1年2ヶ月もの長きに渡り、誰一人としてこの事件を市長に伝達しなかったことは組織として大きな問題である、と異例の括弧(カッコ)書きで指摘したのです。
関係者の誰一人として市長の関与を認めなかったことが、逆に組織全体の欠陥として指摘されてしまいました。
トップの面子(めんつ)を守るため、組織そのものの品性まで貶(おとし)められる始末です。
情けないったら、ありゃ~しません。
この判決を、副市長同様、市長にも職務権限がない、などと議会でほざいていた議員がいました。
判決では上記のように、市長にはもちろん権限があるが、1年2ヶ月もの長きに渡りだ~れも市長に相談しなかった、となっているんだけど、そんなことも知らず、判決文を読んでもいない議員がいて、臆面もなく議会で発言をしてるんです。
議員はお粗末なのが多いのだけど・・・この時にはあきれ返りました。
実はこの議員のこの発言、判決文を読んでいない愚かさを示していますが、もう一点、重要なこと示唆してくれます。
議員のこの発言・市長にも職務権限がない、って言うことは暗に市長は最初からこの事件のことを知っていた、ことの裏返しなんです。
市長は最初から事件のことを知っていたけど、職務権限を有しないから損害賠償の責を負わなかった、って言っているようなもんです。
副市長への賠償請求は、地裁判決と同様、生活保護行政の権限を有しないので、請求を求めること自体が不適当とされました。
副市長は生活保護に関し、なんら権限を有しないのだそうですので、彼に相談するのが間違っていたということなのでしょう。
今回の裁判で明らかになった新事実です。
副市長に相談したのは時間のムダでしたし、副市長は権限も無いのに誤った対応を指南していたのです。
上司に相談するときは、この事案にこの上司が権限を有しているか、を調べなければなりません。
何ら権限を有しない者がテキトーなことを言ってそれに従っても、“実は彼、権限を有して無かったんよ”ってことで済まされちゃって、罪はみな相談した者にかかってくるのです。
理不尽だけど・・・現実であることを今回の事件は教えてくれました。
続きます。