もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

180401 NHKドラマ「どこにもない国」感想3+…中国残留孤児について一言欲しかった。

2018年04月01日 17時14分31秒 | 映画・映像
4月1日(日):    

NHKドラマ「どこにもない国 前編75分・後編75分」~150万同胞の引き揚げ実現に奔走する男たち!満州で待つ妻と子の再会の日は来るか?~ を観た。歴史的に全く?無名の人々が、使命感を持って命がけで満州を脱出し、日本に戻りつき、GHQ占領下の日本政府に働きかけ、救出を求める全国遊説を行い、ついにはマッカーサーにまで面会し、葫蘆島を基地とする在満日本人の全面的日本帰還を実現した物語りは確かに知らなかったことを知ることができて感動的だった。

ただ、最後の瞬間まで「今か、今か?!」と待っていた、たったひと言の言及が出てこなくて、強い違和感が残った確かにエリートではあっても全く無名の市井の?男たちが、GHQにまで掛け合い時代を動かした物語りは素晴らしい。それで、多くの日本人が助かったことは大きな成果であり立派な日本人の存在を知ることができた。しかし、このドラマは、ハッピーエンドの市井の英雄譚で終わらせてはいけないはずだ。

多くの日本人が救われた一方で、多くの日本人が犠牲になったことも事実だ。「命を落とした者以外にも、当時、親を失った多くの子どもたちが中国人に引き取られ、中国残留孤児となった。戦後50年を過ぎた頃、帰還運動によって多くが日本に帰国を果たしたが、言葉や習慣の違いによって、未だに日本社会に適応しきれないで苦労している孤児の人々も多いというひと言をわずか20秒ほど付け加えるだけで、このドラマの<視野>は大きく広がり、<品格>はずっと上がったと思う。そのひと言が無かったことが残念である。

今のNHKの感性のほどが、こういう部分で分かってしまう。幼稚なナショナリズム、ポピュリズム、目先の格好良さにのみ引かれて全体を見られていない。センスが悪い。画竜点睛を欠く。九仞の功を一簣にかく。前にドラマ「坂の上の雲」の時にもこんな感じを受けたのを思い出した。

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