3月6日(火):
182ページ 所要時間3:40
仕事の疲れで、読書の途中強い睡魔に襲われ、同じページの上で足踏みをしてるような状態になった。
著者45歳(1958生まれ)。日本有数の心臓血管外科医。医学部卒業後、医局入りを拒み、研修医から、オーストラリアのシドニー・セント・ビンセント病院で、日本では絶対不可能な年間100を超える心臓バイパス手術をこなす。日本に帰国後、医局・学閥的背景がないことで一時窮地に陥るが、神奈川県大和成和病院に心臓外科を開設。年間200例の心臓バイパス手術を執刀する。
タイトルの副題は、「ここまで明かす医療の真実と名医の条件」
目次:
第1章 医者だって手術は恐い
第2章 この国の医者のつくり方
第3章 世界に飛び出して見えてきた日本の医療界
第4章 知っておきたい病院選びの裏ワザ24
第5章 ブラック・ジャックはどこにいる?
「まさに、何が起こってもおかしくない世界。執刀医が人為的なミスを犯すことは許されないが、それを超えた部分は、神様が決めているとしか思えない」ということで外科医は、すごく「ゲン」かつぎ意識が強いし、日常、手術への恐怖で満たされている。「恐怖ゆえに不断の集中力が生まれ、惨事を逃れたい一心で難事を打ち負かす闘志が心胆にわきあがる。もし自分が恐怖心を感じない人間になってしまったら、私は医者を辞めるべきであると決めている。略。人は権威や威容にひれ伏すかもしれない。が、日常私が対峙している「心臓」は、どの医師に対しても常にフェアに反応してくれる。病院の大きさや執刀医の肩書きなど全く気にしてくれないのだ。」
「医師国家試験に実技試験はない。論述試験も面接試験もない。この択一式のペーパーテストに通れば、みんな医師だ。略。落ちるほうが珍しいという試験である。たった一回限りのペーパーテストに合格すれば、その人の腕に関係なく、生涯にわたり医療行為をすることが許される。」
研修医の給料はとても安い。著者の時、県立の大学病院が月給が15万8千円。私立の大学病院は、つい最近まで月給5万円。バイトをする研修医たちが、土日の当直のバイトで一晩10~15万円。大学病院での研修医の月給分を、夜間に民間病院で働けば土日の一晩だけで稼げるのだ。略。医師の給料というのは、いったい何によって決まっているのか、分からなくなる。不思議なほど、理不尽な世界になっている。
著者は、日本の医療・医学界に蔓延る医局制度と学閥意識の存在を徹底的に批判する<異端児>的存在。医局・学閥を背景に権勢を誇る大学病院の教授も年間30例程度、月2~3回の手術しかしないサンデードライバーに過ぎない。それに比して、著者のように年間100~200例の手術をし、毎日のように執刀している医師は、肩書きは無くてもF1レーサーのようなもので、実力は全く比較にならない、と豪語する。
「日本で権威を誇っている大学病院の教授たちも、自分の命がかかっている場合は、おそらく権威のあるなしなどは全く考慮せず、世界中を探してでも、経験豊富な良い医者を見つけ、治療をしてもらうだろう。それが医者のホンネだ。」という記述は、いみじくも9年後の今年2月18日の天皇の心臓バイパス手術の執刀を、本書で未来のブラック・ジャックとして紹介されていた著者の仲間の天野篤順天堂大学教授が行い、象牙の塔たる東大医学部チームが完全に後塵を拝したことで明確に証明された。
もう寝ます。
182ページ 所要時間3:40
仕事の疲れで、読書の途中強い睡魔に襲われ、同じページの上で足踏みをしてるような状態になった。
著者45歳(1958生まれ)。日本有数の心臓血管外科医。医学部卒業後、医局入りを拒み、研修医から、オーストラリアのシドニー・セント・ビンセント病院で、日本では絶対不可能な年間100を超える心臓バイパス手術をこなす。日本に帰国後、医局・学閥的背景がないことで一時窮地に陥るが、神奈川県大和成和病院に心臓外科を開設。年間200例の心臓バイパス手術を執刀する。
タイトルの副題は、「ここまで明かす医療の真実と名医の条件」
目次:
第1章 医者だって手術は恐い
第2章 この国の医者のつくり方
第3章 世界に飛び出して見えてきた日本の医療界
第4章 知っておきたい病院選びの裏ワザ24
第5章 ブラック・ジャックはどこにいる?
「まさに、何が起こってもおかしくない世界。執刀医が人為的なミスを犯すことは許されないが、それを超えた部分は、神様が決めているとしか思えない」ということで外科医は、すごく「ゲン」かつぎ意識が強いし、日常、手術への恐怖で満たされている。「恐怖ゆえに不断の集中力が生まれ、惨事を逃れたい一心で難事を打ち負かす闘志が心胆にわきあがる。もし自分が恐怖心を感じない人間になってしまったら、私は医者を辞めるべきであると決めている。略。人は権威や威容にひれ伏すかもしれない。が、日常私が対峙している「心臓」は、どの医師に対しても常にフェアに反応してくれる。病院の大きさや執刀医の肩書きなど全く気にしてくれないのだ。」
「医師国家試験に実技試験はない。論述試験も面接試験もない。この択一式のペーパーテストに通れば、みんな医師だ。略。落ちるほうが珍しいという試験である。たった一回限りのペーパーテストに合格すれば、その人の腕に関係なく、生涯にわたり医療行為をすることが許される。」
研修医の給料はとても安い。著者の時、県立の大学病院が月給が15万8千円。私立の大学病院は、つい最近まで月給5万円。バイトをする研修医たちが、土日の当直のバイトで一晩10~15万円。大学病院での研修医の月給分を、夜間に民間病院で働けば土日の一晩だけで稼げるのだ。略。医師の給料というのは、いったい何によって決まっているのか、分からなくなる。不思議なほど、理不尽な世界になっている。
著者は、日本の医療・医学界に蔓延る医局制度と学閥意識の存在を徹底的に批判する<異端児>的存在。医局・学閥を背景に権勢を誇る大学病院の教授も年間30例程度、月2~3回の手術しかしないサンデードライバーに過ぎない。それに比して、著者のように年間100~200例の手術をし、毎日のように執刀している医師は、肩書きは無くてもF1レーサーのようなもので、実力は全く比較にならない、と豪語する。
「日本で権威を誇っている大学病院の教授たちも、自分の命がかかっている場合は、おそらく権威のあるなしなどは全く考慮せず、世界中を探してでも、経験豊富な良い医者を見つけ、治療をしてもらうだろう。それが医者のホンネだ。」という記述は、いみじくも9年後の今年2月18日の天皇の心臓バイパス手術の執刀を、本書で未来のブラック・ジャックとして紹介されていた著者の仲間の天野篤順天堂大学教授が行い、象牙の塔たる東大医学部チームが完全に後塵を拝したことで明確に証明された。
もう寝ます。