国立劇場の「伊勢音頭恋寝刃」でございます。通し上演ということで「相の山」から始まりました。序幕は「相の山」から「二見ヶ浦」まで、二幕がいつもの「油屋」「奥庭」となっており、序幕と二幕の間に休憩が入りました。この休憩が曲者でした。国立劇場も客席やロビーでは飲食禁止なんですが、別にテーブルと椅子を置いた無料休憩所を用意され、そこでお弁当を食べることができました。国立劇場の開演はお昼の12時、その時間までに到着しようとすると結構朝早くに家を出ないといけません。朝食も早くて、劇場に着くころにはかなり空腹を感じておりました。その気分でお弁当を選んでしまい、しっかりめに食べてしまいました。食べた後に「あ、こんなにがっつり食べたら、寝るかも…」と思ったのですが、食べてしまったものは仕方ありません。その予想を裏切ることなく、二幕はかなりまだらな記憶になってしまいました。当たり役の貢の梅玉さんを見ようと思って行ったのに、残念です。
とりあえず序幕から。万次郎は扇雀さんでした。勝手に何となく理屈っぽいイメージを持っているので、「つっころばし」ってどうかしらと思っていましたが、ちょっと頼りない感じの柔らかい色男でよろしゅうございました。そういうところって藤十郎さんの血なんでしょうかね。
梅玉さんの貢ですが、序幕で登場した時は、かなりしっかり者で思慮深い人物のように見えました。ワタシの好きな“往年のNHKアナウンサー”のような話し方で、貢さんってこんなに理詰めの人だったっけ?と不思議な感じでした。孝夫さんが10年前に松竹座でやはり通しで上演されていて、当然のことながら貢さんのお役でしたが、「宿屋」の場面はほぼ記憶がないのですが、もう少し家来らしかったような気がするのですが。料理人喜助のお役とごっちゃになっているのかもしれませんが。又五郎さんが神領を支配する長官・藤波左膳のお役でしたが、すごく痩せられて人相が変わっててびっくりしました。「健康的にダイエットされた」そうなんですが、ダイエットしすぎのような気がしました。ちょっと心配です。奴林平は萬太郎さん、ワシャワシャ・ドタドタと舞台と花道を走りまわったはりました。
かんじんの「油屋」がほぼ全滅状態で、最初の万次郎と莟玉さんのお岸がじゃらじゃらするところと時蔵さんの万野がねちねちと貢をいじめるところぐらいまでは見た覚えがあるのですが、梅枝さんのお紺や歌昇さんのお鹿が、ほぼ意識を失っていました。歌昇さん、人生初の女形だったそうで、悪戦苦闘しながら挑んでるって聞いていたので見たかったのですが。
次は「奥庭」まで飛びます。7月の松竹座もそうでしたが、女形さんの「伊勢音頭」を踊る場面はカットで、いきなり妖刀「青江下坂」で切って切って切りまくる場面になります。“洗練された歌舞伎の様式美”でございます。梅玉さん、もちろん二枚目なんですが、「やっぱり孝夫さんのほうが上背があるし、カッコいいよなぁ」って思いながら見てしまった失礼な客はワタシです。それまでさんざん寝てて、起きたら「孝夫さん、うふっ」ってどうしようもないヤツですよね。申し訳ございません。
平日に行ったせいもありますが、お客さんは少なめでした。団体が戻らないと難しいんでしょうかね。
ロビーに展示してあった本物の「葵下坂」です。蛍光灯が反射して見づらいのですが。サントリー美術館で刀剣の展覧会をやってて、半券を持っていけば前売り料金で見られたそうです。
とりあえず序幕から。万次郎は扇雀さんでした。勝手に何となく理屈っぽいイメージを持っているので、「つっころばし」ってどうかしらと思っていましたが、ちょっと頼りない感じの柔らかい色男でよろしゅうございました。そういうところって藤十郎さんの血なんでしょうかね。
梅玉さんの貢ですが、序幕で登場した時は、かなりしっかり者で思慮深い人物のように見えました。ワタシの好きな“往年のNHKアナウンサー”のような話し方で、貢さんってこんなに理詰めの人だったっけ?と不思議な感じでした。孝夫さんが10年前に松竹座でやはり通しで上演されていて、当然のことながら貢さんのお役でしたが、「宿屋」の場面はほぼ記憶がないのですが、もう少し家来らしかったような気がするのですが。料理人喜助のお役とごっちゃになっているのかもしれませんが。又五郎さんが神領を支配する長官・藤波左膳のお役でしたが、すごく痩せられて人相が変わっててびっくりしました。「健康的にダイエットされた」そうなんですが、ダイエットしすぎのような気がしました。ちょっと心配です。奴林平は萬太郎さん、ワシャワシャ・ドタドタと舞台と花道を走りまわったはりました。
かんじんの「油屋」がほぼ全滅状態で、最初の万次郎と莟玉さんのお岸がじゃらじゃらするところと時蔵さんの万野がねちねちと貢をいじめるところぐらいまでは見た覚えがあるのですが、梅枝さんのお紺や歌昇さんのお鹿が、ほぼ意識を失っていました。歌昇さん、人生初の女形だったそうで、悪戦苦闘しながら挑んでるって聞いていたので見たかったのですが。
次は「奥庭」まで飛びます。7月の松竹座もそうでしたが、女形さんの「伊勢音頭」を踊る場面はカットで、いきなり妖刀「青江下坂」で切って切って切りまくる場面になります。“洗練された歌舞伎の様式美”でございます。梅玉さん、もちろん二枚目なんですが、「やっぱり孝夫さんのほうが上背があるし、カッコいいよなぁ」って思いながら見てしまった失礼な客はワタシです。それまでさんざん寝てて、起きたら「孝夫さん、うふっ」ってどうしようもないヤツですよね。申し訳ございません。
平日に行ったせいもありますが、お客さんは少なめでした。団体が戻らないと難しいんでしょうかね。
ロビーに展示してあった本物の「葵下坂」です。蛍光灯が反射して見づらいのですが。サントリー美術館で刀剣の展覧会をやってて、半券を持っていけば前売り料金で見られたそうです。