アナーキー小池の反体制日記

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#499 サケ

2010年10月02日 | 食について
郷里では今もサケの事を、アキアジと呼んでいます。サケだとかシャケだとかで呼ぶと、嫌な顔をされます。昔、サケは今より高級な扱いを受けていました。
人工孵化により沢山のサケが獲れる様になってからは、サケも筋子もイクラもすごく安くなりました。

昔から日高沿岸ではサケが獲れました。そしてそれを上手に食べていました。
獲れたては生の切り身を焼いたり煮たり、塩を一振りしたものを焼いたものも美味しかったものです。
でも、多くは新巻きサケとして長期保存用に加工し、年中食べられるようにしてました。
今の新巻きサケと違います。内臓を抜き塩をかけて一度大きな樽に漬けるのです。漬けることによって熟成され、その後干すんだけど、そのことによって旨さが増し、長い保存が可能となります。
昔の新巻はどこも同じようですが、塩分がものすごく高く特有の匂いがあるため、若い人に嫌われ一般には流通しなくなりました。

ボクの母の実家からは今も年の暮れ、一匹の新巻が届きます。
それは昔ながらのしょっぱくて発酵臭のするものです。(しょっぱさは随分和らぎましたが)
ボクは好んで食べますが、若い人にはあまり評判がよくありません。
ところがこの頃、昔ながらの新巻が流通し出しました。本格塩造とかいって結構高い値で売られるようになってきました。

・・・
もう20年も前でしょうか?
市立図書館で借りた本なんですが、"浦河百話”というのに出合いました。浦河町が発行した町史の番外編ともいうべきその本は面白いこと満載でした。面白く読み進んでいるとその中に母方の祖父が登場しました。祖父はボクは高校生のときに亡くなりましたが、様似町に住んでいました。
浦河町は様似町の隣町です。その浦河町に全道初のサケ・マス孵化場が出来たんですね。大正の頃か昭和の始めかは記憶していませんが。
その初代場長がボクの祖父だったのです。ボクは生まれてから何十年も生きてきましたが、そのことは初耳でした。祖父が水産関係の道職員だった事は聞いていましたが。
母に聞いてみると確かにその通りでした。

その"浦河百話”に載っていたんですが、北海道初は当然日本初(もしかして世界初!)かと思うのですが、残念ながら日本で2番目だそうです。日本初の栄誉は新潟県村上市の孵化場なのだそうです。

新潟県村上市出身者に、ボクの大学の親しくしていた同級生がいます。
同級生だけど4歳も年上のその人は、人柄もよくお金持ちだったので?親しくしていただき、付き合いは今も続いています。(今も東京の企業で活躍しています。)

そういえば学生時代、彼はサケの話をよくしていましたっけ、と思い出しています。
新潟県村上市なんて大きくない市ですので、そんなことがなければ知ることがなかったはずです。運命の奇遇さに驚きます。
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