先週の東京市場はNY株の後半3日間の連続安にもかかわらず水曜日と金曜日が上昇し週間ではプラスで引けた。NY株が週間でマイナスになったのとは対照的であった。
先週の連銀FOMCでは2011年のGDPの成長率が2.7%~2.9%に下方修正されたが、日本の方は2011年度の後半の企業業績の急回復が伝えられた。世界のGDPの9%弱を占める日本経済の回復が久しぶりに海外でも存在感を持ち始めた。
当面、注目されるのはドル相場の動きである。
6月末で米連銀はQE2を打ち切る。市場に放出した資金はそのまま滞留させるが、これまでのように新しい資金の増加はないし、米金利の低下は見込めない。
QE2の副産物として石油をはじめ商品相場を押し上げてきた資金はドルへの回帰を始めるとみる向きも出てきた。ゼロ金利の米ドルを借りて海外で運用してきたホットマネーの動きが逆流を始める可能性がある。
QE2の打ち切り→ドル金利の上昇→エネルギー価格の下落という循環が出ると、東京市場にはプラスに働くはずで、先週の日本株の相対的な強さが説明できる。
バーナンキ議長は米景気の鈍化の影響にエネルギーの上昇、日本の震災を強調した。この2つのマイナス材料が先行き消える可能性が出てきた。相場の転機を探る動きが出始めるだろう。
相場の方向性にかかわらず中型株の割安銘柄には注力を続けたい。
具体的には旭ダイヤモンド(6140)、飯田産業(6880)に注目している。