知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

安定のリスク

2018年09月01日 | スキルアップ
最初は、がむしゃらに頑張る。

ある程度、成果が出て、安定する。

ここで、モチベーションが下がる。

 このまま、維持すればよい
という、安定の欲求が生まれてしまうからです。

この状態が続くと、成長できず、
 環境の変化にもついて行けなくなってしまう。


これが、独立して起業すると生じる
 安定のリスク
です。

例えば、会社員で500万円くらいの年収の人が
 独立して1000万円くらい
稼ぐようになる。

すると、
 税金の負担が大きい
ことに気がつく。

このまま、自分の時間を使って、
 稼いでも税金が増えるだけだ
と考えるようになる。

ここで、選択肢は、
 人を雇う
か、
 手を緩めるか。

人を雇えば、
 人件費が増えるので、税の負担は減る。

ただ、
 その分の売上げを毎年上げなくてはいけなくなる。

このご時世、売上げを上げ続けるのは、大変なので、
 さらに、がんばらないといけない。

そのため、手を緩める方向に行きたくなるわけです。


また、日本の場合、
 税金のほか、社会保険料(厚生年金、健康保険)、雇用保険料
が高いので、
 人を雇うとなると、給与の他にも負担が増える
ことになります。

特に、健康保険料は、全く医療費を使わない人でも、
 関係なく徴収される。

むしろ、自動車保険のように、
 等級制度
とした上で、
 自己負担額の調整を行う
などが必要だと思います。

月収が30万円の人で東京だと約3万円。
この半分を会社が負担するため、1万5000円。

掛け捨て医療保険に、月額3万円も支払っているようなもの。
それでいて、健康な人が病院を使うことは、あまりない。

国民健康保険の場合、会社が負担してくれる分がないので、
 さらに、負担感は増す
ことになります。



今後、少子高齢化で、高齢者が増え、病院に行く人が増え、
 現役世代が少なくなる
と、
 健康保険制度は崩壊する
ことになります。

そのため、かつては1割負担だった自己負担を、
 3割
に引き上げました。

将来的には、さらに、上がっていくことになり、
 5割程度まで上がっていくことになる
おそらがあります。

今、高額な負担をしている世代が、
 自分が高齢者になった場合には、
 高額な自己負担をせざるをえなくなる
というわけです。

世代間格差の問題は、
 こういうところにも現れてくる
ことになります。


これは、
 日本が安定のリスク
に陥っているためです。

比較的うまく、経済成長ができ、富を形成できた。

そのため、
 官僚制度は確固としたものとして確立した。

抜本的な制度の変革の必要性を、
 官僚も、国民も感じていない
わけです。

そうすると、
 制度自体を抜本的に変革する
のではなく、
 負担増という一番やりやすい
方向ですまそうとする。

消費税が
 3%→5%→8%→10%→  
というように、少しずつ上がって行くのと同じように、
 社会保険料も上がっている
わけです。

消費税を上げる前に、
 大幅なコスト減
のために、
 どういう制度にしたらよいか
という議論にはならない。

ITを活用すれば、
 人員を減らせる
とか、
 時代に合わなくなった独立行政法人への補助金は打ち切ろう
とか、
 電子申請を増やしていこう
とか、
 仕事を減らしたり、予算を減らす知恵を出そう
ということにはならないわけです。

これは、
 公務員の安定した環境を損なう
ことになるためです。

公務員になる人は、
 一般の人よりも、安定を重視する人
です。

年功序列で年収は上がっていく、リストラのリスクはない、再就職も約束されている。
官舎には入れる。
問題さえ起こさなければ、安泰だ。

そういう人の考えは、
 国民のために新しいことにチャレンジして、予算を削減しよう
という方向ではないわけです。

今までと同じように、
 無難に、問題がないようにすまそう。

確かに、変革にはリスクがつきものです。

一気に物事を進めようとすると、失敗することがあるからです。

ただ、安定のリスクは、
 少しずつ崩壊に向かう
という危険性をはらんでいる。

そのことに、注意が必要です。
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