おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

笑わせて笑わせて桂枝雀

2007-05-31 23:31:10 | 読んだもの

 朝日新聞の記者をされていた上田文世さんがお書きになった桂枝雀さんの伝記です。もともとは朝日新聞に連載されたコラムだったそうで、それに大幅に加筆されて一冊の本になったようです。

 大きな本です(文庫や新書よりは大きいと言う意味ですが)。半年ぐらい前に本屋さんの「芸能」の棚で見つけて、ずっと気になっていました。基本的に電車の中でしか読書をしないので、よほどのことがない限り「文庫」になるまで待つようにしているんですが、この本の出版が淡交社で、どうも文庫になる可能性が薄そうなので思い切って買いました。

 以前にもこのブログに書いていますが、若かりし頃、桂枝雀さんに非常に夢中になった時期があり、独演会、親子会、兄弟会、さらにはテレビの公開録画等々本当によく行きました。6日間連続独演会にも一度行きました。体力も気力もあったんですね。今では考えられませんが。実はサインも持っています。←これ、ちょっと自慢です

 そんなに熱を上げていたのに、なぜか、20代後半からパタッとそれがなくなり、見事なくらい、全く落語に行かなくなってしまいました。で、次は、「枝雀さん、突然の自死」に私の中では飛びます。自死のニュースを聞いたときは本当にビックリし、ショックでした。“わが青春の思い出”ちっくな部分もあったので。

 生い立ちから最期まで、周りの人たちにきちんと丁寧にインタビューされて、まとめられています。枝雀さんの生涯については、断片的に、以前枝雀さんの本で読んだり、落語の中でおっしゃったりしたのを聞いたりしたことがありましたが、これだけ詳しいのは初めてでした。また、奥様とご長男のインタビューもなかなか興味深かったです。ご長男は、小さい頃、枝雀さんの独演会で落語を披露されたことがありました。てっきり、お父様の跡を継がれるのかと思っていたんですが。

 それと、嬉しかったのは、写真が数多く掲載されていることです。舞台の、あの独特な仕草や表情も本当に「ベストショット」が載っています。プライベート写真も結構あって、非常に穏やかな表情で、「何で死なはったんやろう?」と思ってしまいました。

 枝雀さんの落語のテープ(今どきテープってところが、非常にスゴイんですが)があって、今でも聞くことがありますが、何度聞いても笑えます。本当に、不世出の落語家さんだと思います。

 笑わせて笑わせて桂枝雀

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ブルディガラ

2007-05-30 21:16:44 | 食べたもの

 東京から友人が来たので、久しぶりに「レストラン」と呼べる場所へ行ってきました。ハービスプラザの地下にある、ワインショップのエノテカが経営するレストランです。一応「フレンチ」と分類されているようですが、パスタも出てきたので、イタリアンも入っているみたいです。

 メニューはコースとアラカルトがありましたが、面倒なのでコースにしました。でも、これもプリフィックスだったので、結局いろいろ選ばないといけなかったんですが。 前菜は友人がノルウェー産厚切りサーモン、私がホワイト・アスパラガスのスープ、パスタは友人が仔羊挽肉としめじのショートパスタ、私があさり風味のトマトソースのリングイネ、メインは二人ともオマール海老のバート・ブリック包み春野菜のリゾット添えでした。オマール海老と聞いて、結婚披露宴に出てくる「伊勢海老テルミドール」のようなお料理を想像していたんですが、全然違っていて、オマール海老の身をライスペーパーに包んでソテーしたものにサフランのソースがかかっていました。総体的に味は若干濃い目のような気がしましたが、どれもこれも美味しかったです。その濃い目のお味のせいか、パンが進みました。ここのパンは、ブーランジェリーを併設しているだけあって、種類も多く美味しくて、おかわりまでしてバクバク食べてしまいました。

 これに、デザートとコーヒーがつきます。デザートは友人がガトーショコラ、私はメープルアイスクリームがのったクレームブリュレでした。とても幸せな気分になれました。 

 飲み物のほうは、食前酒でシャンパン(本当は「とりあえずビール」にしたかったんですが、何となく言えない雰囲気で…)、あとグラスワインをいただきました。ワイン屋さんが経営しているだけあって、グラスワインでも赤白合わせて40種類くらいあって、「こういうのが飲みたい」と言えば選んでくれます。

 ネットの口コミを見ていたら予約しないと無理とあったので、予約して行きましたが、週の前半だったせいか、結構ガラガラでした。こちらとしては、隣のテーブルが無人だったので、心置きなく話が出来てよかったですが。

 コスパもよかったです。お料理もそれなりにボリュームがあったわりにリーズナブルだし、サービス料やチャージもつかないし、お財布に優しかったです。 

 ハービスのほうに向いてなんて、久しぶりに行きましたが、いつも思うことですが、景色がガラッと変わりますよね。阪神電車や四つ橋線の西梅田駅の、あの「おっちゃん」出没度が非常に高い地域と、横を滝が流れている石造りのシックな色合いの連絡通路と、あまりの唐突さにちょっと「どうなん?」って思ってしまいます。これも阪神電車の「おおらかさ」なんでしょうか。

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善良な読者と邪悪な読者

2007-05-28 23:05:07 | その他いろいろ

 「善良な読者、邪悪な読者」とは、斎藤美奈子さんの「趣味は読書。」に載っていた言葉です。「趣味は読書です」と言い切る人はあまたおりますが(ただし、日本全体からすれば少数派ですが)、その中で斎藤さんがカテゴライズされています。
 
 「善良な読者」とは、本を読むことは無条件に良いことだと信じていて、面白い本、感動できる本を読みたいと思っているそうです。だから、新刊の平積みコーナーは大切な本探しの場だし、「あの本は売れている」という情報は重要な本選びの手がかりになるそうです。“善良”と名づけているだけあって、感動しろと言われれば感動し、泣けと言われれば泣き、読者カードには「感動しました」「泣きました」と書いてくるような人たち…。ベストセラー本というのは、こういう素直な人たちがいるからベストセラーになるわけです。

 で、こういう人たちを見て、「けっ」と思うのが「邪悪な読者」です。私は、やっぱり、こちら側でしょうね。昨日も書いたように、ベストセラーには背を向けているし、「売れています」と言われれば言われるほど「絶対買うものかッ」って思います。自分で読む本ぐらい自分で探せるし、それを探すのが無上の楽しみだと思っているので、他人様から読む本を薦められるなんてとんでもないことです。

 本屋さんに行くと、自分が読みたい本は向こうから「私を読みたいんでしょう」ってささやきかけてくれます。ビビッときます。「どうも、私の趣味とは合わない、ジャンルが違う」と思っても、そういう本はするすると読めてしまいます。不思議な感じです。反対に、他に買う本がなく、「まあ、これなら読めるだろう」といつも自分が買う本と同類の本がなかなか読めないこともあります。読めるはずなのに読めない本が積み上がっていくのは、その著者に負けたような気分になって悔しいです。一度、本を買うのをやめて、その積み上がっている本を片付けたいと思うんですが、無理っぽいですね。「邪悪な読者」なんですが、読んであげられない本には罪がないので、何か罪悪感を感じます。と、ちょっと善良ぶっておきます。

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趣味は読書。

2007-05-27 22:13:13 | 読んだもの

 斎藤美奈子さんの「趣味は読書。」を読みました。文庫の帯には「あなたの代わりに読みましょう!」とあって、『大河の一滴』『老いてこそ人生』『鉄道員』『蜜の味』『海辺のカフカ』『五体不満足』等々ベストセラーとなった本を読んで、書かれた書評です。平凡社の雑誌「月刊百科」に1999年7月から2002年10月まで3年あまり連載されたものをまとめたものです。文庫化にあたって、『国家の品格』や『東京タワー』など最近のベストセラーもおまけでついています。

 お腹いっぱいになる本です。書評と言っても「代わりに読む」のが目的なので、ネタバレも多く、掲載された49冊全部読んだ気分になります。1冊で49冊分って、ずいぶんお得?な本です。
49冊中私が読んでいたのは4冊でした。そのうち純粋に読みたいから買ったのは、大野晋さんの「日本語練習帳」、宮部みゆきさんの「模倣犯」の2冊で、辰巳渚さんの「捨てる技術」、松永真理さんの「iモード事件」は、仕事がらみでした。

 「なぜ売れるのか」を上手く分析されています。というより、ちょっとおちょくっていて面白かったです。「読書の王道は現代の古老が語る『ありがたい人生訓』である」とか、「究極の癒やし本は『さびしいお父さん』に効く物語だった」とか、「ものすごく売れる本はゆるい、明るい、衛生無害」とか、相変わらずモノゴトの本質をズバッと言い切っていて、こちらも小気味よかったです。
 
 
いわゆる「本読み」はベストセラーに背を向ける人が多いといわれているそうですが、私もご多分にもれずそのクチだったので、ベストセラーになっているのに内容を知らない本が多く、これでやっとあらすじや読むべきポイントがわかり、やっと世間に追いつきました!?。でも、本読みと言っても、日本が100人の村だったら、40人は全く本を読まず、20人は読んで月に1冊以下。しかもここには図書館で借りて読む人や1冊の本を回し読みする人も含まれているので、「毎月1冊以上本を買う人」「定期的に書店に行く人」「新刊書に関心のある人」などとなると、100人のうちせいぜい4~5人ということになるらしいと、本の中で斎藤さんが書いていらっしゃいます。紀伊国屋にしても旭屋にしても、何時行っても結構混みあっているけれど、そんなもんなんですね。

趣味は読書。

 

 

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デリチュースのロールケーキ

2007-05-26 22:37:57 | 食べたもの
 デリチュースのロールケーキを食べました。本店は箕面にあるそうですが、3月にJR大阪駅構内にできたデザートテラスにお店ができたので、そこで買って来ました。

 もともとは店名と同じ「デリチュース」というチーズケーキが看板ケーキなんですが、私がチーズが苦手なもんで、ロールケーキのほうにしました。パンフレットによると、三重県の
山中で平飼いした鳥の卵で作った、素材にこだわったロールケーキだそうです。

 見た目は、結構生クリームたっぷりですが、さっぱりしているのでそれほどしつこさは感じません。生地のほうは、ふんわりしていて口当たりはいいですが、そんなに甘くありませんでした。上にたっぷりと粉砂糖がかかっているので、その味で甘さを補っているように思いました。確かに美味しいロールケーキですが、全体にあっさり、さっぱりしているので、やっぱりケーキは甘くないと・・・と思っている私にはちょっと物足りなかったです。以前から評判を聞いていて、非常に期待して食べたので、よけいそう感じたんだと思います。

 デザートテラスには、デリチュース以外に、6軒のケーキ屋さんが入っています。JR西日本のホームページのニュースの紹介文です。
○「フルローネ」
花をモチーフにした「シェコパン」の新業態として「エキュート大宮」に次いで関西初出店
○「ジェラール・ミュロ」
フランスのパティシエ「ジェラール・ミュロ」の宝石のようなケーキやマカロンが人気のお店
○「芦屋タカトラ」
芦屋生まれでひとつ上の大人の洗練されたシュークリームとプリンの専門店
○「モンプリュ ペイザンヌ」
神戸「パティスリー モンプリュ」の姉妹店として大阪デビュー
○「観音屋」
TVや女性誌で人気の神戸名物デンマークチーズケーキで有名なお店が大阪地区に初出店
○「エスタシオンスイーツ」(FSN直営店)
有名店からセレクトしたチョコレートやプリンなどの商品を提供するお店

 とりあえず「デリチュース」と思って行ったので、他のお店は見ていません。駅ナカにあるわりに、わかりにくい場所のせいか、土曜の夕方でもそんなに混んでいませんでした。結構鳴り物入りでオープンして、テレビや雑誌でもしょっちゅう取り上げられているんですが。梅田のデパ地下のほうが、もっと混み混みです。お商売の「コツ」というか、何かあるんでしょうね。半年後、1年後どうなっているかなあって思いました。
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イオリン(藤原伊織さん)

2007-05-24 23:16:43 | 訃報

 少し古い話題になってしまいますが、作家の藤原伊織さんが亡くなられました。確か2年ぐらい前に自分が食道ガンだと発表なさって、放射線治療などを受けながら執筆活動を続けられていたと聞いていました。50歳代といえば、「ガンの世界」では若いですからね、進行も早かったんでしょうね。訃報を見たとき、「あぁ、やっぱり、早かったなあ。」と思ってしまいました。

 イオリンというのは、同じ推理作家の黒川博行さんがこう呼んでいらっしゃるようです(イオリンの文庫の解説に書いていらっしゃいました)。私もそれに倣ってこう呼んでいます。イオリンは、私にとって「間違いのない作家」の一人でした。最初に読んだのは「テロリストのパラソル」です。乱歩賞と直木賞をダブル受賞した史上唯一の作品です。私が読書の師匠と仰いでいる人に、「賞を取っているのは、それだけの理由があるから、ナントカ賞受賞の作品は間違いないから」と以前言われことがあります。最近は、それもちょっと怪しそう・・・と思うことがありますが。その教えに従って、ハードボイルドは苦手だったんですが、買ってみました。結構分厚い本でしたが、面白くて夢中になって、あっという間に読むことができました。

 それ以来、イオリンのファンになり、文庫になった小説はほぼ全部読んでいると思います。「全部」と言っても、イオリンは
電通の社員と二足のわらじの作家活動だったので、非常に寡作でした。たぶん、2、3年に1冊ぐらいのペースだったんではないでしょうか。

 文章がとても良いですよね。無駄な言葉が一切なく、推敲に推敲を重ねられたんだろうなと思ってしまう文章です。ストーリーもうまく収束していって、ジグソーパズルの最後の1ピースがピタッとはまるよな感じです。
それと、登場人物が非常にチャーミングです。ちょっと、ワンパターン気味な感じもなきにしもあらずですが、ちょっとくずれた、ストイックな生き方をしていて、優しい、しかも仕事が出来るって、憧れてしまいます。何となく、私は俳優の佐藤浩一のイメージで勝手に読んでいるんですが。

 昨年、文庫「シリウスの道」が出て久しぶりにイオリンを読みましたが、その中に「テロリストのパラソル」の登場人物が一人出ていて、これから、この人物をキーパーソンにしてシリーズ物ができたらいいなぁと思ったんですが、それも叶いませんでした。今年初めに出たハードカバーの「ダナエ」という小説が最後の作品になったようです。

 もっともっと書いて欲しかったです。まだまだいろいろな「引き出し」をお持ちだったように思います。残念です。謹んでご冥福をお祈りいたします。

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叶匠壽庵のたんばあずきぜんざい

2007-05-23 19:59:34 | 食べたもの
 叶匠壽庵でたまったお買い物ポイントと引き換えにいただいたものです。

 わが家では父が甘い物好きで(その血を色濃く受け継いでいるワタクシですが)、しょっちゅうおぜんざいを家で作っていました。月に一度くらいの割合で食べていたような気がします。だから、私の中ではおぜんざいは家で食べる物で、外で食べる物ではないという位置づけになっています。わが家のおぜんざいは小豆もお砂糖もたっぷり使うので、ちょっとゆるめの餡子のようで、お店でいただくさらさらとして上品なおぜんざいでは物足りなく感じてしまうのです。

 で、いただいたおぜんざいですが、紙でできた茶筒のようなパッケージの中に缶詰と真空パックのお餅が入っていました。それらを器にあけて、電子レンジでチンすれば出来上がりです。「たんばあずき」とわざわざ銘打ってあるだけあって、非常に立派な小豆が使われていました。「金時豆?」と思うくらい大きな粒でした。さすがにしっかりと小豆の味・香りがする、美味しいおぜんざいでした。

 叶匠壽庵では、夏場は冷やして食べる「白玉ぜんざい」にチェンジされるようです。でも、1個五百円也なので、買ってまでは食べないと思います。やっぱり、わが家ではおぜんざいは「家で作るもの」なので。

 
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結婚の条件

2007-05-22 23:16:30 | 読んだもの

 小倉千加子さんの「結婚の条件」を読みました。

 小倉さんって、心理学の先生だそうです。フェミ系の本ばかり書いていらっしゃるので、てっきり社会学の先生かと思っていました。小倉さんの本はタイトルが「松田聖子論」とか「アイドル解体新書」とかユニークなので、わりとよく読みました。私、
結構フェミ系の本が好きなもんで…。

  真面目な本ですが、結構笑えます。 小倉さん、大阪の人だからなのかサービス精神を発揮して、ところどころにギャグ(本当は非常に核心を突いたお言葉なんですが)を交え、読み手を飽きさせないよう書いていらしゃいます。例えば、この言葉は私がこの本を読む前からあちこちで引用されていたんですが、「結婚とは『カネ』と『カオ』の交換」というコピー。女性は男性に経済力を求め、男性は「美人」を求めるという、みんな心の中では思ってたけど、決して口には出さなかったことをズバッと言い切っていらっしゃいます。あと、「男性が女性に求める4K(可愛い、賢い、家庭的、軽い(体重が))」とか、「人は 適当な洗濯機は選べるのに、適当な結婚相手は選べない」とか、ナルホドと思える言葉が次々と出てきます。

 でも、面白いだけではありません。大学の先生だったので、学生にアンケートしたり、話をしたりして、若い男女の結婚観、仕事と結婚、家族観、晩婚化の原因など、非常に具体的でわかりやすく、それに対する小倉さんの分析もスルドイものがあります。また、政府の少子化対策もボロクソにけなしています。保育所待機児ゼロ作戦というような政策が進められているけれど、少子化の最大の原因は子供を産める女性が結婚しないからです。←これ、私の周りでも実感できます。保育所が出来たからって誰が結婚するんでしょうか。誰が考えてもわかりそうなことですが。

 「そうそう、そうよね」と思いながら、サクサク読める本でした。それから、トリビア(?)もありました・・・。政府は50歳の未婚者を「生涯未婚者」と命名しているそうです。国は50歳を過ぎると、色恋沙汰はないと決めてかかっているようです。小倉さんもそのクチなので、「国民を代表して、ここは渡辺淳一先生にでも怒ってもらいたいものである」と書いていらっしゃいます。本当に、その通りだと思います。

  

結婚の条件

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初夏の和菓子 -鮎と水無月-

2007-05-21 22:09:16 | 食べたもの

 和菓子屋さんで「鮎」「水無月」を見かけるようになりました。本来は6月のお菓子のようですが、最近は5月になると並ぶようです。

 鮎はどら焼きの皮を薄くしたような、少し甘みのある生地で求肥を包んだお菓子です。鮎の形に似せて目や尾ひれを焼印で押してあるので、「鮎」と呼ばれるようです。求肥が好物なので、この季節になると嬉しくなります。全く同じお菓子で、形状だけが違う「調布」は年中販売されているので、別にこの季節にこだわらなくてもいいんですが、店先で“鮎あります”というポップを見ると、「あー、もう夏やねぇ」と思い、ついつい買ってしまいます。

 水無月は白い外郎生地に小豆をのせたもので、三角形に切られています。三角形が特徴ですが、これは暑気を払う氷をかたどったものです。外郎が氷で、上の小豆は「魔よけ」の意味があるそうです。ネットで調べたところ、そもそも旧暦6月1日は「氷の節句」または「氷の朔日」といわれていました。室町時代には、幕府や宮中での年中行事のひとつとして、この日に「氷室」の氷を取り寄せ、氷を口にして暑気を払いました。当時は氷室の氷を口にすると夏痩せしないと信じられていたそうですが、庶民にとっては口にすることはおろか、見ることもまずできませんでした。そこで誕生したのが、この「水無月」というお菓子だそうです。

 この前、伊勢丹の仙太郎で両方置いてあったので、思わずどちらも買ってしまいました。爽やかな初夏の風を感じることができました。

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一芸一談

2007-05-20 16:05:23 | 読んだもの

 桂米朝さんの「一芸一談」を読みました。先日、米朝さんの「私の履歴書」を読んだので、何となくその続きで読んでしまいました。

 平成元年4月から2年10月まで朝日放送ラジオの対談番組『ここだけの話』の中から12名の方を選んで活字になったものです。もともとは平成3年に淡交社から出たもので、今年4月に新たにちくま文庫から刊行されました。登場人物は、藤山寛美、京山幸枝若、片岡仁左衛門、松鶴家千代若・千代菊、吉田玉五郎、旭堂南陵、岡本文弥、河原崎国太郎、辻久子、安田里美、林正之助の12名です。このうちご存命なのは辻久子さんと聞き手の米朝さんのお二人だけです。

 私は変に年寄りくさいところがあり(外見は違います。たぶん・・・)、年上の人とお話していても「同じくらいの年かと思った」と言われることがよくあります。干支がちょうど一回り上の人に「同じ干支ですね」と言ったら、「じゃあ、同い年ですか」と言われたこともあります。蹴飛ばしてやろうかと思いましたが。 そんな私ですが、この中でわかるのは、藤山寛美さん、仁左衛門さん、辻久子さん、林正之助さんの4人だけです。あとの方は全く存じ上げませんでした。私もまだまだ修行が足りないと思いました。

 それぞれ各界の最長老という方ばかりで、「へーっ」とか「ほーっ」とかいう話ばかりでしたが、中には「そんなことまでお話されていいんですか」という内容もありました。その中でも、いちばん衝撃的だったのは、安田里美さんで肩書きは「人間ポンプ」でした。見世物小屋でいつも演ってらっしゃるそうで、碁石や金魚、カミソリなどを飲み込んでは吐き出すそうです。ガソリンを飲んで火を噴くこともあるそうです。少しタネのようなものがあるそうですが、基本は自分の身体です。本当に、淡々と普通にしゃべっていらっしゃるんですが、「凄み」のようなものを感じました。芸能と言っても、歌舞伎、文楽から見世物小屋までいろいろあるなあを思いました。

 この対談は全部で55名の方と対談されたそうです。だから、あと43名分がまだ活字になっていません。あとがきで、貴重な資料だからぜひ本にしてほしいとご本人も書いていらっしゃいますが、本当に本になってくれたら面白いだろうなと思います。 ヨロシク>筑摩書房の方

一芸一談

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