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2000日本
監督:青山真治
脚本:青山真治
撮影:田村正毅
音楽:青山真治、山田勲生
出演:役所広司(沢井真)宮崎あおい(田村梢)宮崎将(田村直樹)斉藤陽一郎(秋彦)国生さゆり(弓子)光石研(シゲオ)
200分を超す長尺だが、その長尺がふさわしい空間と時間の永遠に見紛う弛緩がこの映画のテーマの一つである。
片田舎のそもそも時間も空間も停止/閉塞しているような日常に場違いに舞い降りたバスジャックという事件を機に、ストッパーをはずされたかのように現実への取っ掛かりが希薄になっていく運転手沢井と、バスジャックに乗り合わせ一命を取り留めた梢と直樹の小学生兄妹。同じく凄惨な経験を持つという秋彦。それぞれの喪失をそれぞれが違った密度で生きてゆくが、生きてゆくことと希薄になることが同義となることで彼らは一致している。
希薄さをふたたび生きなおそうとするように彼らはマイクロバスであてのない旅に出る。旅の中で希薄さはそれぞれの形で飽和を迎え、それぞれの形で終わる。この希薄を生きるということを、映画は長尺とシネスコサイズの画面とクロマティックB/Wと呼ぶ独特のモノクロ色彩とで見事に描ききっている。
シネスコサイズは、まさにバスの進行を長く長く画面に捉えきるために用意されている。後半、ほとんど他人とのつながりが失われ人物が登場しなくなる一方で、ひとり音を立てて進むバスのショットが増えてゆき、それにつれて時間もはるかに引き延ばされる。この弛緩にそっと寄り添った者だけが、最後の梢の初めての肉声に落涙できるのだろう。
これは救いでも癒しでもない。希薄な生をどのように引き受けて人は生きるのかを観る者のもつ希薄へと直接投げかけ響かせる、そういう映画なのだ。
名作。
青山真治監督の北九州サーガ、私も最近観たのですが、どれも素晴らしいと思いました。
特に本作は217分という長尺。最初は驚きましたが、観終わって、確かにその時間を要する必然がある映画だと思いました。
名作ですね。
ではでは!
自分には217分がぜんぜん長く感じられませんでした。もっともっと観ていたい感じでした。
映画における時間というのは、とても不思議なものですね~
またお越し下さい~
TB&コメントありがとうございました。
ムック本で21世紀の映画ベストワンに選ばれていた本作をようやく見ることができました。
長尺ゆえ見るのを躊躇していたのですが、見始めたら一気に引き込まれてしまいました。
長尺ゆえじっくりと彼らに寄り添うことが出来たように思います。
この映画での少女、宮崎あおいちゃんがNHK大河ドラマのヒロインを演じるようになるなんて、誰も想像がつかなかったでしょうね。
ようこそ。
はじめましてでしたっけ?
よくそちらのブログを拝見しているもので
そんな気がいたしません。
長尺がいいですよね。この映画。
ずっとよりそって初めて感じるものがあるという風で。
大河ドラマでの宮崎さんは一度も観たことがないんですけど^^;
大分大きくなったでしょうね~(笑)