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絵本と児童文学

絵本と児童文学、子ども、保育、サッカーなどの情報を発信する

絵本の扉を開く-その1

2004-06-28 14:11:27 | 絵本と児童文学
[141] 絵本の扉を開く-その1 (2004年06月28日 (月) 14時11分)

 絵本への関心の高まり

 絵本は、年間1000点あまり(03年の場合)発行されており、世界有数の絵本大国といってもよいでしょう。絵本は子ども、とくに乳幼児期を対象にしていますが、年齢を超えて大人にも読まれるものが出回るようになりました。内容に年齢を超える普遍性がある場合は、境界が溶けていくことは当然のことです。また、対象をあらかじめ大人にしている絵本も、出版されています。
 絵本は、幼い子どもの理解を可能にするために、とかく文章を少なくして絵でそれを補う、と思われがちです。文章と絵がそれぞれ独自な力を持ち、それが主張しかつ折合って、絵本という表現をしている本なのです。絵本は、独自な表現手段を備えた分野の本として認知されてきたのではないでしょうか。
 絵本の絵は、子ども向けとしている童画とは限らなくなってきています。絵画制作者として作品が世の評価を得ている人が、絵本制作に取り組んでいます。また欧米の絵本は、子どもを対象にしながらも童画という概念がないことに象徴されるように、狭義の教育の役割を持つとは限りません。内容のメッセージ性など、深い思索の世界を提示しているものもみられます。このようなことは、絵本が年齢を越えた本であることをうながす要因にもなっています。
 絵本が、対象を子どもに限定したものと限らなくなっているため、本の一分野に位置づき商品として価値、つまり販売部数に関心が向くようになります。絵本が数年で100万部販売といった、かつて考えられなかったことが話題になり、市場としての活気が出てきている側面もみられます。これは絵本がことさら「教育的」という枠に閉じ込めるのではなく、娯楽性も含めた多様な作品の出版が活発になる可能性を秘めていることでもあります。このような状況は一般の本にあるような、受け手に作品を吟味する力が求められてきているといえます。

 求められる絵本を伝える者に、書評、批評・評論をする力

 メディアでの絵本の扱いは、新聞の書評欄のひとつの分野として、あるいは独立した絵本欄を設けるようになってきています。家族が気に入った絵本を披露する、いわゆる著名といわれる人によるによるお薦め絵本のコメント、作家紹介といった企画がみられます。その内容は、お勧め絵本という形をとるため、結果として販売誘導かのような扱いが多く、書評ともいいがたい状況です。メディアもっぱら絵本の普及、啓蒙期、という位置付をしているように思われます。
 文化人といわれている人の絵本論も盛んです。絵本が、子育てや保育の世界だけの文化財ではないことを意味しています。絵本の内容が、子どもの生活や思考や行動の特徴にそったものとは限らず、死や障害児やお年寄りのことなど、子ども向けでは無理と思われがちな作品も多くを見ることが出来ます。そのような状況が、絵本や児童文学のとは異なる専門性からの絵本への接近が必要しており、彼らの絵本論は魅力的でもあります。しかし絵本を、とかく向日性のものとみる傾向があり、評論とは遠いものが多いといっても過言ではありません。 
 ところが年間1000点あまり発行される絵本の受け手が、選択する力を得ることとによって、よい作品を生み出すために必要な書評、とくに批評・評論といった分野を、確立させていかなければならないのではないでしょうか。かつて作家などの専門家による絵本評論の雑誌がありましたが、それが消えて一般雑誌が絵本を啓蒙的に特集したり、ブックガイド本の出版も多く見られます。
 絵本は、大人が読み聞かせるという形で、子どもに伝えられます。絵本を子どもに伝える橋渡しをしているのは、親、図書館職員、保育者、保育を専攻する学生、絵本専門の書店、読み聞かせサークル活動をしている人たちです。子どもに読み聞かせをし、大人もその世界を楽しむことは、絵本の歴史とともにありました。ところが絵本論を展開するのは、絵本作家や児童文学研究者などの一部人のものです。
 絵本をもっとも子どもへ伝える立場にある保育園と幼稚園の保育者、あるいは保育を専攻する学生が、絵本の書評、さらに批評・評論を出来るぐらいの専門性があってもよいはずです。保育者が5年ぐらい保育を経験すると、一般的にはおそらく50冊ぐらいの作品を知っているでしょう。しかし書名、内容、作者など記憶にとどめ、絵本の世界を理解している保育者は、少ないのが現実です。
 多くは保育活動での絵本の位置付けが、ある活動の補助的なためです。読み聞かせで子どもに絵本の楽しさ体験をさせる時間をともにすることが中心であるため、作品の内容についての関心に至らない状況でしょう。絵本に関心のある保育者は、自分の好きな絵本の世界を持っていて、子どもの反応にも関心が向いている場合があります。
 しかし重要なことは、絵本を子どもへ伝える橋渡しをする保育者、あるいは保育を学ぶ学生、親、子どもの文化財に関心のある人が、子どもの文化財として記憶にとどめ作品世界について、批評、評論する力を持つことです。それが子どもに絵本の世界の楽しさを伝える力になり、やがて作家や出版社に子どもにとってよい作品であることの意味を伝え、優れた文化財としてのよい絵本を生み出す環境づくりになることでしょう。

乳幼児向け月刊誌、読み聞かせとキャラクター雑誌

2004-06-28 10:11:21 | 絵本と児童文学
140] 乳幼児向け月刊誌、読み聞かせとキャラクター雑誌 (2004年06月28日 (月) 10時11分)

 乳幼児向けの雑誌は、昔から多くのものが小学館と講談社によって発行されています。書店で調べた結果は、次のようでした。

○『マミイ』-はじめての絵本- 小学館 480円
○『ベビーブック』-知育絵本-1,2,3歳 
○『めばえ』-学習絵本-2,3,4歳 小学館 480円
○『幼稚園』小学館 490円
○『学習幼稚園』-5,6歳年長児の学習雑誌- 小学館 500円
○『てれびくん』 小学館 500円

□『げんき』-知能と心の成長絵本- 1,2,3歳 講談社  480円
□『おともだち』-早期能力開発絵本-2,3,4歳 講談社
 480円
□『たのしい幼稚園』 4,5,6歳 講談社 500円
□『テレビマガジン』 講談社 500円
□『ディスニーランド』 講談社 600円
 
 つぎにこのところ出版が活発になってきた、幼児向けの読み聞かせ、あるいはキャラクターにシフトした雑誌を紹介します。

●『おひさま』 小学館 490円 
 このジャンルの雑誌を初めて手がけ、いわば市場を開拓して成立させたパイオニア誌である。創刊から10年目にさしかかり、内容とスタイルを確立している。絵本として発行してもよいようなものが、何本か掲載されているまじめな編集をしている。かつて親向けの記事も設けていたが、いまはなくなった。
 キャッチコピーは「本好きの子どもを育てる」「読み聞かせお 話雑誌」としている。
●『ほっぺ』 学習研究社 600円 
 4月から創刊され、2号目(7月1日発行としている)を見ることが出来た。「中川ひろたか責任編集」として、子ども向けの音楽等の活動から、このところ絵本作家として多くの作品を出している氏を前面に出している。表紙には「読み聞かせと遊びの絵本雑誌」、「子どもエンターテイメント・絵本・お話・歌・遊び」といったキャッチコピーがあるように、読み聞かせの物語に限定しないで歌や遊びなど、バラエティーにとんだ内容になっている。よく知られている作家を登場させたりして、短い記事がちりばめられており、もじ通り雑誌である。
●『キティとあそぼ!』 サンリオ 504円
●『わんぱくぶっく』 サンリオ 650円
 キャッチコピーは「創造力がぐんと育つ本」。
●『スヌピーマガジン』 講談社 570円 Vol.13
●『ミッフィー』 講談社 570円 月刊 Vol.16
 キャッチコピーは「ブルーナーの絵本雑誌」。
●『いないいないぼぁ!』 講談社 600円
●『DIZNWY FAN』 講談社 750円
 ビジュアルにつくり、対象を限定しないで大人も楽しめるよう
 にしている。
●『ねーねー』別冊『すてきな奥さん』 主婦と生活社 580
 円 54号
●『ディズニーリセ』 講談社
●『くまのプーさんとなかまたち』 河出書房新社 600円
 隔月間 通巻46号

 『おひさま』『ねーねー』以外は2、3年前からの発行であり、ブックスタート(02年から)への取り組みから市場が作くられてきているかもしれない。またキャラクター市場の競争を優位に展開するため、幼いときから様々なメディアを通してフアンをつくり顧客化しておく、という戦略も見え隠れする。なお、号数は、04・4・3現在である。
                  (04・7・3加筆修正)

26 アナウンスと看板

2004-06-27 17:01:44 | 当世世間事情
[139] 26 アナウンスと看板 (2004年06月27日 (日) 17時01分)


 私は、駅などで決まりきった行動を指示するアナウンスが多すぎることを、快く思っていない一人です。ヨーロッパで体験した、アナウンスがなくても列車が動き出す方が静かでよいのです。これは自立的な個人が、自分の責任で行動するという文化の違いかな、と思っています。
 それに広告も含めて文字等による情報が多いのも、日本の特徴といっていいでしょう。90年代から際立っている広告は、日本中どこへ行っても駅前に消費者金融の看板があることです。この看板の色が、もっとも注意を喚起する色である赤が多いのです。
 街並みを整えて、広義のテーマパークのようして観光に力を入れている倉敷市でさえも、やはり駅前は赤い色の看板が競い合っていました。せっかくの観光資源も台無しなので、条例で規制してもよいのではないかと思ったものでした。世界を席巻しているマックの赤が、パリでは小豆色のように抑制的な色に規制されているわけですから。

27 まじめ まじめ まじめ colto

 6月13日に車を運転していたら、前はコンテナ風の小型トラックでした。まじめ まじめ まじめ colto と縦にならべて書いたステッカーが目にとまった。
 トラックは三菱の会社業務用車のようであり、「まじめ」を3回も繰り返さなければならない事情があってのことだ。聞くところによるとこのステッカーは、去年三菱の一部リコール隠しが明らかなって社長が辞任したときに、会社のダメージ回復のキャンペーをした一部なのだそうだ。三菱の広告を系統的に注意しているわけではないが、6月4日の新聞の1面で新車広告が出たときは、今新車キャンペーンの状況かと頭をかしげたのだった。
 それが大量のリコール隠しで刑事事件となり、自治体の不買、会社の縮小など存亡にかかわる事態で、このキャッチコピーはいかに不真面目であったかを実証しているように思えた。
 去年浦和レッズのユニフォームがcoltoだったし、コンパクトカー市場ではどうだったんだろう。そして三菱に敏感になっているのか、街を走る車を観察するとゴミ収集車など多く使われていることが改めて分かった。スリーダイヤモンドが、やたらにとがって見えてくるこの頃である。

Fマリノスの制覇で終了

2004-06-27 15:37:10 | サッカー
[138] Fマリノスの制覇で終了 (2004年06月27日 (日) 15時37分)

 Jリーグ1stステージは、私の予想とは異なりFマリノスの優勝で終了した。3節を残す段階でジュビロがトップだったが、ヴィセルに引き分けアントラーズに負けたため、連勝を重ねたFマリノスが逆転した。これは昨年の2ndステージと同じ展開で、岡田監督のかかげる「常勝チームに」が、去年の就任から早くも実ったことなる。
 今ステージの感想は、レッズが3位という上位に位置したので今後に期待できるし、アルビレックスがぬきんでた観客動員をほこり14位に位置したのは賞賛されてよい、ということである。
 いつも上位に位置してもよいと思われるグランパスが、8位だった。Jリーグ発足時から恵まれた財政力で、評価の高い監督を配置し、力のある選手をそろえながら結果を出せないでいる。内情は知らないが、チームの幹部の政策とその実践力に問題があると思わざるを得ない。グランパスが常に上位に位置づくようになれば、観客動員も期待できるし、ビッグチームになること間違いなしなのだが。
 さて、EURO2004は準々決勝からベスト4が決まってきている。ドイツ、イタリア、スペインといった強豪が予選敗退した。昨日(26日・土)の早朝のギリシャvsフランスの準々決勝は、見ごたえある試合であった。国際大会での実績のほとんどないギリシャが、ディフェンディングチャンピオンであるフランスを破った。ギリシャは本当に強い、という印象であった。ドイツ人のレーハーゲル監督のチーム作りが実っているようだ。
 今日のオランダvsスウェーデンは、延長後のPKという壮絶な戦いをへてオランダがベスト4入りを決めた。各国チームのこの大会へのモチヴェーションの高さが伝わってくる、見ごたえある試合であった。

おやつをぶーぶーにも食べさせる

2004-06-19 21:07:09 | 子どもからの発見
おやつをぶーぶーにも食べさせる  (2004年06月19日 (土) 21時07分)

■ミニカーを手に入れて、とても気に入っていっとき手放したくないぐらいのとき。おやつを食べるとき、
「ぶーぶーもいっしょにたべる」
といった。どうするのかと思ったら、自分の前にそれを置いて食べ物をミニカーにもって行き、食べさせるかのようなしぐさをしてから、それを自分の口に運んだ。繰り返しそれをやって満足そうである。

■近所の家を、
「さいとうさんのうち、かとうさんのうち…」
と名前で言うようになった。一軒ごとの家を、仕分けをするようにったということだろう。
 公園に散歩をするとき、違う道を歩くといい、道のつながり方が分かってきている。いくつかのルート知るようになり、どこを歩くかにも興味を持ってきている。また、いつもいく店を名前で言うようになった。
 周囲への関心を持つようになり、それを言葉で理解して確かなものにするようになっている。 


Jリーグ、1stステージはジュビロが優位

2004-06-15 10:12:18 | サッカー
[137] Jリーグ、1stステージはジュビロが優位 (2004年06月15日 (火) 10時12分)

 Jリーグ1stステージは残すところ3節となった。優勝争いは、12節終了(12日、13日)で勝ち点30のジュビロと27のFマリノスにしぼられてきた。両チームともアントラーズとの対戦を残しているが、その試合が鍵を握っていると思われる。とくにアントラーズがホームでの、ジュビロとの試合が注目である。
 2チームとも代表へ選手を送り出し、あるいは「AFCチャンピオンズリーグ2004」を戦うなど厳しい条件を抱えながらのチーム力の維持は、大変なことである。しかし日本のサッカーも、Jリーグの上位を維持するチームとなると、そのぐらいの条件でJリーグに支障をきたすことのないぐらいの総合力を持ってきたのだ。
 シーズン前の私の関心は、次のような点にあった。Fマリノスが、アン・ジョン・ハン(エスパルスから)と中西(ジェフから)などを獲得し、去年よりさらに強化したこと。レッズが代表レベルの選手が多い上に、アレックス(エスパルスから)、闘莉王(ホーリーホックから)などを獲得して強化したのを、ブッフバルト新監督がどうチーム作りをするか。アルビレックスが、特別な補強をしないでレベルの違うJ1で対等に試合が出来るものなのか。財政事情のことがあるため中心選手である中西やチェ・ユン・スクと契約しなかったジェフが、チーム力を維持できるのか、といった点にあった。
 ジュビロは、藤田の復帰、名波の好調、西のレベルアップ、若手が順調に育っているなどから、ポゼッションサッカーを維持して順当な位置にいるといってよいだろう。Fマリノスはけが人が多いながらも、選手層が厚く岡田監督のチーム作りが浸透している。レッズは常時上位をキープできるチームになれるかどうかは、2ndステージに注目してみることにする。ジェフについては、12日のジュビロとの試合を見て改めて上位をねらえる力を持っているチームであることを実感した。トップクラスの選手がいるわけではないのに、オシム監督の指導力によるところが大ではないだろうか。アルビレックスは、決して高いとはいえない個々の選手の能力からしたら、じつによくやっている。12節は好調なトリニータに、アウェーで勝利した。反町監督の、選手の力を最大限に発揮できるよう指導が浸透しているようである。山口の選手リーダとしての役割も大きいのだろうし、圧倒的観客数を誇るクラブとしての元気さも影響を与えていないはずはないだろう。
 来シーズンから2チームを増やし、1シーズン制をとるため16位のチームがJ2の3位の入れ替え戦に臨むことになる。その意味では今年は、例年のような下位チームの降格への関心が盛り上がらない。しかし去年からVゴールをやめての引き分けの導入したこと、来期からの1シーズン制と、ようやく国際標準のリーグになっていく。
 さらに喜ばしいことは、観客が増えてJリーグ出発当初の水準に達していることである。私も観客にならねばと思いつつ、もう3年も足を運んでいない。

ありがたきかな、梅雨よ

2004-06-15 04:53:24 | 身辺のこと・自然
[136] ありがたきかな、梅雨よ (2004年06月15日 (火) 04時53分)

 6日(日)から梅雨入りしたとのことである。今日は(14日)晴天でからっとした気候なので、心地良い。梅雨の中休みで、今週いっぱいは雨が降らないそうだ。
 梅雨の雨は災害をもたらすこともあるが、その自然な雨量を前提に産業や生活が成り立っているので、空梅雨となると水資源が確保できなくて大変なことになる。水に不自由しない生活をしている私たちは、ダムなどインフラとしては水資源として理解しているが、それを実感しにくい。ところが飲み水などを買って飲むことが普及してきこともあり、日常生活で資源と実感せざるを得ないように変わってきたのではないだろうか。
 私は梅雨のもうひとつの重要さは、日照時間を少なくしていることがあると考えている。夏至をはさんで前後1月ぐらいは、朝4時から夕方7時過ぎまで明るい。それが続くとどうしても活動が過剰になる。梅雨雲が低く垂れ込めると、長い日照を感じさせないのである。そのため生活リズムを崩れにくくなっている、という恩恵を受けているのでは、と考える。
 もし空梅雨になったら、無意識のうちに活動が過剰になる、あるいは日照の影響受ける体内時計に変調をきたして睡眠に影響を及ぼし、やがてそれが夏バテということになるのではないだろうか。
 庭のヤマアジサイとガクアジサイは雨がにあうし、ノハギは晴れがにあうようだ。ギボウシが咲き始め、ホタルブクロもまもなくのようだ。

EURO2004始まる

2004-06-14 10:05:04 | サッカー
[135] EURO2004始まる (2004年06月14日 (月) 10時05分)

 早朝の3:35から、注目のイングランドvsフランスをWOWOWでみた。前半イングランドが、ベッカムのフリーキックにランパードが合わせて先制した。後半イングランドがPKのときは、優勝候補のフランスが予選リーグといえども負けるのか、という思いがよぎった。ところがベッカムのそれは、キーパーに阻まれたのだった。しかしそのまま90分が過ぎたので、イングランドが逃げ切りかと思いきや、ロスタイムになってからどんでん返しが待っていたのだった。
 ペナルティーエリアから少し距離のあるところで得たフリーキックを、ジダンが決めて同点とした。その時点で両チームとも引き分けでもいいだろう、と思った。ところイングランドの選手がが不用意なバックパスをしたボールに、フランスの選手が反応してコントロールしかかった。そのプレーに対してキーパーが果敢にボールを奪い返そうとしたが、反則となりフランスがPKをもらった。これをジダンがあっさり決めて、フランスが2:1で勝ったのだ。
 それにしても世界のトップチームのモチベーションの高い試合は、見ごたえのあるものだ。プレーのスピード、精度の高い速いキック、激しいボディコンタクトといった、日本のサッカーとは異なっていて、確かにおもしろい。
 この試合は、グループBを構成するイングランド、フランス、スイス、クロアチアの予選リーグの最初の試合である。決勝トーナメントには2チームが上がるのであと2試合を残しているのでこれからといってもいい。しかしスイスとクロアチアが引き分けたので、イングランドはあとの2試合を負けられなくなったことは確かである。
 さて、昨日から(日本時間12日)から、UEHA(ウエハ、ヨーロッパサッカー連盟)EURO(ユーロ、ヨーロッパサッカー選手権)2004が始まったのだ。これはW杯の中間年におこなわれる大会で、ヨーロッパの人たちにとってはW杯に匹敵するかそれ以上関心の高い大会なのである。予選を突破した16チームが4つのグループに分かれて予選リーグをおこない、各グループから2チームで、8チームがトーナメントへ進出する。今年はW杯で3位だったトルコが予選敗退したし、強豪オランダがプレーオフを経ての出場といったことがあった。
 今年はポルトガルが開催国で、7月4日まで全31試合がおこなわれる。日本でもサッカーフアンには関心が高いので、ライブで見ようと思えば睡眠が大変になる。私は条件の許すときの注目カードだけ見ようと思っているが、3週間ほどその進行状況が気がかりな日が続くことになる。ちなみに初日の昨日はスペインvsロシアを見た。ところで開催国であるポルトガルは、グループAで大会最初の試合をギリシャと戦って負けてしまった。このグループはスペインロシアの4チームであり、開催国ポルトガルが予選を突破できないことになったら大変なことになるだろう。
 また放送が、セリアAやプレミアリーグといった各国のリーグの試合が、映像を見てスタジオからアナウンスをするのに対して、現地からの実況であり、その点臨場感があって聞きやすい。信藤氏の軽やかな語り口の解説も心地良い。

育休3年取っているが、2、3年目は無給

2004-06-11 23:39:50 | みるふぃーゆのコラム
育休3年取ってりいるが、2、3年目は無給        (2004年06月11日 (金) 23時39分)

 いろいろな少子化対策が行われていくようですね。にもかかわらず、出生率は下がり続ける一方。実際に子育てをしている私にとっては「あたりまえでしょ!」と思うことも多々あるのです。
確かに保育を必要とする家庭にとっては、このような政策が有効かもしれません。でも、家庭で育休を取得して子育てをしている私のような人も多いはずです。それでも、私は条件的には恵まれている方です。育児休業は3年間取得できます。ただ、3年間も仕事を休むと経済的には大変苦しくなってくるのは事実です。育休の2~3年目はまったくの無給ですから…。
子どもを育てる家庭の経済的な負担を軽くしてもらわないと、子どもはなかなか産めないと思うのが実感です。
 さらに、我が家の場合、上の子が一歳、現在第二子を妊娠中にもかかわらず、夫に単身赴任でなければ勤務できないようなところに異動命令がでました。私が育休を取っているからいいようなものの、これが数年前で育休が1年しか取得できないころだったら、夜勤のある私の仕事、どうやって子どもを育てていけばよかったのだろうと思います。単身赴任でなかった今までだって夫が仕事を終えて帰宅するのは早くても9時ごろ。育児は母親に一手にかかってきます。仕事をしていなくても、つらいと感じることがあるのです。仕事と両立させるには精神的にも肉体的にもかなりの負担となっていただろうと思います。これは、我が家だけに限ったことではありません。条件的に恵まれている公務員でさえ、こういう状況の家庭がたくさんあります。そういう中で子育てをしてきた先輩職員もたくさんいます。きっと、民間ならさらに厳しいのではないでしょうか。
 そんな状況の中で、なんとか子育てと仕事を両立させている女性はたくさんいるのです。
 女性が子どもを産んでもいいと思えるようになるのに必要な条件と、様々な政策がずれているかぎり、厳しいようですが出生率は下がり続けてもあたりまえだと感じます。

 

待機児ゼロ作戦下のある現場では

2004-06-06 15:07:28 | 子ども・子育て・保育
待機児童ゼロ作戦下のある現場では   (2004年06月06日 (日) 15時07分)

 新エンゼルプラン(00年~04年)により「待機児童ゼロ作戦」を展開しているため、待機児童50人以上いる自治体にはその解消の計画をつくり実行をすることとされています。これにかかわることで、ある町の研究会で出たことを紹介します。
 1歳児の希望が多いため待機児童解消することに迫られました。そのため当局からは、1歳児クラスの定員を8人(2担任)から10人にすると提案がありました。保育士条件が変わらずに1歳児クラスの定員増は保育が困難として、無理が可能な2歳児を10から12人(2担任)にすることにしました。つまり1歳児クラスの子どもが、2歳の誕生日を過ぎたら2歳児クラスに移動し、それで生じる1歳児クラスの空きを補充するということです。
 1歳児クラス欠員に入園する子どもを迎えることは、保育士の個別に対応する実践によって、何とか軌道に乗せることが出来るとのことです。
 ところが誕生日を契機に、2歳児クラスに進級する子どもにとってはたやすいことではありません。なじんでいる先生やクラスの子どもたちと分かれて、クラスの関係が出来上がっているところへ突然入っていくのです。担任の保育士は受け入れのための個別な配慮はするでしょうが、子どもだけではなく親にとってもデリケートなことと思われます。
 少子化対策とかかわって、厚生労働省は保育に関する様々な政策打ち出しています。財政措置が伴わないため、財政負担の出来ない多くの自治体は、結局保育士の条件をそのままにして机上のプランを立てることになります。そのため不自然な運営と保育士の労働負担を現場が抱えることになります。保育の質の維持が危うくなることと、子どもや保護者が不自然な負担を体験することになります。
 05年から10年の時限立法で実施される「次世代育成支援対策推進法」は、地方公共団体行動計画の策定と事業主行動計画の策定など大がかりな政策展開をする構想です。すでに行動計画を先行的に策定している自治体があり、内容が公表されています。また、ひとつの例としては、幼保の制度とともに「就学前の教育・保育を一体ととらえた総合施設」に踏み出すだろうし、保育の現場は大転換の風が吹き荒れることになります。