おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

泥象 鈴木治の世界

2013-08-31 23:02:04 | 見たもの
 京都国立近代美術館で8月25日まで開催されていた「泥象 鈴木治の世界」展でございます。先週、京博とハシゴしてきました。

 私は今回、この展覧会で初めてお名前を知ったのですが、鈴木治さん(1926-2001)は、戦後の日本陶芸を代表する陶芸家の一人だそうです。千家十職の永樂工房で轆轤職人をしていた鈴木宇源治(うげんじ)氏の三男として京都五条坂に生まれ、早くからお父様に轆轤の手ほどきを受けられ、戦後、本格的に陶芸家を志し、1948年に八木一夫、山田光らとともに、陶芸による新しい造形表現を目指して前衛陶芸家集団「走泥社(そうでいしゃ)」を結成されました。器としての用途を持たず、純粋に立体造形としての芸術性を求めた彼らの作品は、当時の人々に驚きをもって迎えられ、「オブジェ焼」と呼ばれました。鈴木さん自身は「オブジェ」ではなく、あくまでも土と火による造形を追求し続け、作品名に「泥像(でいぞう)」や「泥象(でいしょう)」という言葉をしばしば用いられました。

 最初、駅で上のポスターを見たとき、水色地に茶色っていう色合いが非常にインパクトがあり、この並べ方が何だか可愛らしくて、「おっ」って感じでずっと気になっていました。全然関係ないけれど、基本、お洋服でこの色の組み合わせが好きなので、このポスターも「好き」です。ただ、“茶色い”焼き物(って大雑把な書き方でスミマセン)って苦手なのでどうしようかと思っていたのですが、駅に置いてあったチラシを見ると青白磁の焼き物もあったので、青白磁ならと思い直し、行ってまいりました。

 没後初めての大規模な回顧展だそうで、初期作品から晩年の未発表作品まで約150点の作品が展示してありました。鈴木さんがおっしゃった「〈使う陶〉から〈観る陶〉へ、〈観る陶〉から〈詠む陶〉へ」の足跡を辿るというものでした。

 “茶色い”焼き物は赤い化粧土を施した焼締めという技法で制作されているそうですが、やっぱり苦手意識が先に立ってしまい、さらに題名とはすぐに結びつかない非常に抽象的な形のものが多く、久しぶりに「一点一秒」の鑑賞となりました。「馬」という題名の作品が全部で27点ありましたが、「これのどこが馬なんですか?」っていうのが多くて、「抽象」っちゅうのは、絵でも焼き物でも難しいです。凡人には理解し難いと思いました。青白磁のほうがまだわかりやすかったです。ポストカードになっていたお気に入りの青白磁の作品です。

  
 「爐 虎児」です。つい、虎に反応してしまいます。

 
 「香炉十二支」です。十二支の左上はネズミです。子年なので、ネズミにも反応してしまいます。ネズミの置物を集めているので、美術館のガラスケースの中の作品なのに、「あ、これ欲しい」と思ってしまいました。
コメント
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