もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

179冊目 小栗左多里「英語ができない私をせめないで!」(大和書房;2004)評価4

2012年03月16日 05時15分35秒 | 一日一冊読書開始
3月15日(木):

今年の3月は、仕事と雑用と心配事に追われて、読書習慣が風前の灯状態です。

213ページ  所要時間3:00

著者38歳(1966生まれ)、「ダーリンは外国人」の売れっ子漫画家。夫は、アメリカ人ジャーナリストで、語学オタクでもあるトニー・ラズロ。

英語勉強法の本は、たいてい成功者である“雲の上の上級者”が「こうやればいいんだよ。もちろん学問に王道なしだけどね」って感じで、書かれている。嫌みなだけの奴もいるけど、「ははー、やっぱりそうですよね。そうなると視野も世界観も広がるし、素敵ですよねー、理想的ですよねー、…」と説得力のある本もたくさんある。

多くの場合、彼らの読者に対する姿勢は、父性的で、上から「頑張れ、頑張れ!」と引き上げようとする「“慈”の愛」である。しかし、本書のスタンスは、全く逆である。著者自身が、「私もダメなのよ」と認め、日本中にあふれている市井の英語上達渇仰者たちの代表である。迷える初級者・中級者と思いをともにして、「どうしたら英語が上達するのかしら?」とまさに体当たりで暗中模索、さまざまな方法を試みてくれるのである。その有難いお姿は、母性的で、多くの市井の悩める英語庶民の目線に立ち、「一緒に頑張りましょうよ。何か良い方法が見つかったらお互いラッキーよね」と心を寄せてくれる「“悲”の愛」である

そう、本書は、「“悲”の愛」のスタンスをもつ希有な英語上達法の書物なのである。それだけに同様の試行錯誤の経験をもつ俺としては深く共感してしまった。

さまざまな英会話スクールの実態取材、英語読書、ネット利用の勉強、英会話喫茶に潜入、月2万円で通い放題英会話スクール、ネット利用の先生探し、ラジオ英会話などその他有象無象さまざまな方法を試してみて、その中から役に立つ多くの情報を発掘した成果が盛り込まれている。

目次:
STEP1 まったく英語が話せない!
STEP2 トニーに相談してみた!
STEP3 英会話スクール初体験!
STEP4 英語の本を読んでみた!
STEP5 ネットで勉強してみた!
STEP6 英会話スクールに通ってみた!
STEP7 ネットで先生を探してみた!
STEP8 ラジオ英会話を聴いてみた!


その挙句に、「私の結論は、地味。/やっぱりこれしかないです。」「私の場合、明らかなゴールはないし、「不合格」もない。「意思の疎通」が目標だから、やり続ければやらないより必ず理解度は深まる、はず。やるか、やめるか。自分との戦いだ。うっ。戦いが始まったあたり、私はやっぱり「英語が好き」じゃないんだなーと再認識してしまいました。やばい。/いや、でも人と話すのはとても好きだし、広い世界を知りたいと思っているので、それを心の支えにして、がんばります。/のんびりだけど、あきらめない。/あきらめないかぎり、昨日より上達する。/そう信じて、今日もラジオのスイッチを入れます!」と結ばれる。

これが、我われ市井の英語上達渇仰者にとって、真実の声以外の何ものであろう! これこそが、真実の福音であると俺は考える!

ちょっと調子に乗って「よいしょ」し過ぎだけど、楽しい本だったし、それでいて、意外と本書には、生きた、実用的な方法が紹介されているのだ。評価4もその点を考慮したものである。

例えば:・鈴木陽一「DUO」(ICP)
 ・ネットサイト:週刊ST、アルク、All about Japan、perapera、理解.com、sennseisagasu.com(先生探す.com)

※俺は、著者の姿勢に好意をもっている。読んでいて楽しい内容だが、意外と中身は濃厚で実のある本である。読書習慣に挫けそうな俺にとっては、有難い本だった。

現在、am5:20で、明日は、am8:00起きである。ちょっと厳し過ぎるので、もう寝ます。
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