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災害への国際的相互支援

2013-04-21 14:26:32 | 生活・教育・文化・社会
 昨日9時過ぎ(日本時間)に中国の四川省雅安市で大地震(M7)があった。報道の時間経過とともに被害状況が明らかになっており、今日の新聞では死者156人、けが人1500人にのぼり、150万人が被災したとのこと。詳細が明らかになると、死者等はもっと増える可能性がある。
 なお、08年にこの地で起きたM8の大地震では死者・不明者が約8万7千人だった。
 初期の懸命な救援活動がおこなわれており、国家上げての救出活動と医療関係の取り組みと困難さも報道されている。テント、布団、食料、水不足など被災者の困難も容易に想像できる。
 他国の救援活動は、その政府の求めがなければできないが、生命が維持できる72時間が刻々と迫る。募金などは赤十字の呼びかけでわたしたちも可能なので、呼びかけてもよい事態ではないかと思う。それにテントのような避難の住まいなど、工夫されたものが日本にはあるだろうし。

 ところで東日本大震災は、地震、津波あわせて原発事故と、災害史に残る多重災害と規模の大きさだった。その事態を、当事者の撮影による映像がテレビやネット動画に映りだされた。その臨場感をともなった映像は、日本だけではなく世界中の人を驚愕させた。災害を当事者によって大量に撮影され、しかもそれが世界を駆け巡るというのも、災害史上初めてだったのではないだろうか。

 そのようなことも反映したのだろうが、多額の義援金が世界中から寄せられた。3日の新聞報道(朝日新聞)によると、
米国の29.9億をトップに②台湾29.2億、③タイ20.5億、④オマーン10.7億、⑤中国9.1億、⑥アルジェリア8.3億と続く。
 義捐金額は額を問わず支援に感謝の念を持つものだが、たまたまランキングされているなかで、8位ベトナム7.8億、15位パプアニューギニア3.2億、17位モンゴル2.9億、フィリピン2.9億は、それぞれの国の経済力(規模)や多くの国民の暮らしを想像すると多額であることと日本に対する親和度が高いと想像する。なお、義援金には在留日本人のものも含まれているようだ。

 義援金といえば、わたしがニュースで心動かされたのは、タイのバンコクで地方から流入してできるスラム街であるクロントイから200万円(記憶による)の義援金ということを耳にしたときだった。
 クロントイ(記憶では7万人)には、90年代半ばに研究調査で行ったときに立ち寄ったのだった。日本の曹洞宗のボランティア組織(現シャンティ国際ボランティア会)が事務所を持って支援活動をしていた。当時から見たらタイの経済力の向上とともに、人々の事態は好転しているのだろうが、日常生活で精一杯だとう人たちのお金を支援に回すという行為のありがたさが格別の思いがしたのだった。
 また新聞記事では、国連が認定する後開発途上国(最貧国49カ国)のうち30カ国から義援金があり、バングラデシュ1.6億、アフガニスタン1億、ブータンと東チモール9千万円ということだ。この記事を読みながらそれぞれの国の経済規模と貨幣価値からしたら、相当な高額であると想像し、感謝の気持ちでいっぱいになるのである。
 災害に対する義援金の国際的取り組みは、日本赤十字社などが災害の規模などの一定の基準を設けて、募金等呼びかけるようなシステムを作ったらどうだろうか。昨年アメリカのハリケーン災害の際、メールマガジンでアメリカ在住の冷泉彰彦氏が募金を呼びかけていたが、応えるシステムがなかったので、叶わなかった。公的機関が、わたしたちの「お互い様」の気持ちが表現できるようにして欲しいものだ。

*中国の大地震では、外国からの援助を事態しているとのことだ。(22日)

長野が長寿トップに

2013-04-14 17:07:13 | 生活・教育・文化・社会
 2月末の厚労省が発表した都道府県別平均寿命(10年)で、長野県が男女とも1位になった。これをめぐるニュースでは、長年女性のトップだった沖縄県が3位になったことが大きく扱われた。
 沖縄県は男性も80年代までトップだったため、沖縄の伝統的食文化とライフスタイルが長寿によい、と英語の本にして国際的にそのことを発信している。
 暮らしぶりの変化が短命化を歩んでいるのではということは、65歳以下の死亡率が高いことからもいえる。とくに食文化の変化に注目が集まっている。その変化とは、沖縄の伝統的食文化に比べて米統治下でファストフードが普及したことも一因ということだ。

 わたしは、80年前後数回沖縄を訪ねたことがある。スタディーツアーのようだったので、観光資源化されていない戦跡めぐりや本格的な琉球舞踊を見る、あるいは高名な陶芸家の窯を訪ねるといった貴重な体験をした。
 食文化では、地元の食堂で食べた沖縄そばというヤギ肉の入ったうどんはめずらしかった。印象に残ったことでは、ステーキが低額で多くの人が日常的に食べられるということだった。当時アメリカからの輸入肉が唯一食べられたのだった。わたしは食について関心があり『短命化が始まった』(農文協)という種の本も読んでいたので、肉の食べすぎにならないかと思ったのだった。

 また食と長命のことで記憶に残っているのは、70年代まで事例としてよく取り上げられたのは、山梨県の旧棡原村(ゆずりはら、現在の上野原町)のことだった。この村が突出して長命のため、栄養学等の研究者が長年食の調査をしたのである。
 水耕ができない畑作地帯だったため、穀類(トウモロコシ、麦など)を主食とする特有の食生活で、しかも当時の交通の関係で物流少ないため、その特徴が色濃かったことに要因があるということだった。やがて物流の発達にともない食生活に地域の特徴が薄れて、栄養学的にも研究対象とならなくなった。

 さて長野県は、佐久総合病院(JA長野厚生連)の先駆的取り組みに象徴されるように、早くから地域医療に取り組んできたことは知られている。さらに行政が疾病予防に積極的取り組んで、啓蒙と具体的活動(身体運動の集まりなど)に取り組んでいるため、一人当たりの医療費負担も極めて少ない。
 長野県の食文化の特徴といわれていたのは、保存食である漬物に象徴されるようにかつては塩分の摂取が多かった。もとから勤勉と教養が高いといわれている県民性もあってか、食改善健康知識普及等もあってだろう、男女とも最長寿県になったのだ。長寿は食生活だけではなく、医療・保健・福祉行政、地域環境、ライフスタイルなどいくつもの要因があるのだろう。一人当たりの医療費が少なくて長寿であるということは、健康年齢も高いということで喜ばしいことである。
 ともあれ長野県がなぜ長寿のトップであるのかを総合的に検討し、多くの人が理解できるようにしてモデル化されることを期待したい。それを実行するのは、研究者、長野県、それとも厚労省なのかな。

*このコラムは、3月に書いて未完成だったのを遅れてアップしました。

ニュース報道と国の事情

2013-04-05 12:01:54 | 生活・教育・文化・社会
 BS1の4時からの「ワールドウェーブニュース・アジア」(月~金)を週2、3回見ている。前日のニュース報道を5分前後にピックアップしたものだが、アジアの諸国の動向がわかることとそれぞれ国の事情が色濃く出るので、それが面白い。

 5日(金)の韓国・KBSのニュースは、ヒュンデ自動車が2カ所の不具合でリコールを出したことを報じた。エンジン部分は、かつてのトヨタのリコールの場合は1人の死者を出したが、それより軽微なものだとのこと。映像は、ヒュンデの本社ビルがいくつかの角度から出し、トヨタの社長の顔をアップで使った。
 もう一つの不具合箇所はエアーバックのことだが、規模が小さいことを強調していた。そして研究者が「部品を作り変えて交換する」とコメントした。ヒュンデの関係者のコメントや顔の映像はなかった。
 この報道の仕方では、2つのメッセージを込められていると思われる。ひとつは、ヒュンデ自動車がトヨタと並ぶほど大きいということ。それにリコールが軽微なものである、ということだ。いずれもトヨタを使って事実の報道よりヒュンデが軽微なリコールであることと、トヨタの危うさを印象付けるものになっていた。

 ヒュンデ自動車のリコールは、すでに日本でも報道されている。リコールとは、市場に出回ってから部品等不具合でそれを取り替える措置を取るとること。それ自体はめずらしいことではなく、リコールが起こしたからといって会社の存亡を左右することにはならない。日本でのリコールの報道は多くは、その事実を簡単に伝えるだけだ。
 ヒュンデ自動車がトヨタを引き合いに出して軽微なものと強調するのは、どんな事情からだろうかということに、わたしは興味を持った。
 韓国のグローバル企業(サムスンなど)は、政府の経済政策と一体であることは知られている。企業ダメージは国家の威信にかかわることなのだろうか。それに韓国内での販売数が、ドイツ車などに押されて販売不振と新聞報道されている。さらに円安のため、シュンデ自動車の価格のメリットが弱くなり、アメリカなどで日本車に苦戦しているとニュースも報じられている。そんな状況を反映している報道なのだろうかと、メディアリテラシーとして想像しながら見ているのだ。