK木曜03年から)というのがある。これはなるべく見るようにしている番組であるが、テーマの探し方にスタッフの力量を感じている。それにテーマに対して先行的取り組みをしている地域が登場するので、これはさすがNHKのネットワークの力を感じているのである。ネタ切れにならないようにあと2,3年は続けてほしいのだ。旧いよき日本の地域住民の日常生活感覚と人々のつながりと、今日という時代の葛藤を対比されるので、私は見るようにている。

 残念ながらかつてのような善意とモラルが、低下あるいは崩壊している。しかし相変わらず社会に存在しているかのような仕組みのため、子どもはきびしい環境にさらされることになる。
 時間制限をしているとはいえ、自販機での酒やタバコの販売により、今や小学生の禁煙教育が必要になっているし、高校生で飲酒は特殊ではなくなってきている。ポルノに及んでは、そのような嗜好の大人がしかるべき場所で手に入れるという世界的基準に対して、日本では大人と子どもの区別があいまいで、したがって子どもは厳しい環境におかれている状況だ。中高生の援助交際といわれる売春等は、経済的豊かな日本で起きていることに、外国から見たらまったく理解できない現象なのだ。
 私の生活もかつては、1階でも夏の暑い日は涼を求めて戸を開けて寝ていた。住んでいた場所にもよるが、今はどこへ住んでいても絶対しないだろうな。それに電車に乗ると以前は網棚に荷物を上げていたが、今はからだから離さなくなった。また自転車に乗っては、ショルダーバックをたすきがけをしている。
 治安悪くなっていることを反映して、私の行動も変わってきていることは確かである。安全は商品として手に入れなければならない時代だ。SECOMの社長が、日本でトップの高額納税者だということも、それを証明しているのだろう。

やっぱり見たガーナ戦

2004-08-20 11:45:38 | サッカー
[162] やっぱり見たガーナ戦 (2004年08月20日 (金) 11時45分)

 オリンピック男子サッカーの最終戦のガーナとの試合を、未明2時30分ごろからなのに、やっぱり見てしまった。日本は予選リーグ敗退が決まっているのに、監督のシステムの修正や選手起用やゲームプランといった試合内容や、選手のプレーぶりをライブで見たくなるのだ。
 ガーナは勝てば決勝トーナメント進出、引き分けても可能性がある状況なので、モチベーションは高い。日本は消化試合だが、汚名挽回とばかりにこれまでの2試合ではなかった日本のスタイルのサッカーをやって、1:0で勝利した。
 ガーナの高い身体能力をベースにしたスピードにのったプレーに対して、日本のディフエンスが組織的に対応し安定していた。それまでの2試合で7点許していたのとは、まるで違っていた。
 37分菊池の縦のロングパスに大久保がヘッドによるループシュートで得点をして、それを守りきった。中盤のプレスによるボール支配やセカンドボールへの寄りの早さなど、それまでの2試合とは変身したサッカーを見ることができた。日本のディフエンスを崩せないため、ガーナのミドルシュートが多かったのが印象に残った。
 ガーナは、初戦イタリアに引き分け、パラグアイに勝った。そして最終戦の日本に負けて、決勝トーナメント進出を逃した。グループBは、勝ち点がパラグアイ6、イタリア4、ガーナ4、日本3であった。パラグアイと得失点差でガーナにうわまわったイタリアが、決勝トーナメントに進出したのだった。
 イタリアは、オリンピックにセリエAチームの主力選手が出場していることもあり、セリエAの開幕を遅らせている。イタリアがチームとしてまとまったら、優勝の可能性があるだろう。
(これは19日に書いたものです。)