もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

8 051 真藤 順丈「宝島」(講談社:2018)感想特5

2019年06月02日 17時37分31秒 | 一日一冊読書開始
6月2日(日):    

541ページ      所要時間10:00       アマゾン1269円(1021+248)

著者41歳(1977:東京)。

【目次】第一部 リュウキュウの青春 1952-1954 /第二部 悪霊の踊るシマ 1958-1963 /第三部 センカアギャーの帰還 1965-1972

最後の筋(すじ)の謎解きは一応わかったが、とにかくしんどい読書だった。目の調子が良くないので速く読めない。自分なりに急いで読んでもページが進まない。感想特5ともっともらしく解ったように書いてるが、実際のところ細部まで読めてる訳ではない。

それでも1952年の日本本土独立後、1972年の沖縄返還までの20年間、アメリカの施政権下に置き去りにされた沖縄と沖縄の人々が置かれていた様子についてこれほど雄弁に語ってくれる小説は、他に少ないのではなかろうか。

本書が史実を踏まえつつ書かれた“小説(作り話)”であり、行方不明の戦果アギャーの英雄おんちゃんをめぐって結ばれたごろつき(やくざ)のレイ、琉球警察のグスク、小学校教師のヤマコら3人と米兵によって望まない妊娠で生まれたウタの立場から描かれた当時の沖縄の様子は、日本の戦後史に完全に欠けていた<非常に重要な歴史的証言になっていると思う。

そこにあることがわかっていながら、本土の人間が全く見ようとしてこなかった<戦後の沖縄に関する歴史的事実>を物語りの形で見させてくれた画期的な作品だと思う。そして、それが本土である東京の小説家によって書かれたということに、ある意味偽善的かもしれないが、俺には<贖罪>としての意義も感じることができた。

本書の内容を詳しく記憶することは難しいが、いつか忘れた頃に、まだ目が良ければ再度読み直したいと思う。読み終わった直後には「もうこりごりだ」と思っていたが、少し時間がたつと何か急に懐かしい気分になってくるのだ。これは作品のチカラか、作品によって描かれた沖縄の社会そのもののチカラか、どっちだろう。

190518 久しぶりの読書。真藤 順丈「宝島」(講談社:2018)に挑戦中。読み終えれるかは不明。
2019年05月18日 23時00分29秒 | 沖縄と共に生きる

5月18日(土):  

久しぶりに本格的な本を読んでいる。真藤 順丈「宝島」(講談社:2018)に挑戦中。1ページ30秒では全く歯が立たない。現在541ページ中の281ページで所要時間4:00であるが、正直漠然とした筋立てしかわからない。ただ、本書の中には史実をよく踏まえて、べっとりとした手触り感の沖縄が描かれている。戦後7年目の1952年から1972年を描いた若者たちの勇壮でリアルな叙事詩になっている。最後まで読めていないが感想5または特5は決まっている。
図書館の本だが、今、アマゾンで注文1269円(1021+248)を出した。

著者41歳(1977:東京)。

【内容情報】英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。奪われた「故郷」を取り戻すため、少年少女は立ち上がる。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになりー同じ夢に向かった。米軍統治下の沖縄を嵐のように駆け抜ける、青春と革命の一大叙事詩!!
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