もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

7 066 松岡正剛「多読術」(ちくまプリマー新書:2009)感想4

2018年06月03日 17時58分32秒 | 一日一冊読書開始
6月3日(日):  

205ページ      所要時間 3:05     ブックオフ105円

著者66歳(1944生まれ)。

前に読んだ本なのを忘れていて図書館で借りた後、自宅の本棚で同じ本を発見。これも何かの縁だと思い、3度目の読書を試みた。

編集者と著者との読書をめぐるQ&Aで著者の語り下ろしの形式で出来上がった本である。特別な感動はなかったが、ひたすら本を読むのが好きな人の<読書に淫した思いと工夫>が記された内容になっている。ところどころに気の利いた言葉が書かれているし、推薦図書のセンスはよくてかなり参考になった。一方で、何が言いたいのかわからない、少なくとも本書を読む中高生には、相当な読書家の子以外あまり役に立たないだろうと思える部分もあった。

気の利いた内容をいくつか:・
・読書家の学者にいつ読むのかと尋ねて「君はいつ食事をしているかね」と言われて返す言葉がなかった。
・読書は編集作業であり、本はノートである。
・断固として仕事を続けながら読書も続ける方法は、調子や好みや仕事に合わせた「読書する仕組み」をリズムにしていき、様々な本の読書をまぜこぜにしながら、遊びや息抜きも読書でしていく。時にはマンガもおり混ぜる。
・キーブックを持て!ドストエフスキーなら「カラマーゾフの兄弟」の「大審問官」の章、トルストイなら「アンナ・カレーニナ」、網野善彦「日本の歴史をよみなおす」、 エトセトラ
・書棚と仲良くなること。本棚の整理自体が読書である。読書による知識は忘れるが、大事なのはその読書によってもたらされた思考回路の変化である。
・音読から黙読への変化は14~16世紀以降であり、活版印刷の普及が背景にある。
・読書スタイルを固定的に考えないことが何よりも大事。

※以下に、5年前の記事を載せる。
3 002 松岡正剛「多読術」(ちくまプリマー新書;2009) 感想4
                           2013年09月03日 01時55分15秒 | 一日一冊読書開始
(2013年)9月2日(月):

205ページ  所要時間 3:05    ブックオフ105円

2度目。前回は図書館の本だった。

著者66歳(1944生まれ)。「千夜千冊」で有名な松岡先生である。機械的速読による多読を「早食い競争のようだ」と排し、日々食事をする如く本を読む生活を説き、読書に対するさまざまな心構えが語られる。

途中まで感想は3にするつもりだった。俺の中に「所詮、批評家であり、創作する人間ではない」という軽んじる気分があったのだ。しかし、後半になると、さすがにその該博さと発想の豊かさ、柔軟さに圧倒されて感想を4に引き上げざるを得なくなった。

本書は、書中で取り上げる推薦図書も含めて、読書生活を豊かにするためのきっかけがたくさん記されている。書中の言葉を借りれば、俺の読書生活にとっての<キーブック>になった。今後折に触れ、見直していきたい。やはり、必要な本は買って所有しておくべきだと思う。でも、本って結構高価だし…、スカも多いし…なあ…。

何にせよ、「千夜千冊」では随分お世話になっているが、正剛先生の値打ちは、ようわからん。

■目次 (コピペ)
第一章 多読・少読・広読・狭読
セイゴオの本棚/本は二度読む/たまには違ったものを食べてみる/生い立ちを振り返る
第二章 多様性を育てていく
母からのプレゼント/親友に薦められた『カラマーゾフの兄弟』/文系も理系もこだわらない
第三章 読書の方法をさぐる
雑誌が読めれば本は読める/三割五分の打率で上々/活字中毒になってみる/目次をしっかり読む/本と混ざってみる/本にどんどん書き込む/著者のモデルを見極める
第四章 読書することは編集すること
著者と読者の距離/編集工学をやさしく説明する/ワイワイ・ガヤガヤの情報編集/言葉と文字とカラダの連動/マッピングで本を整理する/本棚から見える本の連関
第五章 自分に合った読書スタイル
お風呂で読む・寝転んで読む/自分の「好み」を大切にする
第六章 キーブックを選ぶ
読書に危険はつきもの/人に本を薦めてもらう/本を買うこと/キーブックとは何か/読書しつづけるコツ/本に攫われたい
第七章 読書の未来
鳥の目と足の目/情報検索の長所と短所/デジタルvs読書/読書を仲間と分ち合う/読書は傷つきやすいもの
あとがき「珈琲を手にとる前に」

※前回は、2010年3月19日(金)に所要時間 1:30で評価3である。感想は「読書に淫する著者の読書遍歴と、日頃の読書の方法を紹介。ただ、言葉が上滑りをしていて、壮大なる虚無、何も語っていない気もする。」と書いている。ちょっと厳し過ぎる評価だな、と今は思う。あの頃は、東野圭吾がちょっとマイブームだった。

※記録:9月2日(月) 363 PV/131 IP
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