もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

4 070 大島健二「家づくり解剖図鑑」(X-Knowledge:2014) 感想3

2015年04月27日 02時06分47秒 | 一日一冊読書開始
4月26日(日): 副題「イラストだからわかる快適な暮らしの仕組み」

171ページ  所要時間 2:30(入浴しながらマッタリ)  図書館

著者49歳(1965生まれ)。一級建築士。

1995年に独立して20年間の経験を、分類・整理し、家づくりに関心を持つ万人に見やすいイラスト・アイデア集として書かれている。イラスト図巻のような体裁で、文字数は極端に少ない。俺自身、風呂で入浴しながら付箋をして眺め読みをしてたら予期せずに最後のページまで行ってしまった感じである。

感想は、著者自身が、自分の20年間の実際の経験をもとに本書を編んだ、と言っている通りの内容であり、「個人の経験では絶対数が足りない。細かに設けられたテーマにも、とても良いのもあるが、一方で家づくりを目指す人間からすればピントはずれな腑に落ちない話が多かった。

価値が無いとは言わないが、もう少し読者を絞り、「すべてが実例」を強調するのではなく、自分が関わった以外の多くの事例を取り上げて、それらを論評するところにこそ20年間の経験を発揮して欲しかった。本書の場合、せっかく良い話もあるのに、全体としては何か目先を変えたイラスト図巻で売ろうとする、「売らんかな」の心が全面に出てしまい、惜しい感じがするのだ。

■目次
1章:快適な暮らしの仕組み:LDKはゆるやかにつなげたい/テレビの居住まいを考える/住まいの一部であるキッチン/半島型キッチンは万能選手/キッチンを自分仕様にアレンジ/LDKを通る子供部屋/屋根裏で想像力を育む子供部屋/住まいを丸ごと遊園地に/EV用吹抜け 今だけは競技の場/ほか
2章:家全体で考える:敷地と方位のズレを楽しむ/2階LDK お陽さまにカンパイ/1階LDK 地面に住まう贅沢/玄関で分ける2つの庭/快適+お得 地下の部屋/階段は間取りを左右する/窓は何のためにあるのか/もっと光を 家の奥まで明るく/心もつなぐ吹抜けがほしい/共有か分離か 二世帯住宅/家の広さは断面でつくり出す
3章:家の顔のつくり方:ヴォリュームでつくるモダンな家/屋根でつくる和風な家/格子でつくる和風モダン/外装材の特性を生かす/少し引いて奥ゆかしい和の玄関/バルコニー 考慮したいメンテナンス/ガレージも通風採光が欲しい
4章:片付く家のヒミツ:下駄箱と呼ばないで 玄関収納/重要なのは食品庫のみえる化だ/クローゼットにも通風採光を/壁面収納 大容量をスマートに/サニタリー収納は1枚の引戸/小上がりについてくる引出し収納/本棚は阿弥陀くじのごとく
5章:細部のこだわり方:上がり框がつくる住まいの顔/引戸は開いた時に真価を発揮/大きな窓は障子が似合う/奥行きある格調高い床の間/身近な浅くて広い床の間/あえて仕上げない天井の魅力/新築でも古材が醸す経年の美/ベンチはだらだらと過ごす装置/人も住居も輝かせる鏡の魅力/半歩進んだ賢く楽しい手摺/ほか
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