おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

新春浅草歌舞伎

2016-01-31 23:25:03 | 観たもの
 浅草公会堂で開催された「新春浅草歌舞伎」です。2年ぶりに伺いました。昨年出演者の大幅な若返りが図られ、座頭格の松也さん以外は皆さん平成生まれ、花形の花形って感じです。昨年は1月に遠征しなかったので見ておりませんが、3月に京都南座で「浅草歌舞伎」の引越し公演のような公演があったので、そちらは拝見しました。

 いつもなら3階の3000円の席で見るんですが、こちらは一等でも9000円と歌舞伎座の半額、何だかとってもお得なような気がして、つい1部2部とも一等席をポチッとしてしまいました。1階の前のほうで見たいと思う役者さんもいなかったので、全体が見られる2階の最前列を取りましたが、とても残念な席でした。

 
 すぐ前に照明があるんです。これは2部の時のお席からですが、1部の時は照明の間から舞台を見るような感じで、よろしくございません。3階も最前列はダメだそうです。3階を取るなら2列目以降だそうです。←松竹座もそうなんですけどね。

 演目は以下のとおり

 第1部
 お年玉〈年始ご挨拶〉
 三人吉三巴白浪 大川端庚申塚の場
 土佐絵
 与話情浮名横櫛 源氏店の場

 第2部
 お年玉〈年始ご挨拶〉
 歌舞伎十八番の内 毛抜
 義経千本桜 川連法眼館の場

 古典歌舞伎が並びます。お年玉ご挨拶は第1部がマシュマロ米吉クン、第2部が国生クンでした。

 前日に歌舞伎座を見たせいか、どれを見ても薄いというか、硬いというか、決まらないというかまだまだ感いっぱいでした。昨年3月の南座の時はそんなに思わなかったんですが、やっぱり見比べてしまったからでしょうか。

 「切られ与三」は松也さんが与三郎、マシュマロ米吉クンがお富さん、蝙蝠安は國矢さんでした。松也さんが「義経千本桜」でも狐忠信をお勤めで、彼のお家からすればありえない配役だそうです(長谷部浩さんのブログ)。長谷部さんはさすがにこんな下世話なことは書いていらっしゃいませんが、AKBのあっちゃんのおかげですよね。あっちゃんと付き合って名前が売れたので、こういうお役も回ってくるようになったんでしょうね。与三郎はそんなに何も思いませんでしたが、狐忠信はいけません。亀ちゃんや勘九郎さんで見ているので、それと比べると身体能力が…。音羽屋さんの型なので、亀ちゃんのように早変わりとか宙乗りとかはないパターンですが、それでも狐なんですからもうちょっと軽やかにしなやかに動いていただきたいですね。勘九郎さんは音羽屋型ですが、もっと跳ねてたイメージがあります。

 マシュマロ米吉クンのお富さんは結構サマになっていました。番頭藤八とのやりとりも面白かったです。

 「毛抜」は巳之助さん、がんばったはりました。まだまだ“いっぱいいっぱい”って感じで、見ているこちらにも伝わってきます。もう少し余裕が出れば、持ち役になるのではないでしょうか。台詞はエビサンよりも聞きやすいって思いました。「毛抜」の橋吾さん、「切られ与三」の國矢さんと御曹司ではない名題さんがご活躍で、松竹座も千壽さん、松十郎さんがいらっしゃって、松竹座も浅草歌舞伎も少ない人数でまわしていかないといけないので、そういった人たちが出番も台詞も多いとちょっと嬉しくなります。それにしてもなぜ歌舞伎座だけああも人が多いんでしょうか。

 ご出演の超花形の皆様におかれましては、これからもがんばって修業をお続けいただきたいと思います。将来この中の誰かが超大物になったら「この人の初役見たわ」と自慢します。

 
 お弁当は歌舞伎座のお弁当です(出張販売してた)

 
 おやつは舟和の草餅とさつまいも餡の大福です。

 
 出演者の羽子板

 
 
 チャリティの羽子板です。オークションになっています。

 
 公会堂前

 
 オレンジ通りです。ライトアップされていました。 
 
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壽初春大歌舞伎@歌舞伎座

2016-01-29 23:20:45 | 観たもの
 先日も書きましたが、歌舞伎座の昼の部の開演時間が11時にもかかわらず、東京駅に着いたのが10時56分、最初から一幕目はパスする予定にしておりましたが、さらに、銀座三越の7階の催し場でやってた「銀座でパンとコーヒー」を見て、3階の靴売り場で靴を買っていたら二幕目もパスしてしまい、昼の部は「石切梶原」と「茨木」だけとなりました。夜の部もホテルにチェックインしてくつろいでいたら、一幕目を見逃してしまいました。失礼極まりない客です。

 で、その歌舞伎ですが、浅草歌舞伎でお隣になったご婦人が、古くからの歌舞伎ファンでいらっしゃって、毎月各地へ遠征、お仲間と歌舞伎サークル?のようなものも作って情報交換なさっているそうなんですが、幕間に少しお話していたら、その方によれば、1月は国立が断トツ良かったそうです。大阪の松竹座も健闘、お仲間内でも評判がいいそうです。歌舞伎座は、松竹株式会社のやり方が「けしからん」と憤慨されていました。「玉三郎さんさえ出しておけばお客が来ると思って、それ以外は手抜きしてる」って。まさしく、ワタシがそのつられてやって来たお客です。そう言われれば、玉ちゃんは昼夜1本ずつご出演ですが、他の大幹部さんは昼夜どちらかで1本っていうふうになっていました。やっぱり東京ですよね。それだけ役者さんも多いってことですから。

 「石切梶原」ですが、本当によくかかります。私はまだ3回目なので、まだ楽しめています。これがあとまた何回か続くとどうなるかわかりませんが。舞台がまず華やかで、話が深刻じゃないし(っていうか荒唐無稽です)、Happyendで終わるので、楽しく見ております。今回の梶原平三:吉右衛門、六郎太夫:歌六、梢:芝雀という組み合わせは杮落し公演でも拝見しています。芝雀さんは今月が「芝雀」としては最後の公演となります。「雀右衛門」を目指して現在ダイエット中だそうで、そう言われればすっきりとされてきたような気がします。そういう役柄が来るからかもしれませんが、芝雀さんの女形って“女子力”高いですよね。この梢でも最後の引っ込みのところでお父さんの身支度の手伝いをしていますが、本当に甲斐甲斐しく動いていらっしゃって、「そんなこと私にはできません」って訳のわからん感想を呟いてしまいました。

 「茨木」は桔梗さんのお座敷で初日からすごい盛り上がりで、それを読んでいるだけでワタシが行く頃にはすっかり見た気分?、皆さんがおっしゃっていたことを思い出しては「ここがアレですね。」「そこがコレですね」といちいち確認しながらの観劇となりました。先日も書きましたがもともと玉ちゃんの「鬼」が苦手なもので…。せっかくの綺麗なお顔をなぜ隠すのかと…。玉ちゃん、いわゆる小顔なので、隈取がギュッとなっています。鬼の顔を見ると、アニメの「日本昔ばなし」のタイトルバックに出ていた龍を思い出すんですけど。スミマセン。

 玉ちゃんのシャープで美しい所作、研ぎ澄まされたオーラ、まったく隙のない舞台上の空間(若手の舞踊は歌舞伎座の舞台がだだっ広く見えてしまうから)はさすがでございます。引っ込みが六方だったのが新鮮でした。

 夜の部は幸四郎さんの「二条城の清正」からです。上記の浅草のご婦人、幸四郎さんがお嫌いだそうで、この「二条城の清正」についても「自分の孫を出すために選んで、しょーもない」とおっしゃっていました。私もそれは感じました。まあ、金太郎ちゃんが将来大物になったとき、彼の子役ぢゃない初めてのお芝居を見たなぁと思い出すこともあるかもしれません。

 そして「吉田屋」でございます。玉ちゃん、がんじろはんの襲名公演にお付き合いなさらなかったのでそれの“穴埋め”っていう意味合いもあったような感じです。がんじろはん、悪くないんですよ。成駒家さんらしい二枚目だし、上方の柔らかい風情もずいぶんと身につき、紙衣を着ていても大店の若旦那らしい品もあるし、とてもいい伊左衛門だと思います。でもね、やっぱり、玉ちゃんとは「水と油」のような気がしました。これは孝玉コンビファンの「なぜ孝玉コンビじゃないのか」っていうひがみ?やっかみ?嫉妬?、何か複雑な思いがあるからだと思います。冷静に見れば、うーーーん、冷静に見ても“無理”でした。ツイッターで「ベルばらのマリー・アントワネットとルイ16世みたい」と例えている方がいらっしゃいましたが、うまいこと言うたはります(ベルばら人物事典)。舞台上ではあえて二人で並ばないように、身長差(っていうか体型差ですね)がわからないように工夫されていたようですが、ラストの舞台写真が残ってしまいました。申し訳ないけれど、ちょっと“ぷっ”とふきます。おそらく、玉ちゃんとがんじろはんの共演はこれが最初で最後になりそうな気がするので、貴重な舞台を見たということで…。

 最後は「直侍」です。これ一回見たかったんです。というのも、主役の名前が「片岡直次郎」っていうんですが、ひょっとしたら孝夫さんがそれを芸名にしてたかもしれなかったんです。戸板康二さんの「歌舞伎ちょっといい話」で読んだのですが、「孝夫」というのはご本名で、いつまでも本名でっていうわけにもいかないから何か名前をという話になったのですが、松嶋屋さんに継げる名前がなく、姓が同じ片岡だから「片岡直次郎」にしたらという提案があったそうです。結局却下になってご本名のまま仁左衛門をお継ぎになったんですが。全然お芝居の内容と関係なくて申し訳ありません。

 染五郎さん、すっきりと格好よかったです。芝雀さん、こちらでも女子力の高さを発揮していらっしゃいました。東蔵さんの立役っていうのも珍しかったです。立役なんですが、声は女形の時と同じでした。

 歌舞伎座は次は3月を予定しています。赤姫の格好でお供をぞろぞろ引き連れて豆腐一丁を買いに行く時姫、楽しみにしています。

 
 大間は私が行った22日でもお正月の飾りつけでした。

 
 2階のパニーニ

 
 塩瀬の豆大福
 これをホテルでまったりといただいていたら夜の部に遅刻しました。

 
 毎度おなじみめで鯛焼き
 夜の部は空いていたようで、余裕で買えました。

 
 新商品の甘酒
 甘酒は美味しかったけれど、ホットコーヒー用の紙コップの使いまわしで風情も何もなく、これで400円もするんです。二度と買わないと思います。おしるこもこの紙コップを使っていました。
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築地青空三代目

2016-01-27 23:27:04 | Tokyo
 歌舞伎座の夜の部のキリは「直侍」でした。「直侍」は舞台上で本物のお蕎麦を食べるという珍しい演出となっています。例によって終演後は銀座三越へ行ったワタクシ、すぐに影響を受けてしまう性質なもので、何の迷いもなくお蕎麦屋さんへ入ろうとしたら、その日はもう閉店しましたと言われました。軽くショックでしたが、仕方ないので、そのお向かいのお寿司屋さんへ入りました。

 
 まずビール

 
 鰤のおつくり

 
 日本酒は奈良の「春鹿」にしました。超辛口で美味しいお酒です。

 
 磯辺焼き。平貝?とにかく大きな貝でした。

 
 鰆の炙り
 おつくりで鰆も頼んだんですが、写真を撮り忘れました。その炙りの鰆がめちゃくちゃ美味しかったので、握りでもいただきました。

 
 穴子

 
 鮪のヅケ

 
 しめ鯖

 
 鉄火巻き

 百貨店の中なので“時価”などというものもなく(あったとしても頼まないけれど)、安心して食べられます。普通に美味しいお寿司屋さんです。外人さん、多かったです。私がちょうど食べ終わる頃に外人さんの女子会がやってきて、お店の中が一気に賑やかになりました。板前さんも慣れたもので、片言の英語や中国語を駆使しながら注文を聞いていらっしゃいました。海鮮丼を食べながら握りも頼むという、なかなかの取り合わせですが、まあでも、私たちだって、海外に行って現地のレストランでオーダーするときって、ひょっとしたら「エッ?」っていうようなものをオーダーしているのかもしれませんしね。お若いお嬢さんばかり8名の女子会で、本当に美味しそうに召し上がっていらっしゃって、日本を満喫していただけたら、まったくの赤の他人のワタシですが、嬉しく思います。
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浅草

2016-01-25 23:57:08 | Tokyo
 ここ2年ほどの間で格段に東京へ行く機会が増えましたが、ほとんどの時間を歌舞伎見物に充てているので、以前に比べ“自由時間”(っていうのも変ですが)は格段に減りました。もっぱら、銀座界隈、それも銀座三越と歌舞伎座の間の晴海通りを行ったり来たりして過ごしております。

 今回は2年ぶりに浅草歌舞伎に行ったので、ちょこっと“観光”っぽいことをしてきました。と言っても第1部と第2部の間の1時間しかなく、とりあえず証拠写真を撮ってきた、感じです。

 
 
 昼夜の雷門

 
 
 
 スカイツリーが写っているのがわかりますか。

 
 27日に雀右衛門襲名のお練りがあるそうです。

 
 
 
 人形焼の木村家本店です。木村家は仲見世に2軒あるそうですが、浅草寺寄りのほうが美味しいと聞き、そちらで買いました。二枚目の写真は食べ歩き用で熱々焼きたてをいただけます(4個入りなんですが、写真を撮る前に1個食べてしまいました)。浅草公会堂のおやつにしました。焼きたてって初めてでしたが、美味しかったです。

 
 
 芋ようかんの「舟和」です。パティスリーという店舗もあって、ソフトクリームを売ってました。

 
 
 お店では5本入りからなんですが、劇場では幕間用に3本入りっていうのが売ってたのでそっちを買ってきました。芋ようかん、初めていただきました。サツマイモそのものって感じだけど、サツマイモを食べているのとはちょっと違っていて、新鮮な食感、お味でした。

 
 
 
 まるこさんに教えていただいた「助六」という豆玩具のお店です。豆玩具と聞いて、なぜか豆菓子の店と思い込んでいて、お店の前まで行って「食べるもんじゃない…」って思った食い意地の張ったワタクシです。せっかくなので干支のねずみを買ってきました。赤いミニ座布団のようなところの上に飾ったらもう少し映えると思うんですが。

 
 浅草公会堂のお向かいの屋根の上の「鼠小僧」。勘三郎さんに似せてあるそうです。

 
 浅草公会堂前の手形の中に簔助さんの手形を発見!ちょっとテンション上がりました。

 土曜に行ったせいもありますが、本当によく混んでました。外人さんも多かったです。案外、関西の人も多くて(関西人は声が大きいし、どこへ行っても関西弁で通すので存在がすぐにわかるんです)、一大観光地なんですね。
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今日は浅草

2016-01-23 21:17:14 | Tokyo
今日は浅草で「花形歌舞伎」の昼夜通しでした。西日本で雪と言ってたので、新幹線が止まらないかとヒヤヒヤしながらの観劇となりましたが、最後まで見ました。花形は良くも悪くも花形、でした。

新幹線も順調に動いておりもうすぐ京都です。二日連続で昼夜通しは結構ハードでした。次は3月の雀右衛門襲名で上京しますが、通常の夜の部→昼の部のパターンにします。
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今日の富士山

2016-01-22 10:27:59 | Tokyo
順調にお江戸に向かっております。下界は冬晴れのいいお天気なので、富士山もさぞ美しく見えるだろと期待しておりましたが、残念ながら山頂付近は雲にすっぽりと覆われていました。吹雪にでもなっているんでしょうか。

東京到着は10時56分、歌舞伎座は11時開演、一幕目はパスです。孝太郎さん、スミマセン。「石切梶原」からは絶対に見ます。吉右衛門さん、大絶賛なので、楽しみにしています。玉ちゃんはね、正直なところ「鬼」が苦手なんですよね。なぜ、あの美しいお顔をお隠しになるんでしょうか。夜の部の夕霧さんはお綺麗ですが、お隣ががんじろはん、私がどこまで寛大な心になれるのか、それにかかっているような気がします。
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さぶい・・・

2016-01-20 23:33:29 | その他いろいろ
 お寒うございます。冷えますね。冷蔵庫の中にいるようです。皆様、生きていらっしゃいますか。

 写真は今朝の京阪の駅です。昨夜のうちに雪が降ったようで、気持ち、積もっています。

 今週末はさらに強烈な寒波襲来だそうです。私はお江戸へ行くのですが、大丈夫でしょうか。と言っても、行くのは劇場か百貨店なので、中へ入ってしまえば“安泰”なんですけどね。土曜日は浅草へ行きます。ちょっといつもとは勝手の違うところなので、道で転んだりしないか、それが心配です。

 《オマケ》
 
 雪の金閣寺
 京都で雪が積もると、関西ではその日の夕刊の一面には必ず「雪化粧した金閣寺」の写真が載ります。写真愛好家の人たちは、京都で雪が降るとわかっていると始発電車に乗って、まだ足跡のない神社仏閣の写真を撮りに行かれるそうです。この写真は京都新聞のサイトから拝借しました(右クリックできたので)。
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壽初春大歌舞伎@松竹座 夜の部

2016-01-18 23:47:48 | 観たもの
 松竹座の初春大歌舞伎の夜の部でございます。国立文楽劇場で文楽昼の部→松竹座で歌舞伎夜の部という変則的な通し観劇となりました。どちらかに寄せて通しで見ればいいんですが、文楽は休憩が少なくその時間も短いので、通しはできれば避けたいと思っており、こんな中途半端な通し観劇となりました。

 夜の部の演目と配役です。
 一、桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)
   帯屋
    帯屋長右衛門       坂田 藤十郎
    丁稚長吉/信濃屋娘お半  中村 壱太郎
    義母おとせ        坂東 竹三郎
    隠居繁斎         中村 寿治郎
    弟儀兵衛         片岡 愛之助
    長右衛門女房お絹     中村 扇 雀

 二、研辰の討たれ(とぎたつのうたれ)
    守山辰次         片岡 愛之助
    平井九市郎        市川 中 車
    平井才次郎        中村 壱太郎
    吾妻屋亭主清兵衛     片岡 松之助
    平井市郎右衛門      嵐  橘三郎
    粟津の奥方        市川 笑 也
    僧良観          坂東 秀 調

  三、芝浜革財布(しばはまのかわざいふ)
    魚屋政五郎 市川 中 車
大工勘太郎 中村 亀 鶴
    左官梅吉 嵐  橘三郎
    金貸おかね 中村 歌女之丞 
    大家長兵衛 片岡 松之助
    姪お君 市川 笑 也
    政五郎女房おたつ     中村 扇 雀

 ↑こうやって見ると、少ない役者さんで、がんばっていらっしやいますね。東京の歌舞伎座とはエライ違いです。幹部さんがいらっしゃらない分、名題さん、名題下さんも出番が増え、それはそれで楽しみが増えます。オペラグラスであちこちキョロキョロしておりました。

 一つ目の「帯屋」は一昨年の永楽館歌舞伎で上演されました。壱太郎さんが長らく上演が途絶えていたこの演目をぜひ演りたいと切望されてかかった作品です(そのあたりのことは歌舞伎美人のコチラでインタビューに答えていらっしゃいます)。個人的には落語の「胴乱の幸助」のイメージのほうが強いんですが。あの小さい芝居小屋永楽館から大きな松竹座の舞台に移ってどうなるのかしらと思っていたけれど、大丈夫でした。永楽館のときは愛之助さんが主役の長右衛門でしたが、今回は義弟の儀兵衛にまわり、長右衛門は藤十郎さんがお勤めになりました。

 藤十郎さん、さすがの存在感でした。存在そのものが上方歌舞伎です。とにかくお若い!14歳の娘から惚れられるのも納得できる若さです。義母と義弟からの苛めに耐える姿も風情があり、愛之助さんも永楽館でがんばって演じたはりましたが、やはり全然格が違います。って、人間国宝・芸術院会員・文化勲章受章者の藤十郎さんと比べるのが失礼ですよね。愛之助さんは黙っているお役よりもペラペラしゃべるお役のほうがお似合いですね。この儀兵衛も次の「研辰の討たれ」の守山辰次もとにかくよくしゃべるしゃべる、全然重厚感がなく薄っぺらい人物です。愛之助さんが軽薄と言ってるのではなく、まだ年齢的に寡黙でどんと構えたようなお役は無理なのかもしれません。大阪弁が自由自在なので、よろしいですね。ストレスを感じずに見ることができます。「封印切」の八右衛門なんていいかもしれません。がんじろはんの忠さんでお願いします。

 そして義母おとせの竹三郎さん。いやぁ、はまり役です。ネチネチと苛める因業婆をお勤めです。竹三郎さんの当たり役のひとつだそうです。

 壱太郎さんが永楽館の時と同様、丁稚長吉とお半を演じられました。永楽館の時よりはずいぶんとバージョンアップされたように思います。お半が本当に可愛らしくて、長右衛門が誘惑されるのもわかります。

 二つ目が「研辰の討たれ」です。野田版ではなくオリジナルのほうです。上にも書いたように愛之助さんがとにかくヘラヘラ、ペチャペチャよくしゃべります。どことなく勘三郎さんのしゃべり方に似せてるような気がしました。気のせいかもしれませんが。仇討ちの場面で見物人が大勢登場するんですが、上方のお家のお弟子さんたち総出演って感じで、楽しかったです。

 最後の「芝浜革財布」はお江戸の落語を脚色した人情話です。中車さん、昼の部の「らくだ」とは打って変わって江戸っ子のお役です。ちゃんと江戸っ子でした。扇雀さんもこっちのほうが安心して見られます。扇雀さんって自分は上方のお家っていう意識は高く、ことあるごとに「上方歌舞伎の継承」とおっしゃっているんですが、そのわりに関西でのご出演が少ないような気がするんですが。上方言葉もあやしい時があるし…。まあ、孝太郎さんのように東京の歌舞伎座を「ホームグランド」ってブログに堂々と書いてしまうよりはましかもしれませんが。千ちゃんに「あなたは松嶋屋の御曹司、上方歌舞伎のお家の人なんですよ」ってきちんと漏れなく伝わっているのかどうか不安です。

 すみません、話が横にそれました。松之助さんがここではお江戸の長屋の大家さんで、慣れない江戸弁をお使いでした。私でも違和感持ったくらいなので、お江戸の人が聞いたらおいどがこそばくなったかもしれません。笑也さんの驚異の若さにびっくりでした。中車さんよりも扇雀さんよりも年上なのにちゃんと二人の“姪”でした。

 今月の松竹座、本当に面白かったです。演目もバラエティに富んでいたし、少ない人数でもできるってところを見せていただきました。ガンバレ、上方歌舞伎! ALL上方歌舞伎の役者さんによるお芝居はストレスがなく、“上方歌舞伎”を堪能しました。時間が許せば昼夜もう1回見たいところですが、今週末は東京です。残念です。

 
 文楽劇場から松竹座への移動の途中、道頓堀のがんこ寿司で買った細巻です。鉄火巻がちゃんとまぐろの味がして美味しかったです。
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明日は大荒れ

2016-01-17 23:56:39 | その他いろいろ
 天気予報によれば今夜から明日は大荒れのお天気で、明朝は積雪の恐れがあるとか…。大阪は今のところ雨が降っています。結構しっかり降っていて、これが♪~雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう~♪となると大変なんですが。

 寒さのほうも「真冬並み」だそうで、しっかり防寒対策をして休みたいと思います。でも、この「真冬並み」って、今が真冬じゃないんでしょうか。テレビからこの言葉が流れてくるたびに突っ込みたくなります。

 どうぞ皆様もお気をつけてお過ごしくださいませ。

 写真は記事の内容とはまったく関係なく、金曜日に会社でいただいた苺です。せめて写真だけでも春らしくウキウキできるようなものにしてみました。1月15日は「イイイチゴの日」だそうです。和歌山のブランド苺(名前は失念)で、甘くて瑞々しくて美味でした。
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小正月

2016-01-15 23:31:29 | その他いろいろ
 1月15日は「小正月」です。少し前まで15日が成人の日で祝日でした。移動式祝日になって結構経ったと思いますが、まだもひとつピンときません。月曜日が休みになって連休になるっていうのもいいんですが、週の真ん中でぽこっと1日休めるっていうのも何となくウレシイものです。

 2日におぜんざいを作ってなかなかの出来(自画自賛)だったことに気を良くしたワタクシ、「小正月には小豆粥よね」とまたまたエエ小豆を買ってきて、作ってみました。

 
 おかいさん(お粥のことをこう言います)は炊飯器にお粥を炊く機能があったので、それ利用です。きれいなピンク色になって、なかなか良くできました。って、お米とお水を分量どおり入れておけば、誰でも出来るんですけどね。横に添えたのは白鷹の奈良漬です。11月に白鷹酒造まで文楽を見に行ったときに買ってきました。奈良漬っていうと味噌のイメージでしたが、こちらはもろみが入っていて、それがほのかに甘く、奈良漬をとてもマイルドにしています。

 
 ついでにおぜんざいも作りました。今回の小豆は紅娘というものです。丹波大納言を買ったつもりだったんですが、間違ってお隣の小豆を買ってきたようです。新豆だし、粒も大きいので十分美味しいんですが、やっぱり丹波大納言のほうが皮が柔らかいので美味しかったように思います。

 この小豆を煮るという行為、ちょっとはまりそうです。丹波大納言でリベンジしたいですね。ただ、売ってる小豆が200グラムの袋なので、今回のようにおかいさんとおぜんざいの二種類を作るなら、ちょうどよい分量になるんですが、おぜんざいだけだと結構な量になるので、それだけがちょっと、って感じです。と言っても、あれば全部食べるんですけどね。

 小豆×小豆の食卓、ワタシ的にはとてもHappyでした。
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