( ハンフリー・ボガード&イングリッド・バーグマン 「カサブランカ」 )
今回の「奈良バル」で、特筆すべきは、映画の上映が加わったことだろう。
名画「カサブランカ」を久々に観て、記憶が曖昧だった部分を
ようやくしっかりしたストーリーでこの日埋めることができた。
ボギー(ハンフリー・ボガード)がバーグマンに向かって言った台詞
というか 名訳の 「君の瞳に乾杯!」は、
映画の中に実に四回出てきた。
でも私が一番印象に残ったボギーの台詞はこれ。
「自分には、君と幸せだったパリの思い出があるさ 」
こう言って空港でもう一人の男・ラズロと飛行機に乗ることを
バーグマンにすすめる別れのシーン
As Time Goes by
私生活でも酒豪で知られたボギー
酒を手にするシーン 飲むシーン 決まっていた。
それが名訳「君の瞳に乾杯」を引き出したとも言えなくない。
若い頃、歳を重ねさえすれば男は ボギーみたいに格好良くなれると思っていたが、
それがとてつもない瞑想に過ぎないことを生きてみて思い知らされた。
レイモンド・チャンドラーの書いた フィリップ・マーロウの名せりふは
この「カサブランカ」の中のボギーにも、とても似合いそうだ。
「男は、タフでなくては生きていけない やさしくなければ 生きていく資格はない」
そして、映画を見終えたときの私のセリフは
「逆立ちしてもボギーには かなわない」
だった・・・
(寅)