もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

3 049 齊藤孝「原稿用紙10枚を書く力」(大和書房;2004) 感想5

2014年01月02日 03時52分42秒 | 一日一冊読書開始
1月1日(水):

※明けましておめでとうございます。旧年中は、小生の駄文をお見捨てなくお読み頂き、本当に励みになりました。皆さまのご来訪がなければ、小生の読書マラソンは、とっくの昔に挫折しておりました。それは断言できます。今後とも身勝手な駄文をだらだら垂れ流してまことに心苦しいのでございますが、お見捨てなくご来訪頂けますことをお待ちしております。まことにもって恐縮の至りですが、よろしくお願い申し上げます 。恐惶謹言 m(_ _')m 。

195ページ  所要時間 2:40    ブックオフ105円

著者44歳(1960生まれ)。

タイトルは正確には、“10枚以上書く力”とした方がよい。著者の基本的考え方は、とにかく<質>より<量>が大切であり、たくさん書ければ、質はあとから付いて来る。

起承転結は、まず「転」から書くべきであり、言いたいこと、指摘したいキーワード、キーコンセプト(言いたいこと)を見つけてから、そこに向けて転→承→起→結の順番で考えるべきだ。そして、いきなり大きな文章を書こうとするのではなく、小さな塊の文章をたくさん書いて、それを後で編集、まとめるほうが現実的である。

一定以上の文章の量をこなすには、先ず、キーワード、キーコンセプトを選択することが大事であるが、その際、2つだと、発想が直線的になってしまい、他の人間と重なりやすく、月並みな内容になりがちなので、3つ(多過ぎてもいけない)を選択するべきだ。

3つのキーワードだと2つまでは同じになっても3つ目が重なることはまず無い。また、3つのキーコンセプトを結び付ける場合は、論理の組み合わせ方が複雑になるので必然的に各自のオリジナルな発想が出ることになる。

長い文章を書く場合、行き当たりばったりで書き始めてはいけない。必ず、レジュメを書いて全体の見通しを立ててから書くべきである。

文章を書く際には、書き手の<個性(生命力)>は勿論大切だが、文筆の世界では、まず文章をたくさん書ける<構築力>が必要である。

そして文章を書く場合に、決定的なのは、一人称なのか、三人称なのかをはじめとして、読者と自分の立ち位置、距離感といった表現上のポジション取りをしっかりと意識することがとても大切である。そこがぐらつくと書けない。

ざっとこう言ったことが、書かれてるが、他にも単なる読書好きが、物書きとして通用するわけではないこと、編集者は、文章を読み込むことにかけては高い脳力を持つが、意外と物書きの能力を持つ者は少ない。

物書きと、読書習慣、読書量の必然的な相関性、および物書きのための読書法は、ふだんの読書とは違う“読書術”がある。など、興味深い指摘もあり、全体にコンパクトにわかりやすく書かれていた。

俺はこれまでこの著者の、情念的ではなく、理念的であっさりしていて、多くの著作が薄味で当り前のことしか書かない。それが、権力やマスコミ、大衆に迎合する姿勢に感じられて嫌いだった。その著作にも低い評価しか与えて来なかったが、本書に関しては、簡にして要を得ていて、親切な文章読本として好感を持てたので評価を高くした。
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