FOOTBALL LIFE

~サッカーを中心に日々の雑感など~

ナンネル

2006年07月27日 | Weblog
今朝のN響コンサート。R・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラ・・・」がよかったなあ。導入部はなんども聞いたことがある印象的なものだ。難しい名前にはまいったー。覚えられないー。

毎日モーツァルトは第103回、姉の結婚。ピアノ協奏曲第16番、ニ長調。K.451.

ゲストは心理学者の河合隼雄さん。
好きも好きも大好きですね。何か聞くというとモーツァルトを聞くというくらい好きです。やっぱり作曲家の中で、一番好きじゃないかと思いますね。昔、LPを買ったころは、あのころ、2300円で、給料が6868円。一枚2300円というと迷って迷ってー。大きいのではなく、小さいものでモーツァルトのピアノコンチェルトで買えるものがあるということで買ったんです。それがピアノ協奏曲16番。何度も何度も聞くから好きになった、とそういうわけです。

やっぱり魂にすっと入ってくるというのが一番いい、言い方かなと。ベートーベンもシューベルトも好きなんですよ。好きなんですけど、心を経由して魂に入ってくるので、心構えがないと聞けないんですよ。モーツァルトは心構えなど何もせずに他のことを何かしていてもすっと入ってきますからね。そういうところが、ほんとにすごいところだと思います。

いや、ほんとにー。すっと入ってくるというところがすごいよねえ。癒し系の音楽というところなんだろう。病院などでも使われているとか。これがもっと音楽の比重が生活の中で占める割合が重い人ならば、今朝聞いたシュトラウスの交響詩なんかも日常的に聞いているのだろう。今のところは、他にも時間がとられて、なかなかじっくり何時間単位で音楽を聴くという生活までいかない、ということだろうか。

1784年夏、モーツァルト28歳。
姉ナンネルが結婚するという知らせが届く。幼いとき、ヨーロッパ各地を一緒に回った姉ナンネル。生活のやりくりや父親の世話に追われてきた姉にしあわせが訪れた。結婚相手は15歳年上のザンクト・ギルゲンの地方管理官だった。

ザンクト・ギルゲンはザルツブルクの東に位置するヴォルフガング湖のほとりの小さな村。モーツァルトの亡き母、マリア・アンナの故郷でもある。ザンクト・ギルゲン教区教会で1784年8月23日、姉ナンネルは結婚式を挙げた。

街の人々は今でもナンネルを愛し、その名を冠したカフェもある。結婚式に参加できなかったモーツァルトは愛する姉に手紙を書いた。

”結婚したらわかります。およそ謎がどんなものか。物事には裏と表が。
楽しみもありゃ苦労もあるさ。だから旦那が渋面ばかりするならばあなたはおもえばいいのです。あれも男の気まぐれと”

ナンネルはモーツァルトの作品の良き理解者であり、助言者であった。「ピアノ協奏曲第16番」にはナンネルからの指摘が反映されている。姉の助言によって、ピアノの旋律に装飾的な音符が付け加えられた。

1784年8月18日ナンネルへの手紙
”来春にはきっとザンクト・ギルゲンでゾンネンブルク夫人となったあなたと抱擁したいとおもっています”
しかし、モーツァルトとナンネルは再会を果たすことはなかった。

モーツァルトの音楽は河合さんの言葉のように、心構えがなくても聴くことが出来る。それでいて、曲によってそのメロディに鮮やかな色彩がつけられている、というところがすごいなあと。ピアノ協奏曲を順番に聴いていくと、ほとばしる才能というのがはっきり感じられる。

前回のK.454.変ロ長調はモーツァルトの選曲集にも入ってなかった。ヴァイオリンの曲が集められたCDもあったので、当然入っているものと思ったのに。探すとなるとまた大変だ。