もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

6 072 暉峻淑子「社会人の生き方」(岩波新書:2012)感想4

2017年05月29日 01時30分43秒 | 一日一冊読書開始
5月28日(日):  

241ページ    所要時間2:25    古本80円+税

著者84歳(1928生まれ)。

『豊かさとは何か』(岩波新書:1989)と『豊かさの条件』(岩波新書:2003)を読んでいる。特に前者は、若い俺にとってはかなり影響を受けた印象がある。先日、本書を古本屋で見つけた時、「暉峻のばあちゃん久しぶりやな、今もお元気で何よりや。岩波新書をまだ書けるやなんて、ほんまよう頑張ってはって、まことにめでたい!」と思い、新本に近い状態なのに87円!なのを見て、即買った。

今日は、本を読めないと思っていたが、そんな時こそ<縁結び読書>をするべきか!?、と思い眺め読みをした。感想は、老いてなお変わらぬ気高き精神に触れて懐かしかった。世の中がすさんできている中で、灯台のような存在である。

内容的には個別の事象の裏に著者の長年の深い経験が息づいているのは感じられるが、全体としては何か滑ってしまっている感じを受けた。全体としては、確かな見習うべき正しい精神は感じるが、著作としてのまとまりに欠ける感じがした。もちろんもっと時間をかけて丁寧に味合わせてもらうべきなのかもしれないが、印象は変わらないだろうと思う。

ただ、個々の断片的記述の裏に深い経験があるはずなので、今後も断片的に気に入った部分を読み味わうのはありかな、と思う。俺の読み方が悪かったのかもしれないし、付箋をたくさんしてあるので、少し間をあけて読み直してみようかなとも思う。

【目次】第1章 社会人になれない人びと(社会人のイメージ/公認されている社会人年齢 ほか)/第2章 身近な社会とのかかわり(弱い人間たちの支え合い/個人化社会の不安 ほか)/第3章 社会人にとって働くとは何か(社会の中の労働/難民たちが求めていたこと ほか)/第4章 格差社会に生きること(格差社会と社会人/拡がる格差と貧困 ほか)/第5章 社会人をどう育むか(経済をコントロールする力/社会人になりにくい教育 ほか)

【内容情報】社会人とは本来、自分たちの社会をともに作り上げる人びとのことだ。だが、今の日本では、若者たちの就職難や格差の拡がり、無縁化に見られるように、社会人として生きていくのが困難になっている。社会人になるには何が必要か。社会人をどう育んでいったらよいのか。著者の内外での経験にもとづく豊富な事例を織り交ぜながら考えていく。
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