バイオの故里から

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シアリダーゼの機能解析ツールの開発と脳組織への応用

2019年06月06日 | 神経 脳 リューマチ 疼痛

シアリダーゼによる神経活動と連動した神経機能の制御
化学と生物.,Vol.57 No.6 Page. 346 - 351 (published date : 2019年6月1日)
南 彰1, 鈴木 隆1
静岡県立大学薬学部生化学分野
シアリダーゼは,糖鎖末端にあるシアル酸を脱離させる加水分解酵素である.哺乳動物のシアリダーゼには,細胞内局在など特性の異なるNeu1, Neu2, Neu3, Neu4の4種類のアイソザイムがある.これらのシアリダーゼアイソザイムはすべて哺乳動物の脳に発現する(1).シアル酸は脳に豊富に存在し,軸索伸長や神経回路の形成,神経伝達,記憶などシアル酸がかかわる神経機能は多岐にわたる.したがって,シアリダーゼによるシアル酸脱離もまた脳機能の制御に不可欠である.筆者らは,シアリダーゼの新たな機能解析ツールの開発に取り組んでいる.本稿では,同ツールを利用して見いだされたシアリダーゼによる神経活動と連動した神経機能の制御を中心に解説する.
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