おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

桂離宮訪問記2 高島屋「きょうの味どころ」

2007-06-30 23:13:37 | 桂離宮&修学院離宮&仙洞御所
 ぐじ焼きは「なかむら」の名物料理だそうで、ぐじ(甘鯛)に塩をして一晩ねかせてからお酒を振って焼いたものです。身を食べた後、湯(白湯ではなくお出汁)を注いでもらって、お汁としていただきます。常連さんっぽいお客さんが若主人らしき板前さんに向かって「高島屋さんでも、ぐじ出さはって、えらいサービスやね…」とおっしゃっているのを聞いて、「よっしゃー、これでモトは取れた!」と貧乏性のワタクシは思ってしまいました。

 お食事は生姜の炊き込みご飯で、お代わりOKだったんですが、もうお腹がいっぱいで、残念ながら一杯しかいただけませんでした。最初「お献立」を見たときは、「えっ、たったこれだけ?」と思ったんですが、八寸あたりで、かなりお腹いっぱいになっていました。少しに見えて、案外ボリュームがあるものだと思いました。

 デザートはバニラアイスクリーム梅ゼリーかけで、バニラと梅は合うのか?と思いましたが、これがまた思いのほかベストマッチでした。

 これで大体1時間くらいでした。こういう超一流料亭なので、もっとチンタラチンタラ時間がかかると思っていましたが。最初に書いたように、どんどん次のを持ってきてくれるので、そのペースに合わせていたら3、40分ぐらいで終わっていたと思います。後から来られたお客さんのほうが、先に出て行かれました。出て行くには早かったんですが、食べ終わって座っているのも限度があるので、とりあえずお店を出ました。

 レジのところで「きょうの味どころ」の出店予定を貰ってきましたが、美山荘とか、わた亀とか、萬亀楼とか、錚々たる名店、老舗が並んでいます。こういうところをデパ地下のイートインコーナーに出させるなんて、京都高島屋の力なんだろうなあと感心しました。さすがです。大したもんです。 この「きょうの味どころ」です。京都へ行かれることがあれば、ぜひランチの候補にお考えください。ただし、絶対予約は必要です。たぶん、限定20食くらいしかなさそうでした。

 なお、写真はあるんですが、私のはイマドキありえないフィルムのカメラで、こちらに載せることができません。デジタルカメラのデータも貰ったんですが、それをここに貼り付けるのがよくわからないので、桂離宮訪問の写真をご覧になりたい方は、ブックマークしてある「てつパパ」のブログへ行ってもらったら、写真があります。よろしく。

-続く-
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桂離宮訪問記1 高島屋「きょうの味どころ」

2007-06-29 23:03:21 | 桂離宮&修学院離宮&仙洞御所

 6月28日に念願かなって桂離宮に行ってきました。今日から何回かにわけて「桂離宮訪問記」を書いていこうと考えています。(しばらくネタを考えなくていいので、ホッです

 で、桂離宮のことを書くところなんですが、参観の予約の時間が2時半だったので、その前の昼食から始めます。何よりも『食い気』最優先なもんで…。

 京都でごはんというと、大体いつも「洋食系」を食べることが多いんですが、今回は「桂離宮に行くのならやっぱり京料理でしょう
」ということになり(?)、京都高島屋地下のイートインコーナー「きょうの味どころ」に行きました。「京都の超一流料亭の味がお手ごろな値段でいただける」ことで有名で、私もおウワサはかねがね聞いており、行ってみたいと思っていたので、ここにしました。お店は週替わりになっています。今は「一子相伝なかむら」さんでした。

 「お手ごろな値段」とありますが、それでも5250円でした。一瞬、怯みかけましたが、桂離宮訪問は、今年上半期のメーンエベントなので、ここはちょっとがんばりました。「なかむら」さんの本店に行こうとすれば、お昼のコースで15000円なので、それを思えば確かにずいぶん安いものです。

 高島屋地下の惣菜売り場のいちばん奥にありました。お店は、10人がけの木のカウンターテーブルのみで、壁は土壁で、照明も少し落とし気味でなかなか高級感があります。ただ、防音設備がないので、惣菜売り場のにぎやかな売り声がBGMになってしまっていました。それが玉に瑕でしょうか。テーブルの上には一人ずつ黒の塗りの折敷がセットしてあり、ナプキンも紙ではなくきちんと布でした。最近は、ホテルでもランチはケチって紙ナプキンにしているところが多いので、百貨店の中とは言え超一流店は違うと思いました。

 お献立は次のとおりです。
 「七夕の膳」
 一、 七夕寄せ  有田焼トルコブルー
    海老、白芋茎、椎茸、グリーンアスパラ、南京
    胡麻クリーム、柚子
 一、 造り  竹筒
    鱧おとし、蛸、酢橘酢  山葵 胡瓜けん 穂紫蘇
 一、 七夕八寸  染付け角四方皿 笹の葉(小) グリーン猪口
    鱧寿司、蛸子葛寄せ、揚げ茄子煮辛子味噌まぶし (猪口)
    小芋、焼唐辛子、赤芋、じか
 一、 ぐじ焼  桜楽
    ぐじ、湯
 一、 生姜御飯
    真筍山椒煮、胡瓜
 一、 水物  瀬戸黒
    バニラアイス梅ゼリーかけ クコの実

 座るとすぐに食事が始まります。一応、飲み物のメニューも置いてあったので、せっかくの休日のランチだし、ビールでもと思ったんですが、その隙も与えずに、一品目が出てきました。その後も、食べ終わる前から、次のお料理が出てくるような感じで、ちょっと忙しかったです。でも、お料理のほうはさすがに美味しかったです。鱧や蛸、芋茎、グリーンアスパラなど夏の食材を、盛り付けにも葛や柚子を使って、見た目も食感も涼やかに調理されていて「This is 京料理」って感じでした。一口食べるたびに、グルメレポーターのように「美味しい…」を連発してしまいました。

-続く-

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祝 100回

2007-06-27 22:22:56 | その他いろいろ
  昨日の「伊勢物語」が、ちょうど100個目の記事でした。

 読んでくださっている皆様に厚く御礼申し上げます。 

 もう何年もブログや、メールマガジンを書いてらっしゃる方からすれば、「へっ、たった100回?!」って言われそうですが、特に何の目的も計画もなく、文字通り“何となく”始めてしまったので、とりあえず100個も記事を書いた(書けた)ことを素直に喜んでおります。

 これからもご愛顧のほど、お願い申し上げます。
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伊勢物語の世界 第4回

2007-06-26 21:52:44 | その他いろいろ

 「新古今集時代の『伊勢物語』」と題して竹下豊教授がお話されました。竹下先生は、第1回の講座の司会をされていて、そのときに「1回目はこのように大勢の方がいらっしゃるんですが、4回目になると少なくなるんですよね」とおっしゃっていたんですが、本当にそのとおりで受講者の数もずいぶん減っていました。私も、一瞬「整体に行きたいな」と思ったんですが、竹下先生の言葉が忘れられず、がんばって行ってきました。

 竹下先生は和歌文学、中古文学がご専門だそうで、伊勢物語が後世の和歌文学に与えた影響についてお話くださいました。いろいろな和歌集のすべての和歌について調べ、該当する和歌をあげて、この歌のこの部分に伊勢物語の影響が見えるという説明をしてくださいます。調べる方がいらっしゃるんですね…。昔(といっても昭和の時代)はパソコンもないし、おそらくカードに書き出して集計されたんでしょう。根気の要る作業です。

 で、昨日の講義では、特に伊勢物語の第九段の「東下り」に絞ってすすめられました。「東下り」は「かきつばたの文字を読み込んで歌を作った」とか「隅田川で都鳥を見て歌を作った」とか、教科書によく出てくる段です。伊勢物語は古今集成立ほぼ同時期に出来ています。それ以降、新古今集成立までの間どのように影響を与えていったかを見るんですが、年代が下るにつれて、影響を受けた歌の数が増えていきます。さらに、年代が下ると東下りに出てきた地名が『歌枕』になって、それが和歌集の中のテーマの一つにまでなっていきます。

 昨日で、この講座も終了です。久しぶりに「古典」の世界に浸りました。非常に懐かしい世界でしたが、何かちまちましたことをやってるな(自分もやっていたな)というのが正直な感想です。だからって、今何をやっているのかと問われても、何もやってないんですが。

 最後ということでアンケートがあって、自由記入の箇所があったので、私はプレゼンテーションスキルのことを思いっきり書いたんですが、大学側はどうも次回の講座のテーマについてリクエストを書いてほしかったようです。スミマセンって感じでした。

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長崎堂

2007-06-25 22:28:47 | 食べたもの

 心斎橋の周防町(ヨーロッパ通り)にある喫茶店です。心斎橋筋のラ・パレット(昔々に大阪ガスがありました。ってそれを知っている人のほうが少ないでしょうが)のところを、東へ入っていきます。正式な名前は「サロン・ド・テ・ナガサキドウ」だったと思います。松竹座の「桂春団治」の帰りに寄りました。昔々によく行ってました。ここと、舶来雑貨の「フクハラ」、婦人服の「オックスフォード」、洋食の「薔薇の木」などが、その頃のお散歩コースでした。わーっ、書いていて、めっちゃ懐かしくなりました。

 田辺聖子さんの小説にも登場しています。改装(と言っても改装したのは昭和63年で、既に20年くらい経っているですが)する前のお店で、ピンク、ピンクしたフリフリのお店でした。結構、そのピンクが好きで通っていたような記憶があります。今は、もう少しシックな感じになっていますが、そこかしこにアンティークが置かれていて、雰囲気のある喫茶店になっています。ゆったりした気分でお茶できるので、ミナミへ行くと寄ることが多いです。

 店名からも想像できるように「カステラ」のお店です。1階でカステラ(他のお菓子もある)を売っています。喫茶のメニューにも「カステラセット」っていうのがありますが、私はどうしてもケーキなので、ケーキセットを注文しました。ケーキ自体は格別に美味しいものではありませんが、以前に比べると大振りになっていました。以前、と言ってもかなり昔ですが、「すみれ」というケーキがお気に入りでした。それもバタークリームのケーキで、私ってやっぱりバタークリームが好きだったんだなあと改めて思っています。コーヒーも作りおきではなく、1杯ずつたててくれます。

 お客さんは圧倒的に女の人です。若い人も来ますが、私ぐらいのオバチャンのほうが多いような気がします。若かりし頃を懐かしみながら、みんなお茶してるんでしょうね。たぶん…。←思い込みはげしいですか? 

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郵便局を訪ねて1万局 東へ西へ「郵ちゃん」が行く

2007-06-24 22:56:43 | 読んだもの

 佐滝剛弘さんの「郵便局を訪ねて1万局 東へ西へ『郵ちゃん』が行く」を読みました。佐滝さんは、NHKにお勤めの方です。この本は、佐滝さんの趣味である「風景印の収集」、収集にかける悪戦苦闘ぶり、訪問した郵便局のあれこれについて書かれてあります。

 郵便貯金をしながら全国の郵便局をまわっている人がいるということを、以前ネットで見たことがあって、本屋さんでこの本を見たとき、てっきりそれだと思ったんですが、中を見るとそうではなく、「風景印」でした。風景印って何?と思ったのと、「郵ちゃん」っていうタイトルが気になってこの本を買いました。

 「郵ちゃん」は佐滝さんの造語でした。以前から鉄道ファンの別称(蔑称?)として「鉄ちゃん」と言う言葉があって、それにひっかけていらっしゃいます。鉄ちゃんの世界もなかなか奥深いものですが、郵ちゃんの世界もそれに負けず劣らず深遠の世界だそうです。郵便局は、南極の昭和基地にもあるし、富士山の山頂にもあるし、小笠原の父島、母島にもあるし、宮内庁内にもあるそうです。あと、期間限定っていうのもあって、最近だと愛知万博の会場の中にもあったそうです。

 風景印とは、正しくは「風景入り通信日付印」という消印のことで、サイズは通常の消印よりもふたまわり大きい直径36ミリ、インクの色は「とび色」と決まっているそうです。風景入りなので、その土地の名所や名産が描かれています。実際、佐滝さんが集められた風景印が載せられていますが、直径36ミリとはいえ、名物をこれでもかと詰め込んでいたり、形も丸ばかりでなく、夕張メロン(北海道夕張市)とか打出小槌(兵庫県芦屋市)とか変形もありだし、ご本人がおっしゃるように奥深いものです。

 風景印はすべての郵便局にあるわけではないそうです。設置されている局から普通に郵便を出しても押してもらえるものではなく、窓口で申し出ないといけません。押してもらうだけでも、50円以上の切手か葉書でないと押してもらえません。コレクターの人は名刺大の紙に50円切手を貼るか、葉書に押してもらう人が多いそうです。直接窓口に行かなくても、郵便でのやり取りでの押印も可能だそうですが、佐滝さんは現地に行くことにこだわって、とんでもない旅行をされています。その旅行記の部分だけでも、面白い本です。

 訪問した郵便局は写真も撮ってらして、そういう建物についての記述もあって、かなり盛りだくさんの本になっています。郵便局には文化財級の建物があったり、反対にコンクリート打放しのモダンな建物があったり、以前建築雑誌で「郵便局特集」が組まれたこともあったそうです。

 郵便局にもいろいろ種類があるんですね。昨年の郵政選挙で有名になった「特定郵便局」だけでなく、国際郵便の専門局とか、郵政民営化を前に、私もいろいろお勉強できました。やはり、過疎地は、どんどん郵便局がなくなっていっているそうです。それに比べると、都市部は3平方キロ内に22局もあったりするそうで、ただ、需要と供給の関係を思うといたし方ないのかなと、これは都市部に住んでいる者の論理でしょうけど。そういえば、最近「郵便局」がらみの話題ってとんと聞かなくなりましたが、どうなっているんでしょうか。

郵便局を訪ねて1万局―東へ西へ「郵ちゃん」が行く

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桂春団治

2007-06-23 22:35:18 | 観たもの

 本日、松竹座で「桂春団治」を見てきました。春団治はジュリー(沢田研二さん)、妻のおときに藤山直美さんでした。もともとは、松竹新喜劇で上演されていたお芝居で、藤山寛美さんが春団治の役をなさっていたそうです。何年か前に寛美さんの追善興行で上演され、今回は再演です。

 松竹座にはよく行ってますが、このようなバリバリの商業演劇は初めてのような気がします。客層もずいぶん違いますね。私は4200円の三等席で見たので、わりと個人のお客さんが多かったんですが、たぶん、一等席のほうは「団体」さんが多いんでしょうね。休憩が2回あって、1回目は30分、2回目も25分ありました。11時から3時前まで劇場にいたので、コスパは良かった(?)と思います。

 『桂春団治』といえば、都はるみさんの「浪花恋しぐれ」が思い浮かび、藤山直美さんはてっきり「あんた遊びなはれ、酒も飲みなはれ。あんたが日本一の落語家になるためやったら、あてはどんな苦労もたえてみせます」の役かと思っていましたが、そうではなく、ジュリーの浮気に愛想をつかして家を出て行く妻の役でした。でも、別れた後もお金を用意したり、娘を春団治の手術の輸血行かせたり、別れているけど、この台詞を地で行く健気な妻の役でした。

 一言で言えば「よく出来たお芝居」でした。私は、藤山直美さんなので、もうちょっと「抱腹絶倒」のお芝居を想像していましたが、笑わせたり、泣かせたり、ホント「松竹新喜劇」でした。ワキの人も、昔、松竹新喜劇に出てらした方ばかりで、ほんの何十秒かの台詞で、客席全体を泣かせるように持っていくテクニックはさすがだと思いました。本当に、泣かせるツボを心得たはるんでしょうね、一瞬にして客席の雰囲気が変わります。さすがです。

 もちろん、主役の藤山直美さんもジュリーも笑わせるところは笑わせ、泣かせるところは泣かせてくれます。直美さんのコメディエンヌ、役者としての才能は、以前からよく知られているところであり、今回もその才能は如何なく発揮されていましたが、ジュリーが思った以上に喜劇の舞台に馴染んでいました。松竹新喜劇に以前からいるかのように、台詞も所作も、本当に軽妙にこなしていらっしゃいました。昔のジュリー(イマドキ、「ジュリー」なんて言っても誰もわからないそうですが)を知っている年代からすると、かなりビックリです。私なんかは、やっぱり、樹木希林さんがジュリーの写真に向って腰をクネクネさせながら「ジュリーッ~~~」て叫ぶシーンが目に焼きついていて、そういう対象になれる人と思っているので、別にジュリーのファンではなかったけど、ちょっとショックかも…と思ってしまいました。ずいぶん肉付きがよくなって、生え際も後退気味
で、そういう外見のせいもあるかもしれませんが。

 途中で、レツゴー長作さんといま寛大さんが漫才をするシーンがあったんですが、ああいうしゃべくりの正統派の漫才って久しぶりに聞いたような気がします。やっぱり、エエモンやねと思いました。

 それから、私のチェックポイントであるマイクですが、今回は使っていらっしゃらなくて、でも、三階席まで声は十分届いていました。ささやき声でも大丈夫でした。それと、出演者全員が関西の人なので、大阪弁、京都弁も違和感なく聞くことができました。

 ただ、商業演劇って、アンコールがないんですね。それはちょっと残念でした。直美さんとジュリーのツーショット見たかったです。いつもの舞台とはちょっと違う舞台を体験できた一日でした。

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政党が操る選挙報道

2007-06-21 23:10:05 | 読んだもの

 鈴木哲男さんの「政党が操る選挙報道」を読みました。鈴木さんは日本BS放送に勤務されている現役のジャーナリストさんです。

 昨年の郵政解散と言われた総選挙では、自民党の中にコミュニケーション戦略本部がおかれ、そこが徹底した危機管理と情報操作を行った結果、あのような歴史的な大勝利をおさめたそうです。そのキーパソンである世耕弘成氏に対するインタビューをもとに、昨年の総選挙の自民党のコミュニケーション戦略について述べ、さらに、政治とテレビの関係の問題点や本音をあぶり出しています。

 確かに、昨年の総選挙は特に面白かったです。ワクワク、ドキドキしながら、毎日のニュースやワイドショーを見ていました。日本全国「選挙一色」に染まりました。でも、それは全て自民党のコミュニケーション戦略本部が仕組んだものだったんですね。まあ、選挙は、ある程度、どこかがコントロールしているんだろうなという感覚は持っていましたが、この本部のコントロールは徹底しています。毎朝ミーティングを行い、前日のテレビ報道のモニタリング、直接党本部に上ってきたクレーム処理等、ありとあらゆるテレビ対策を行ったそうです。候補者のファッション、発言の一言一句まですべてダメ出しをし、例えば、片山さつきさんにはブランド物を持つな、高ピーな態度を改めろと1時間かけて説得したとか、佐藤ゆかりさんには「岐阜へ嫁いでまいりました」と言わせたとか、投開票日はいくら当選者が増えても党の幹部は笑うなとか、「へーっ、こんなからくりがあったのか」と言う話がいろいろ載っていて、最初は面白かったけど、だんだん空恐ろしくなってきました。「そこまでコントロールするのか・・・」って思いました。

 自民党の世耕さんはNTTの広報にいた方で、これくらいのことは民間の会社では「フツーのこと」だとおっしゃっています。反対にこれまでの自民党があまりに無防備だったことに驚かれています。きちんとした広報のシステムを作ろうと党内で画策されるんですが、長老議員は「経験とカン」を盾になかなか言うことを聞いてくれなかったそうです。まあ、それでも昨年の選挙は世耕さんのやり方を何とか通したんですが、大勝利した途端に長老たちはまたぞろ「経験とカン」を持ち出し、総選挙の後に行われた千葉の補選ではきっちり負けています。武部さんが「最初はグー、サイトウケン」って連呼した選挙です。だからね、言わんこっちゃないって、その部分は笑えました。

 著者の鈴木さんは、テレビ側の方ですが、この選挙はテレビが政治に負けたと正直に書いていらっしゃいます。そして、今後、テレビが政治を報道していく姿勢のあり方、つまり、コミュニティ戦略に正面から向き合って戦っていこうと決意されています。

 もうすぐ、参議院選挙があるので、こういう本が出たんでしょう。本の帯にも「あなたの一票、巧みに操作されている!選挙前の必読書」と書いてありました。必読書かどうかはわかりませんが、とりあえず「選挙の楽しみ」は増えました。今回は民主党もコミュニティ戦略を仕掛けているらしいので、政策の対決もさることながら(って、どっちも“もうひとつ”で、どうよって感じですが)、このPR対決面白そうです。こんなことを書くと「まんまと踊らされている人だ」って言われそうですが、有権者はそんなにバカではないと思うんですが。

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伊勢丹新宿本店の食品フロア

2007-06-20 22:33:51 | 百貨店
 伊勢丹の新宿本店の地下の食品フロアが19年ぶりに全面改装されたそうです。

 百貨店の代表といえば、歴史的、規模的には三越が一番なんでしょうが、伊勢丹新宿本店は私にとって「The King of Departmentstore」で、東京へ行けば、必ず立ち寄るポイントです。お化粧品もお洋服も靴もバッグも「コレッ!」というものは大体あります。私の欲望が際限なく膨らむ百貨店です。

 ただ、これまでの食品フロアについてはあまり印象が残っていませんでした。どこにでもあるデパ地下って感じで、唯一、チョコレートの売り場(ジャン・ポール・エヴァンでしたっけ?)だけが、ガラスで仕切られている中は冷蔵庫みたいにひんやりしていて、「ちょっと違うわ」と思っていました。お菓子売り場も、特に目新しいものもなく、「新幹線に乗る前に、八重洲の大丸で買えばいいわ」と思ってしまう程度のものでした。

 伊勢丹も、それでは他の百貨店と変わり映えがしないと気づいたのか(地下鉄の新しい線も開通するらしいです)、これまでにない食料品売り場を目指したようです。「食のファッションを提供したい」とおっしゃっています。さすが、「ファッションの伊勢丹」です。

 もちろん、私はまだ行っておりませんが、インターネットでの記事を見る限り、すごい変わりようでした。什器や床、照明をすべて統一し、高級感あふれるスタイリッシュなインテリアになっていました。地下一階全部が、例えばヴィトンブティックに統一されたような感じです。それぞれのテナントさんがよく承知したなあと思いました。食料品なので、高級舶来ブティックほどではないにしても、テナントによっては「自分のところの店舗はこのイメージ」というのを持っていらっしゃるところもありますからね。力関係を思わずにはいられません。

 新宿店のみというブランドも40もあるそうです。フランスの有名なキャラメル屋さんが入っているみたいです。キャラメルのブランドって、どういうのなんでしょうか

 あと、デパ地下と言えば、「試食」がお楽しみですが これも有料の“テイスティングコーナー”ができたそうです。

 こんなにオシャレになってしまって、お客さんはどう思っているんでしょうか。変に「お尻がこそばくなる」ことはないんでしょうか。東京に住んでるからって、皆が皆シティボーイ、シティガールではないと思うんですが。あるいは、それだけ「富裕層」が多くいらっしゃるんでしょうか。

 まあ、どちらにしても『一見の価値』はありそうです。
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伊勢物語の世界 第3回

2007-06-19 23:08:41 | その他いろいろ

 大阪府立大学の府民講座「伊勢物語の世界」の第3回目です。今回は西田正宏准教授の講義で、「『伊勢物語』を江戸から読む」というタイトルでお話がありました。

 まず、私が前回クレームを書いたプレゼンテーション・スキルですが、前のお二人よりはずいぶんお上手でした。お声も大きいし、結構メリハリをつけてお話されるので、聞きやすかったです。

 昨日の講義ですが、実は「伊勢物語」は江戸時代の代ベストセラーだったそうです。それまで書き写して人から人へ読み継がれていたものが、江戸時代には“版本”(いわゆる印刷本)が生まれ、大量生産され、読む層もかなり広がったようです。近松よりも西鶴よりも売れていたらしいです。「枕草子」よりも人気があったと、先生からご説明があったんですが、「源氏物語」についての言及がなく、ちょっと、ツッコミたくなりました。会場全体もそんな雰囲気になっていて、先生も一瞬気づかれたような感じですが、あえて触れられませんでした。

 人気がでて多くの人が読むようになると、パロディが誕生したり、さまざまな解釈本が発行されたり、『秘伝』(実は秘伝ではないのだけれど)が流布したりと、いろいろな読み方がされるようになり、読む人それぞれが自分なりに楽しむようになっていきます。一部の教養のある人が、机の前に座って真面目に読んでいたものが、誰でもどこでも好きなように読んで構わなくなっていった、つまり読者が読書を享受するようになったのが江戸時代だそうです。ってことをおっしゃりたかったのではないかと…。

 読者が作品を作品として享受することは、現代の読書に非常によく似ています。本屋さんはどんどん巨大化して、これでもかってくらい本が氾濫していて、それぞれがその中から読みたい本を読んで、その読書環境もさまざまです。何度も書いていますが、私の読書は通勤の電車の中で、机の前で読むことはまずありません。反対に、絶対机の前できちんと座って読まないと気がすまない方もいらっしゃいますし。まあ、いろいろです。

 話変わって、プレゼンについて、ここでブーブー文句をたれた後、偶然なんですが、私の友人(高校時代の同級生、元タカラジェンヌで~す ←以前も書きましたが、ちょっと自慢で~す)がプレゼンテーション講習の講師を務めたということをブログに書いていました。
  http://blog.goo.ne.jp/kokeshi09/e/2e96901ee751b78c2467f6d6912d5827
 彼女のブログを読んでいただいたらわかるんですが、パワポの講習会の一環で、いかに魅力的に、わかりやすくプレゼンテーションをするのかを学ぶものです。こういう講習会もあるんですね。私はこの記事を見て、ぜひ府立大学の先生にお勧めしたいと思いました。

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