もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

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151122 ※韓国は冷静に(もみ)。  朝日デジ:【社説】歴史観の訴追 韓国の自由の危機だ

2015年11月22日 12時06分09秒 | 徒然・雑感
11月22日(日):

韓国は日本の歴史修正主義者に合わせて過剰に反応するべきではない。日本の低レベルなクズどもに合わせて、韓国側までもが国家として歴史の真実から目をそらして勧善懲悪、歴史の単純化、韓国の女性は純真無垢という虚像を創り上げ、その虚像から脱して歴史の真実に迫ろうとする研究者を断罪・弾圧してしまったのでは本来の韓国・朝鮮の人々が持っている植民地支配の被害者という大きな構造の主張の真実性を、かえって細部から崩してしまうことになる。

歴史修正主義者に対する最も正しい態度は、真逆の虚像を創り上げることではない。あくまでも冷静に歴史の真実を追求し主張し続けることだ。善の中に悪があり、悪の中に善がある。一筋縄でいかないのが歴史(“人の世”)の真実であり・現実だ。そこから離れて、空想の虚像を創り上げて引きこもってはいけない。自由な研究を妨げてはいけない。

歴史修正主義者は、歴史の世界における一種のテロリストだ。周りの人間が、慌てふためいて混乱し、我を忘れれば忘れるほど奴らの思うつぼなのだ。何が何なのかわからないようにぐちゃぐちゃにして「さて、何が真実なんでしょうね。お互いさま!」というのが、安倍晋三らの狙いである。確かにきちんとした反論すべき時には反論すべきである。しかし、その反論自体が虚像であってはただの水掛け論になってしまい、これも思うつぼになってしまうだろう。

まともな研究者でもない歴史修正主義者の主張によって、日本帝国主義の植民地支配によって韓国・朝鮮の側が受けた被害の歴史が誤魔化されることは断じてないのだ。日本のアカデミックな学者・研究者の見解は、「河野談話」と同様明確に、従軍慰安婦の存在と日本軍の関与を認めている。低レベルなクズどもに合わせて、韓国側が過剰反応によって自らを貶める必要はないのだ。

「 141127 「従軍慰安婦」問題を考える。高橋源一郎さん論壇時評&朴裕河(パクユハ)氏フェイスブック記事 」も読んで下さい。

朝日デジタル【社説】歴史観の訴追 韓国の自由の危機だ  2015年11月21日05時00分
  韓国の検察が、同国で出版された「帝国の慰安婦」の著者、朴裕河(パクユハ)・世宗大教授を在宅起訴した。旧日本軍将兵らの性の相手をさせられた女性たちに対する名誉毀損の罪に問うている。
  起訴内容は、元慰安婦らの告訴をそのまま認めた。著書には「朝鮮人慰安婦と日本軍は基本的に同志的関係にあった」といった表現などがあるが、検察はこれらを「虚偽の事実」にあたると断じている。
  また、言論や出版、学問の自由は憲法が保障する基本的権利だとしながらも、元慰安婦らの「人格権などを侵害し、学問の自由を逸脱した」と起訴理由をあげている。
  慰安婦問題をめぐり、当事者や支援者にさまざまな意見があるのはわかる。だが、史実の正否は検察当局が判断を下すべきものではない。ましてや歴史の解釈や表現をめぐる学問の自由な営みを公権力が罰するのは、きわめて危険なことである。
  朴さんが著書で論じている趣旨は、帝国主義が抱える女性抑圧の構造的な問題である。さらに、同志的関係にならざるをえないような状況に追い込んだ当時の日本の責任を厳しく追及してもいる。
  韓国ではこれまでも日本の過去の問題が関係する事案では、法律論よりも国民感情に流されるかのような捜査や判決があった。今回の判断の背景に、そんな要素は働かなかったか。
  この本をめぐっては元慰安婦らの仮処分申請を受け、裁判所も、一部を削除しなければ出版を認めない決定をしている。
  確かに慰安婦問題については実際の総数など、まだ不明な部分も多い。一方で、被害者の韓国人女性たちが90年代初めに名乗り出始めて以降、日韓を中心に研究が進み、徐々に慰安婦問題の実態がわかってきた。
  同時に明らかになったのは、慰安婦といっても、実に多様なケースがあったということだ。朴さんの著書はまさにその多様な側面に焦点をあてたが、韓国で広く語られる「純真で無垢な少女」という被害者像と必ずしも一致するわけではない。
  だからといって、研究者が成果を発表するたびに刑事事件で起訴されていたのでは学問は成り立たない。学説や発見、解釈は互いに検証し、批判や反論をし合うことで、研究が進展したり、淘汰されたりするものだ。
  異論の封殺は、自由に対する挑戦である。今回の問題は朴さん個人にとどまらない。韓国メディアは起訴を大きく報じていないが、自由を守る声が広がることを願ってやまない。
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