奈良国立博物館で開催されている「聖徳太子1400年遠忌記念『聖徳太子と法隆寺』」展を見てきました。行ったのは先々週、「書かなきゃ」と思いながらグズグズしているうちにすっかり“忘却の彼方”です。今日、Eテレの日曜美術館で取り上げられていたので、ま、あの通りなんですけど。
コロナ禍ということで「前売り日時指定制」にはなっていますが、当日でも全然OKでした。ただ、前売りより200円upしてしまいます。平日の雨の日だったので、ガラガラと言っていい状態でした。奈良博にしたら、100年に一度のチャンス、コロナさえなければ押すな押すなの大盛況を期待されていたと思うのですが、お気の毒です。見る方にしたら、ゆっくりじっくり拝見できて何よりなんですけどね。
展覧会の概要です。
かなり前から、この展覧会のことはブログに書いていて「行きたい!」と切望していたわりに、法隆寺のことも聖徳太子のこともほとんど知らなくて、先日買った「和楽」という雑誌に載っていましたが、ほんの数ページで、毎度のことながら結局予習なしで現地にまいりました。あ、黒岩重吾の「斑鳩王の慟哭」という小説を読みました。ちょっと神経衰弱気味の聖徳太子で、読んでるこちらも何だかウツウツとしたことだけ覚えています。
展覧会の構成です。
1章 聖徳太子と仏教興隆
2章 法隆寺の創建
3章 法隆寺東院とその宝物
4章 聖徳太子と仏の姿
5章 法隆寺金堂と五重塔
どっちを向いても国宝や重要文化財、マスクの下で「ほー、スゲー」と呟きながら拝見しておりました。私はてっきり全て「法隆寺蔵」と思っていたのですが、よく見ると「東京国立博物館(法隆寺献納宝物)」がかなりありました。「え、奈良なのに、なぜ」と?マークが飛びまくりましたが、明治の初めの廃仏毀釈運動が起こった時に、法隆寺さんが“身の危険”を感じ、宝物を皇室に献上され、それがそのまま東京にあるそうです。トーハクに行ったときに「なんで『法隆寺館』なるものがあるんやろか?」と不思議には思ったのですが。でも、危険がなくなった時点で、法隆寺に返すとか奈良博で保管するとかっていうお話はなかったんでしょうかね?関西の人間としては、ちょっと腑に落ちないと言いますか…。
どこの所蔵であれ、これだけのものがずっと残っているのはすごいです。今日の日美でも、おっしゃっていましたね。かなりきちんとした目録を作成され、それが代々受け継がれてきたと。お寺なんですが、ある種博物館のような役割も果たしていると。仏像も途中で飽きるかなと最初思ったのですが(←コラッ、罰当たりでスミマセン)、どれもこれも素晴らしく、とても興味深く拝見しました。さすがに仏様は東京へ行くことなく、法隆寺で祀られていて、今回お寺から奈良博へ出張されてました。結構な数があって、「今って、法隆寺に行ったら空っぽなん?」とチラッと思ってしまいました。出品リストはこちらです。
特に「5章 法隆寺金堂と五重塔」のお部屋はとてつもなく素晴らしいものでした。法隆寺の主だった仏様がいらっしゃるのですが、ガラスケースに展示され、四方八方から拝見できるようになっています。背中になる部分も見えます。文化財保護のために照明は落とし気味とはいえ、お寺のお堂のような暗さはないので、細部もはっきり見えます。昨年、見栄を張って買った単眼鏡が役に立ちました。歴史の教科書でおなじみの「玉虫厨子」も、玉虫の羽の部分を見ることができました。まだ、かすかに痕跡がありました。なかなか感動でした。
それにしても、7世紀の飛鳥時代の仏様や宝物がこんなにきれいな状態で今まで残るものなのですね。法隆寺さんが代々目録を作り、メンテナンスも欠かさず行ってこられたんでしょうね。法隆寺さん、ブラボーです。
聖徳太子について何も知らなかったので、岩波ジュニア新書に「聖徳太子」という本があったのでそれを買いました。岩波新書にもありますが、ワタシのレベルだとジュニア新書かなと思いまして…。頑張って読みます。って、行く前に読めよ、なんですが。
この展覧会、奈良博では6月20日(日)まで、その後7月13日(火)から9月5日(日)までトーハクでも開催されます。超です。
《オマケ》
仏像館の吉野の金峯山寺の金剛力士像が「撮影可」になってました。すごい迫力です。「聖徳太子」展で体力を使い果たしたので、仏像館はこの金剛力士像の写真だけ撮って失礼させていただきました。
《オマケ2》
鹿です。
《オマケ3》
ならまちにある「寧楽菓子司中西与三郎」です。「六坊」というお菓子、暗くてわかりづらいのですが、わらび餅と求肥と粒あんです。
コロナ禍ということで「前売り日時指定制」にはなっていますが、当日でも全然OKでした。ただ、前売りより200円upしてしまいます。平日の雨の日だったので、ガラガラと言っていい状態でした。奈良博にしたら、100年に一度のチャンス、コロナさえなければ押すな押すなの大盛況を期待されていたと思うのですが、お気の毒です。見る方にしたら、ゆっくりじっくり拝見できて何よりなんですけどね。
展覧会の概要です。
奈良・斑鳩の地に悠久の歴史を刻む法隆寺は、推古天皇15年(607)、聖徳太子によって創建されたと伝えられます。太子は仏教の真理を深く追求し、また冠位十二階や憲法十七条などの制度を整えることで、後世に続くこの国の文化的な基盤を築き上げました。聖徳太子を敬う人々の心は、その没後に信仰として発展し、今日もなお日本人の間に連綿と受け継がれています。
令和3年(2021)は聖徳太子の1400年遠忌にあたり、これを記念して特別展「聖徳太子と法隆寺」を開催します。本展覧会では法隆寺において護り伝えられてきた寺宝を中心に、太子の肖像や遺品と伝わる宝物、飛鳥時代以来の貴重な文化財を通じて太子その人と太子信仰の世界に迫ります。さらに、明治11年(1878)に法隆寺から皇室へと献納された「法隆寺献納宝物」が、奈良へまとまって里帰りする貴重な機会ともなります。
本展覧会は1400年という遙かなる時をこえて、今を生きる私たちが聖徳太子に心を寄せることでその理想に思いを馳せ、歩むべき未来について考える絶好の機会となることでしょう。
令和3年(2021)は聖徳太子の1400年遠忌にあたり、これを記念して特別展「聖徳太子と法隆寺」を開催します。本展覧会では法隆寺において護り伝えられてきた寺宝を中心に、太子の肖像や遺品と伝わる宝物、飛鳥時代以来の貴重な文化財を通じて太子その人と太子信仰の世界に迫ります。さらに、明治11年(1878)に法隆寺から皇室へと献納された「法隆寺献納宝物」が、奈良へまとまって里帰りする貴重な機会ともなります。
本展覧会は1400年という遙かなる時をこえて、今を生きる私たちが聖徳太子に心を寄せることでその理想に思いを馳せ、歩むべき未来について考える絶好の機会となることでしょう。
かなり前から、この展覧会のことはブログに書いていて「行きたい!」と切望していたわりに、法隆寺のことも聖徳太子のこともほとんど知らなくて、先日買った「和楽」という雑誌に載っていましたが、ほんの数ページで、毎度のことながら結局予習なしで現地にまいりました。あ、黒岩重吾の「斑鳩王の慟哭」という小説を読みました。ちょっと神経衰弱気味の聖徳太子で、読んでるこちらも何だかウツウツとしたことだけ覚えています。
展覧会の構成です。
1章 聖徳太子と仏教興隆
2章 法隆寺の創建
3章 法隆寺東院とその宝物
4章 聖徳太子と仏の姿
5章 法隆寺金堂と五重塔
どっちを向いても国宝や重要文化財、マスクの下で「ほー、スゲー」と呟きながら拝見しておりました。私はてっきり全て「法隆寺蔵」と思っていたのですが、よく見ると「東京国立博物館(法隆寺献納宝物)」がかなりありました。「え、奈良なのに、なぜ」と?マークが飛びまくりましたが、明治の初めの廃仏毀釈運動が起こった時に、法隆寺さんが“身の危険”を感じ、宝物を皇室に献上され、それがそのまま東京にあるそうです。トーハクに行ったときに「なんで『法隆寺館』なるものがあるんやろか?」と不思議には思ったのですが。でも、危険がなくなった時点で、法隆寺に返すとか奈良博で保管するとかっていうお話はなかったんでしょうかね?関西の人間としては、ちょっと腑に落ちないと言いますか…。
どこの所蔵であれ、これだけのものがずっと残っているのはすごいです。今日の日美でも、おっしゃっていましたね。かなりきちんとした目録を作成され、それが代々受け継がれてきたと。お寺なんですが、ある種博物館のような役割も果たしていると。仏像も途中で飽きるかなと最初思ったのですが(←コラッ、罰当たりでスミマセン)、どれもこれも素晴らしく、とても興味深く拝見しました。さすがに仏様は東京へ行くことなく、法隆寺で祀られていて、今回お寺から奈良博へ出張されてました。結構な数があって、「今って、法隆寺に行ったら空っぽなん?」とチラッと思ってしまいました。出品リストはこちらです。
特に「5章 法隆寺金堂と五重塔」のお部屋はとてつもなく素晴らしいものでした。法隆寺の主だった仏様がいらっしゃるのですが、ガラスケースに展示され、四方八方から拝見できるようになっています。背中になる部分も見えます。文化財保護のために照明は落とし気味とはいえ、お寺のお堂のような暗さはないので、細部もはっきり見えます。昨年、見栄を張って買った単眼鏡が役に立ちました。歴史の教科書でおなじみの「玉虫厨子」も、玉虫の羽の部分を見ることができました。まだ、かすかに痕跡がありました。なかなか感動でした。
それにしても、7世紀の飛鳥時代の仏様や宝物がこんなにきれいな状態で今まで残るものなのですね。法隆寺さんが代々目録を作り、メンテナンスも欠かさず行ってこられたんでしょうね。法隆寺さん、ブラボーです。
聖徳太子について何も知らなかったので、岩波ジュニア新書に「聖徳太子」という本があったのでそれを買いました。岩波新書にもありますが、ワタシのレベルだとジュニア新書かなと思いまして…。頑張って読みます。って、行く前に読めよ、なんですが。
この展覧会、奈良博では6月20日(日)まで、その後7月13日(火)から9月5日(日)までトーハクでも開催されます。超です。
《オマケ》
仏像館の吉野の金峯山寺の金剛力士像が「撮影可」になってました。すごい迫力です。「聖徳太子」展で体力を使い果たしたので、仏像館はこの金剛力士像の写真だけ撮って失礼させていただきました。
《オマケ2》
鹿です。
《オマケ3》
ならまちにある「寧楽菓子司中西与三郎」です。「六坊」というお菓子、暗くてわかりづらいのですが、わらび餅と求肥と粒あんです。