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知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

政治経済。

2012年05月23日 | 国家論
 政治と経済は密接に結びついている。

早稲田大学などは、政経という形で、学部を同じくしています。


ただ、日本はかつて海外では、
 経済は1流
 政治は2流
と言われていました。

経済と政治が分離しているということ。

そして、現在、
 経済も2流へ。

経済が2流になっていくのは、
 新たな変化に対応できない
ためです。

理由は、
 政治が足を引っ張る
からです。

かつては、
 他の国が、政治で足を引っ張っていた
ので、
 そこそこ治安が良かった日本が経済的に優位に立てた
わけです。

例えば、韓国は朝鮮戦争をしており、日本の産業の発展に力を貸してくれてました。
中国は、天安門事件や文化大革命など国内のごたごたで、自滅してくれていました。
欧州は、東西冷戦の真っただ中で、予算の多くが軍備の増強へ。

日本は、アメリカに任せておけばよかったので、
 必要なお金はすべて設備投資につぎ込めた
というわけです。


それが、現在は、東西冷戦は終結。
中国は、市場経済の旨味に気付いた。
韓国は、企業家のリーダーの下、国家経営に企業経営の手法を応用している。

何もなかった東南アジアにも、余ったお金が開発資金として流れ込んできている。


この状況を客観的に見れば、
 大競争時代がすでに始まっている
ということは、容易に想像できると思います。

この競争における主役は、
 国内の企業
です。

そして、国内の企業は、国民の生活を支えることになります。

そうなると、
 国内企業の成功と国民の生活の質の高さ
は、比例するということになります。

そうであれば、
 国家が国内の企業の成功を支える
ことが、不可欠であるということになるはずです。

それに、気が付いている国家は、
 TPPやFTAなど貿易の障壁を取り払って、国内の企業が自国でモノを生産し輸出しやすいシステム
を築いていこうとしているわけです。

ポイントは、
 生産の拠点を国内にとどめる
ということ。

いくら自国の企業が儲かっていても、
 生産の拠点が海外で、雇用されている人物が海外の人
であれば、
 その企業が自国にもたらす恩恵は少ない
からです。

あくまでも、
 国家が企業に求める役割
は、
 自国民の職の創出
です。

それで、失業者を減らすことが、
 国益につながる。

ところが、こういった視点がないと、
 空洞化に対する対策ができず、どんどん企業が逃げて行く
ことになり、
 その結果、国民の職がなくなり、税収が落ち、
 失業手当や生活保護などの福祉予算も莫大なものになる
という、亡国のシナリオに陥っていくわけです。

今の日本がそんな感じです。

中国は、職が無くなると一気に国家体制が崩壊するので、
 世界の工場の地位を死守するための戦略を練っています。

それが、資源外交と技術の導入。
東シナ海にこだわるのも、資源がなくなれば、モノを安く製造できなくなるからです。


ギリシア、イタリア、スペインの失業率は、急上昇しており、
 一気に貧困化する
ことになります。

人件費が安いアジアに、仕事が流れていく現象は止められないので、
 これらの国の貧困化は食い止められない
はずです。

日本は、
 これから成長する東南アジアの経済圏から利益を受け取るシステム
を作り上げることで、貧困化を食い止められる可能性があります。

比較的近い立地と莫大な金融資産を持っていることが利点。

問題は、
 そういったシステムを築くための政治や外交スキルがない
ということです。

AU構想も一時期言われたのですが、結局アメリカの顔色をうかがって頓挫。
(大学のころは、このために山本宗二の国際法で勉強していたわけですが、
日本政府の対応を見ると、国際法を学ぶ意味はほとんどありません。
そのためか、この本も絶版なんですね。国際法は外交スキルが高い国でないとむなしいだけです。)
APECの権限強化も、同様に難しくなっています。
これに対抗したアメリカ主導のTPPも、結局参加を表明できず、
オブザーバーで仲間に入れてと頼んで拒否される。

これが、政治2流の実力です。


国益になることを国民に示して、
 生き残るための手段であることをプレゼンできれば、若い世代を中心に支持が得られる
可能性があります。

この国の最大の問題点は、老人国家であるということ。

老人は、一般的に、
 頭が固く、新しいことに頑張って取り組んでいこうという気力
が残っていません。

現状維持型です。

そのため、若い世代は、そんな老人を無視するようになります。

先人は、名言を残しています。
 老いては子に従え。


アイパットもスマホもクラウドも、意味が分からない世代に、
 新しいサービスを考え、今後のビジョンを描く
ことは難しい。

そのため、海外の指導者は、比較的若い世代に切り替わっています。

政治2流の問題の一つが、
 政治家が高齢者の集まりで、
 時代の流れをとらえ切れていない
という点だと思います。
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