海運株の人気が横へ広がってきた。
バルチック海運指数が先週までに19日間の連騰になったことも買い材料になった。市況の動きをみているとまさに「天国と地獄」の間を往来している感じだが、今回の変動にはこれまでとは異なった要因もみられる。
中国、インド、ブラジルなどの経済の台頭である。昨年の金融危機で新興国もそれなりに影響を受けたが、いち早く回復軌道に乗りそうだ。日本などと異なって、国内の景気対策が砂糖水のようにすぐに体にいきわたる若い産業構造にある。
海運株にいち早く注目したのはウォール街である。ドライシップ(DRYS)という中型の海運株がいち早く人気づき短期間に株価は4.2倍になった。
最近の米バロンズ誌には「世界経済の見通しと国際資源相場を材料にして短期資金が超投機人気を展開している。この株は投資家の本能的な衝撃の根源(精神分析用語でid)を現している」と記述している。
資金調達を市場から株式発行で行い浮動株が増加してきた。ただこのまま海運市況の反騰が続くと、業績反転のレバレッジも大きい。今夜、企業業績の発表がインターネットを通じてライブで行われる。
世界の投機資金が海運株に向かっている。