ぶっちゃけ…独り言?

日記と言うよりも雑記…映画とか漫画の感想やらスポーツの観戦記やら、そりゃもう思いっきり雑記です。

風立ちぬ

2013-10-17 | 映画 か行
8.5点(10点満点。5点で普通。6点以上なら満足って感じです。)

自他共に認めるジブリスキーであるワタクシで御座いますが、実は『もののけ姫』以降の宮崎駿作品には多少なりとも不満と言うか、以前ほどの満足度は得られなくなっていると言うか・・・
まぁ、元々求めているレベルがめっちゃ高いので、ちっとやそっとでは・・てのもあるんですけどね。
そんな感じで『崖の上のポニョ』以来5年ぶりの監督作にも、もちろんハードルは、てか、ハードルと言うよりも寧ろハイジャンプ・・いや、棒高かよってくらい高いものに・・・
しかも、今回はファンタジー封印などと、ワタクシ的にはこれっぽっちも、1ミクロンも望んでいない方向に行ってしまったよーで、ぶっちゃけ、宮崎作品であるにも関らず不安の方がかなり大きめに・・・
でもまぁ、観ないという選択肢は有り得ないですし、ましてや御大、これで引退なんて言っているので、そりゃもう、全てを目に焼き付けるくらいの思いで観させて頂きました。
で、率直に言わせてもらうと・・・

はい、大当たり。

いや~~、ぶっちゃけてしまうと、実は宮さん、とっくに枯れちゃってて、ほぼ『ナウシカ』の焼き直しだった『もののけ姫』以降はそれまでの貯金だけで映画を作ってたんじゃないかと思ってたりしたんですよね~。
ただ、その貯金額がはちゃめちゃに膨大なので、それでも十分に面白い作品が作れていたと・・・
ま、観る前は色々と考えましたけど、ぶっちゃけ、全て杞憂でしたね。

もうですねぇ、やっぱり宮崎駿はどこまで行っても宮崎駿なんですよね。
兎にも角にも圧倒的な演出力。
普段ならワタクシ、「起承転結がぁ~」とか「メリハリがぁ~」とか真っ先にツッコむのですが、起承転結が崩壊(いつものことだけど・・・)していよーが、山なし谷なしメリハリって何それおいしーの?状態だったとしても、まぁ~~~ったく問題なし。
いやまぁ、そりゃガッツリとあった方が良いはずなんですけど、そんなことも気にならないくらい、力ずくで見せきった(これまたいつも通り。)って感じでした。
しかも、ファンタジー封印とか言いつつも、決してガチにリアルな作品を作ろうというわけでもなく、今までと何ら変わらないスタンスで作られた映画だとワタクシ的には思ったり。
露骨にお化けとか魔法使いとか空の上の城とか出てこないだけで、いつも通りの宮崎アニメ。
てか、『紅の豚』だって主人公が豚なだけで内容はファンタジー全開ってわけでもないですからね。
今作も仮に登場人物が犬・・は、やったことあるから、猫・・も多少被るので、まぁ、何かしらの動物だったとしても何の違和感もなく観れちゃったんじゃないかと思う次第です。
後は、これ見よがしに思想・哲学を押し付けてなかったのもワタクシ的には好感度UP。
お陰で余計にノドゴシすっきり、単純に娯楽作品、豚と同様に主人公とそれを取り巻く人々の物語として観ることが出来ました。

で、当然の事ながら物議を醸し出したのが「声」ですよね。
う~ん、正直言って庵野は・・・
ワタクシ的には『ハウルの動く城』の倍賞と同じ失敗をやらかしてくれたなぁ~と。
普通に庵野ですもん。
普通に53歳のおっさんの声ですもん。
しかもオーバーアクト以前に、普通にド下手な演技な分、倍賞よりも性質が悪かったなぁ~と。
正直、喋る度に庵野の顔がチラついて、最後までキツかったです。
他の方々はジブリ作品としては及第点。

で、ジブリと言えばやっぱり作画。
いっやぁ~~~、細かいところまでよ~~~~~く動かしてましたよね。
アニメーターの皆さんの頑張り、頭が下がります。
作画レベルに関しても、抜くところはかなり露骨に抜きつつも、全体的にはここ最近のジブリ作品の中では一番高かったかと。
てか、作監がついに単独で高坂希太郎なんですよね。
高畑(絵が描けない)作品が同時進行中ってのもあるかもですけど、それにしても並み居るジブリアニメーターズを差し置いて外部の人間をトップに置くなんて、いよいよ宮さんの後継者として・・なんて、ワタクシの願望大幅込みの妄想も。
美術の武重は相変わらずの安定、もはやジブリ美術の第一人者。
しかも今回は何と言っても保田道世の復活が大きかったどころか超特大。
やっぱり彼女の色は他の色彩設計とは別格ですね。
PCでの作画が当然となった今のアニメでは、ジブリ以上に美しい作画のアニメスタジオもあったりするのですが、保田女史の色だけは他では決して見れないなぁ~と。
宮さんの引退とともに、今度こそ本当に引退ですよね。
長い間お疲れ様でした。

てわけで、色々と思いつつも、結局かなり楽しめてしまった宮崎駿最後の作品。
まぁ、鈴木P曰く「昨日言ってたことが今日には変わっちゃう」人なので、いつでも撤回して頂いて結構、てか、心の片隅で期待してます。
取り敢えず、長い間、たくさんたくさんたくさんたくさん楽しませてくれて本当に本当に本当に有難う御座いました。


風立ちぬ@ぴあ映画生活


2 コメント

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ジブリ♪ (NAO)
2013-10-18 15:54:26
こんにちは~Aki.さん。

私も「もののけ姫」以降の作品は、いまいち不満を持っていた一人です^^;

「風立ちぬ」は賛否両論ありますが、私は宮崎監督が
やりたかったことが、この作品に集大成として表れているように感じました。
宮崎監督の言わんとすることが汲み取れた人には
とても感銘を受ける作品かもしれません。

作画や色彩は、もぅ文句ないですよね。
保田さんの色彩力はもぅ凄いの一言。この作品のために
復活して下さったことに感謝です。

美大生の娘は、もぅ感動しまくっていました。

宮崎監督のあとに続く人、早く出てきてほしいです。
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コメント有難う御座います♪ (Aki.)
2013-10-20 09:23:39
おはよーございます、NAOさま♪

NAOさまも『もののけ姫』前後で満足度が分かれちゃう派なんですね^^
本人が言ってる通り、ピークの10年、終わっちゃってたんでしょうね^^;

で、この『風立ちぬ』。
賛否両論ですが決して悪くない、と言うかかなり良い作品でしたよねぇ!
ワタクシも十分感銘&感動で、何箇所かウルウルとくるところもありました(^^ゞ

画も良かったですよね~!
すっごくよ~~~く動いてましたし、何と言っても色が綺麗でしたし。
やはり保田道世さんは偉大です^^
てか、あの色使いは美大生でも感動レベルですかぁ(@o@)

これで宮さんも引退、次のジブリ作品、どーなるのか楽しみでもあり不安でもありますね^^;
て、その前に高畑かぐや姫ですね^^

ではでは~、これからもよろしくお願いしますm(__)m
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