中村鷹之資さんと妹さんの渡邊愛子さんによる「第七回翔之會」でございます。7月16日(土)17日(日)の二日間、国立劇場小劇場で開催されました。私は17日に伺いました。ひそかに贔屓にしている鷹之資さん、この会の開催が発表されると、演目ももちろんですが、共演者が非常に豪華、歌舞伎座で演ってほしいくらいの座組みで歌舞伎ファンの間で話題になりました。切符は後援会とか贔屓筋とかでないと取れないのかなぁと思っていたら、チケットWeb松竹でも売り出すとあり、ドキドキしながら発売日の朝10時にチケ松でポチッとしたら、奇跡的にgetでき、行けることになりました。チケ松は文字通り“秒殺”だったようで、ワタシは今年の運をここで使い果たしたような気がします…。
演目は鷹之資さんの「供奴」、愛子さんの「藤娘」、鷹之資さんの「船弁慶」です。「船弁慶」には松緑さん、猿之助さん、門之助ささん、猿弥さんもご出演です。
「供奴」は奴さんなので、お役目的に動きやすい衣装ということで、足は丸出しです。その分、衣装ではごまかすことができず、その人の踊りの技量がそのまま出ると聞いたことがあります。鷹之資さんも太ももが露わになった格好で花道から登場されました。とても立派な太ももでした。「これなら『夏祭』の団七できるなぁ」って全然関係ないことを思ってしまいました。
鷹之資さんの踊りって、キビキビとして、要所要所でビシッと決まります。本当に見ていて気持ちが良い踊りです。かと言って、楷書一辺倒って感じでもなく、奴さんらしい柔らかさというか洒脱さもあって、明るく楽しいお舞台でした。
愛子さんの「藤娘」は藤間勧祖さんの振り付けで、頭は男髷、簪もいつものぽってりとした藤の花ではありませんでした(たぶん、ちょっと記憶が怪しくなっています…)。お衣装もわりとすっきり目で、袂も中振りぐらいだったように思います。舞台装置も屏風に藤の花があしらった形で、“いつもの”藤娘とはずいぶんと印象が違いました。とても新鮮な感じで、「あぁ、こんな藤娘もあるのね」と思いながら拝見しておりました。本当に可愛らしい藤娘でした。そういえば女の子が踊る「藤娘」って初めて見たような気がします。愛子さんは舞踊家を目指していらっしゃるそうで、富十郎さんのDNAをお持ちなので、きっと素晴らしい舞踊家になられることと思います。
「船弁慶」は富十郎さんの当たり役だったそうです。前半では恋しい義経との静御前の別れを、後半では海上に現れた知盛の霊の執着を踊るそうです。静御前は能のお衣装で、片山九郎右衛門さんが着付けをされたそうです。松緑さんが弁慶、ご子息の左近さんが義経でした。左近さんと鷹之資さん、ちゃんとカップルに見えました。左近さんも松緑さんにビシバシしごかれていると聞いたことがあるので、そのご薫陶の賜物なんでしょう。弁慶が静と義経の間に入って、とても良い仕事をされていました。松緑さん、さすがでございます。
猿之助さんは義経のために舟を出す舟長です。「連獅子」の間狂言みたいな感じでした。舟子が門之助さんと猿弥さんです。義経の従者、亀井六郎以下は澤瀉屋さんと音羽屋さんのお弟子さんなんですが、この日は急遽代役で橘三郎さんと青虎さんが入られ、代役が思いがけず豪華でした(これが実はコロナの始まりだったんですけどね)。猿之助さん、存在感はあるけれど、義経や弁慶を喰うことはなく、絶妙な存在感でした。さすがでございます。
知盛の鷹之資さん、お衣装も鬘も結構重いうえに、薙刀もあります。でも、そんなことは全然no problem、軽々と、でも重厚に品よく踊られました。花道を後ろ向きに走るという場面がありましたが、スピードを落とすことなく走ってました。すごい身体能力でございます。
この公演の後の歌舞伎座のコロナのことを思うと、ほんと、ギリギリのタイミングで幕を開けられたんですよね。運も実力のうち、と言いますが、富十郎さんが守られたんでしょうね。ひそかに贔屓の鷹之資さん、このまままっすぐ伸びていかれますようにと祈ります。
演目は鷹之資さんの「供奴」、愛子さんの「藤娘」、鷹之資さんの「船弁慶」です。「船弁慶」には松緑さん、猿之助さん、門之助ささん、猿弥さんもご出演です。
「供奴」は奴さんなので、お役目的に動きやすい衣装ということで、足は丸出しです。その分、衣装ではごまかすことができず、その人の踊りの技量がそのまま出ると聞いたことがあります。鷹之資さんも太ももが露わになった格好で花道から登場されました。とても立派な太ももでした。「これなら『夏祭』の団七できるなぁ」って全然関係ないことを思ってしまいました。
鷹之資さんの踊りって、キビキビとして、要所要所でビシッと決まります。本当に見ていて気持ちが良い踊りです。かと言って、楷書一辺倒って感じでもなく、奴さんらしい柔らかさというか洒脱さもあって、明るく楽しいお舞台でした。
愛子さんの「藤娘」は藤間勧祖さんの振り付けで、頭は男髷、簪もいつものぽってりとした藤の花ではありませんでした(たぶん、ちょっと記憶が怪しくなっています…)。お衣装もわりとすっきり目で、袂も中振りぐらいだったように思います。舞台装置も屏風に藤の花があしらった形で、“いつもの”藤娘とはずいぶんと印象が違いました。とても新鮮な感じで、「あぁ、こんな藤娘もあるのね」と思いながら拝見しておりました。本当に可愛らしい藤娘でした。そういえば女の子が踊る「藤娘」って初めて見たような気がします。愛子さんは舞踊家を目指していらっしゃるそうで、富十郎さんのDNAをお持ちなので、きっと素晴らしい舞踊家になられることと思います。
「船弁慶」は富十郎さんの当たり役だったそうです。前半では恋しい義経との静御前の別れを、後半では海上に現れた知盛の霊の執着を踊るそうです。静御前は能のお衣装で、片山九郎右衛門さんが着付けをされたそうです。松緑さんが弁慶、ご子息の左近さんが義経でした。左近さんと鷹之資さん、ちゃんとカップルに見えました。左近さんも松緑さんにビシバシしごかれていると聞いたことがあるので、そのご薫陶の賜物なんでしょう。弁慶が静と義経の間に入って、とても良い仕事をされていました。松緑さん、さすがでございます。
猿之助さんは義経のために舟を出す舟長です。「連獅子」の間狂言みたいな感じでした。舟子が門之助さんと猿弥さんです。義経の従者、亀井六郎以下は澤瀉屋さんと音羽屋さんのお弟子さんなんですが、この日は急遽代役で橘三郎さんと青虎さんが入られ、代役が思いがけず豪華でした(これが実はコロナの始まりだったんですけどね)。猿之助さん、存在感はあるけれど、義経や弁慶を喰うことはなく、絶妙な存在感でした。さすがでございます。
知盛の鷹之資さん、お衣装も鬘も結構重いうえに、薙刀もあります。でも、そんなことは全然no problem、軽々と、でも重厚に品よく踊られました。花道を後ろ向きに走るという場面がありましたが、スピードを落とすことなく走ってました。すごい身体能力でございます。
この公演の後の歌舞伎座のコロナのことを思うと、ほんと、ギリギリのタイミングで幕を開けられたんですよね。運も実力のうち、と言いますが、富十郎さんが守られたんでしょうね。ひそかに贔屓の鷹之資さん、このまままっすぐ伸びていかれますようにと祈ります。