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何か違う企画でうき特製のお菓子をお送りします♪



中村勘九郎襲名披露の話なり~







こちらはどうやら気温が30℃を超えていたようです。
10月と言えば、衣替えなのにいつになったら半袖をしまえるのかしら。

さて、忘れないうちに2日の歌舞伎観劇の話を記録しておきますね。
演目は
一、鬼一法眼三略巻(菊畑)
鬼一・市川左團次 牛若丸・尾上菊五郎 鬼三太・片岡仁左衛門
皆鶴姫・中村時蔵
二、口上
三、義経千本桜(道行初音旅・川連法眼館)
義経・尾上菊之助 佐藤忠信(狐)・中村勘九郎 静御前・中村七之助

私、今まで襲名披露公演は見たことはあったんですけど、「口上」を聞いたことはなかったんですよ。
だから、今回は夜の部だけ「口上」が聞けると言うので、すごく楽しみにしておりました。

まずは開演まで30分ほど時間があったので、いつものモナカをば。(笑
私はいつもの抹茶で、マリ造はいつも同じじゃ芸がないと思ったのか、あずきにしておりました。
が、やはり抹茶の方がよかったみたい。
秋の期間限定なのか、栗のモナカもあったので、次回秋に来ることがあったら今度は栗にしてみようと思います。
歌舞伎を観に行ってるんだか、モナカを食べに行ってるんだか。

席は6列目の9,10と花道から3つ目4つ目の良席でしたのよ。ホホ。
20000万円とちと高額だったですが、今回は「元は取った~」って感じ。(笑
一幕目は鬼一法眼三略巻(菊畑)ね。
鬼一法眼という平家側に付いたおじいちゃんがおってね、彼には生き別れになった源氏側に付いた弟が2人いるのよ。
そのうちの1人(鬼三太)がやっこに化けて、これまた使用人に化けた牛若丸と虎の巻を盗もうと法眼の家に潜入してるのよ。
んなもん生き別れになったからって、実の弟がわからんはずないやん!
って突っ込みはしちゃいけないんだなー。(笑
ある日、法眼が自慢の菊畑で菊を愛でてたら、娘と一緒にお出掛けたはずの牛若丸が1人で帰って来たのよ。
そしたら、法眼えらいこと牛若丸を怒るんだな。
んなもん、娘が「先に帰ってて」ゆうたら、帰るやん。
自分のところの娘のわがままを叱れよってね。
なんつう突っ込みもナシね。
まぁ、この舞台では法眼が鬼三太と牛若丸の正体を薄々感じてはいるけど、どうなの?って設定だからさぁ。
鬼三太に主人である牛若丸に仕置きをせえ、と命じるの。
でも、弁慶になれない鬼三太は主人を打てないのよ。
もう~頭の悪いやっちゃなぁ、疑われるちゅうねん。(笑
案の定牛若丸にも怒られるし、その場面を娘にも見られるしで、ほんまに鬼三太は間抜けやねん。
って!こんなことを言うたら、身も蓋もないんやけどね。ハハ。
この幕ではたぶん「弁慶になれない鬼三太」が主題なんだろうね。
あとは娘(牛若丸に恋してる)に横恋慕する嫌なヤツを牛若丸が討って、娘が「虎の巻を盗むお手伝いをしますわ~」で幕引きよ。
ストーリーとしては極めて中途半端なんだけど、幕を細切れで上演する歌舞伎ならではゆうたらそうなのかもね。
その後を本で読んだところだと、法眼は源氏を憎からず思っていたし、娘可愛さで虎の巻を牛若丸に渡して切腹しちゃうんだって。
↑次男が関わってくる話もある。
法眼は牛若丸に「くれぐれも娘を頼む」って死んでいったのに、牛若丸ってば誠実じゃないよねー。(笑
しっかしさぁ、花道から菊五郎さん扮する牛若丸が登場してきたときには、思わず噴出しそうになったわ。
マリ造にまた睨まれちゃった。
だって、70近い菊五郎さんが牛若丸だよ、失礼だと思ったけど、ちょっと違和感があるよ。
それが歌舞伎ちゅうもんだろうし、鬼三太扮する仁左衛門さんを叱っているときなんかの掛け合いは、そら見事で溜息が出るほどだったけどね。
何だろうねぇ、私、よく芸を言い訳にして女遊びをしたりする役者さんを懐疑的に見てたんだけど、やっぱり「芸」って存在するのねー。
所作一つ一つが美しいだけじゃなくて重いのね。
ああ、それにしても仁左衛門さんが美しかったー。
彼の主役の舞台が観たい。

楽しみにしてた二幕目の口上・・・。
菊五郎さんから始まったんだけど、2番目の時蔵さんがめちゃ噛みの上に詰まったもんだから、そのあとの人も伝染したようでグダグダだったの。
何だろ、やっぱり緊張なさってるのかなぁ、気持ちが前に前に行き過ぎて早口になっては噛む感じだったわ。
テレビなんかでよく見るユーモア溢れる口上とは、ちょっと違った。
歌舞伎座とかだとメディアも入ってるし、ありゃ皆さんちゃんと練習しての結果だったんだな。
よーくわかったよ。ハハハ。

二幕目が終わって、我らはいつものお寿司で食事。
事前にマリ造が予約をしておいてくれたんだけど、何故かリストから漏れていたようでねー。
ええ、もちろんマリ造は毅然とした態度でねじ込みましたよ。(笑
また間の悪いことに相手は、「二幕目はお寿司が出来ません」言うの。
あんた、またやっかいな人にやっかいなことを言うのう。
「おりゃぁ~!そっちの手違いなんだから、何とかせんかい!おらぁ~!」
↑もっと丁寧で慇懃にね。
ハイ、私達の席にはお寿司が置いてありました。ハハ。
特別お寿司が食べたいわけじゃないんだけど、30分の幕間で慌てて食べずに済むのが握り寿司しかないんだよ。
それでも私達はギリギリよ。
もうびっくりするのが、どんなに品が良さそうなご高齢のご婦人でもめっちゃ食べるのが早いの。
やっぱり戦中戦後を生きてきた人達は違うのよねー。

三幕目の道行初音旅は所謂舞踏劇。
義経を訪ねて吉野山に来た静御前が義経にもらった“初音”という鼓を打ったら、忠信が現れて彼女を守りながら旅をする話を踊りで表現するのね。
↑忠信は義経の家来ね。
実は忠信と思っていた人は狐だったというお話なんだけど、何ともグロい(失礼!)のが初音はその狐の両親の皮で作った鼓だったのよ。
両親恋しさでその鼓の音色に誘われて、狐が忠信に化けて出て来てたの。
まぁ、想像すると気持ち悪いんだけど、勘九郎さんがときどき見せる狐のコミカルな動き楽しかったし、七之助さんとの絡みも息がひったりでねー。
私は口を開けて観てたと思うわ。
幕間に知らない叔母さんに声を掛けられて少し話をしたんだけど、かなり興奮した様子で「感動したわー」とおっしゃってた。
うん、確かに頭ではなくて何だか体で感じた気がしたよ。
誰彼構わず時間を共有した人と話がしたくなる気持ちはわかった。(笑

4幕目の川連法眼館は、本物の忠信が義経の滞在先に来てて、静御前と一緒に旅をした狐忠信の正体がバレる場面。
忠信は母の病気で帰郷して、母が死んだ後も自身の破傷風の治療でずっと故郷にいたと報告するんだけど、じゃ、静御前といる忠信は?
忠信が何か悪巧みをしてるんじゃないか、と疑われて別室へ。
↑勘九郎さんが2役を同時にどうこなすのかな?と思ってた。アホだ。
静御前が例の鼓を打ったら、忠信に化けた狐が現れて告白と懺悔。
鼓が狐の両親の皮だと聞いた静御前のリアクションったらなかったよ。
心底「ゾッ」とするって感じだった。
忠信に化けた狐が白い毛の生えた衣裳に早変わりして”本物の狐”になったんだけど、、早変わりってほんまに早変わりなのよね。
思いもよらないところから出て来て、さっと引けて行ったりと歌舞伎の舞台セットの仕掛けってすごい。
また勘九郎さんのアクロバティックな動きにもびっくり。
階段で座ったままイナバウアーをやって頭を床につけちゃったり、150cm以上ある廊下の手摺りをヒョイと飛び越えたりするのよ。
人間、あんなことが出来ちゃうのねー。
感心しちゃった。
あれは早変わりやセットの仕掛けを上手く利用して、狐の動きを再現してたのね。
狐には見えなかったけど、確かに何か獣には見えたわ。
と一連の見せ場が終わったところで、奥で狐と静御前のやり取りを聞いていた義経が現れて、狐は義経と静御前にお詫びを言って去って行くの。
義経が狐を不憫に思って呼び戻そうと静御前に鼓を打たせるんだけど、鼓は音が出ないの。
つまり鼓の皮となった両親黙ってしまったということね。
親子の情とは何と厚くて、尊いものよのう、となるわけよ。
私としては、「ええ話やな」とここで終わって欲しかったわ。(笑
が、その後、狐が戻って来て、鼓をもらいお礼に悪い人達が押し寄せてくるから自分の通力でやっつけますね、と。
うーん、これはストーリーとしては無駄ではないかい。
狐にもう一動きさせるのに必要なのかのう。
最後、音楽(!)に合わせて勘九郎さんが踊りまくるんだけど、お客さんも拍手じゃなくて手拍子よ。
何だろ、この一体感、まるでアイドルのコンサートにでも来てるみたいじゃないか。
めっちゃ楽しかったよぉぉ。
いやー、マジで許されるなら楽屋まで行って、「ありがとう。いい舞台だった」と言いたかったよ。(笑
↑何で歌舞伎にはカーテンコールがないんだろ?ある?
もし、財布が許すなら3幕目からまた観たいと思う。
いやいや、その前に昼の部だな。
あー、私はこうやって歌舞伎貧乏になっていくぅ。ハハハ。


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コメント
 
 
 
Unknown (じゃんぼおかん)
2012-10-04 23:03:16
うきやん、3枚目の写真の下、

>20000万円とちと高額だったですが、今回は「元は取った~」って感じ。(笑
一幕目は鬼一法眼三略巻(菊畑)ね

はて、2億円ということは、1興業みな買い取ったのかね?
お大尽よのぉ…。
と、おもろいから、訂正しないでこのままにしておいてね!
 
 
 
じゃんぼおかん様 (うっきーマウス)
2012-10-04 23:30:08
ハハハ、意地悪ねぇ。
おもろいからそのままにしておくけど、読まれる度にアホやと思われるんやなぁ。トホホ。
それにしても2億円の元取るってなぁ。
 
 
 
おもしろかったーーーー! (ケリーちゃん)
2012-10-04 23:39:49
うきさん、感想さっそくありがとうございます。
解説がとってもわかりやすくて、初心者の私が読んでもとても楽しかったです!!!
私、配役を書いてくださっていたところで、勝手に脳内で「牛若丸=菊乃助さん」だと思い込んでいて、途中で「えええ!」って気づきました。そりゃ牛若丸が菊五郎さんとは思いませんものね~。
私は浅草歌舞伎で亀治郎さん(あっもう猿之助さんか!)が狐忠信を演じられたのを観たことがあります。彼は踊りがものすごく上手で足さばきも見事なので、最後の踊りは物悲しくて泣けました。(澤瀉屋さんの狐忠信は、鼓になった両親への思慕のみならず、静御前に対するほのかな恋心も相まって哀しい踊りになるとか。一方中村屋さんの解釈は、あくまでも主従として一線を引く、というお考えのようで、このような解釈の違いも面白いなぁと思いました)
お席も大当たりで良かったですね~~~
 
 
 
ケリー様 (うっきーマウス)
2012-10-05 19:44:52
いやー、初心者が書いてること、解釈が随分違いかもしれませんよ。
でも、なるべく自分の言葉で書かないと後で読んでもつまんないから
感じたことをそのまま無責任に書いてみました。
私、もう嫌になるくらい忘れてしまうから。(恥

そうなんですよ、菊五郎さんの牛若丸ちょっと酷いでしょ?
私が噴出すのもおわかり頂けますでしょ。
亀次郎さん(こっちの方がしっくり来る)の狐忠信をご覧になったんですか。
それはそれは美しかったでしょうねぇ。
羨ましいです。
勘九郎さんのは、やはり恋心は出来るだけ触れないでおこうとする解釈の
ようですね。
↑0ではありませんでしたが。
狐の動きの可笑しさを前面に出す踊りでした。
兄弟で修練を積んだであろう踊りで、感動しましたよ。
言葉じゃなくて、踊りというパフォーマンスだけで人ってのは感動出来る
ものなんですねー。
今度は2月に猿之助さんの襲名披露です。
私、亀次郎さんを観たことがないので、めっちゃ楽しみです。
ケリーさんもいらっしゃいます?(笑
 
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