今日の「日曜美術館(再放送)」で放映されていた「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」の展覧会です。今年の春?夏?に京博に行ったときに大々的に宣伝してたのは見たのですが、無知蒙昧なワタシは「佐竹本三十六歌仙絵」の存在を知らず、「へっ」って感じで行くこともないかなぁと思っておりました。しかし、京阪の駅に置いてあったチラシに「36人の優れた和歌の詠み人『歌仙』を描く、鎌倉時代の名品『佐竹本三十六歌仙絵』。かつて2巻の絵巻物として伝わったこの作品は、大正8年(1919)に一歌仙ずつ分割され、別々の所有者のもとに秘蔵されました。2019年は、この『佐竹本三十六歌仙絵』が分割されてから、ちょうど100年を迎える年です。これを機に、展覧会としては過去最大の規模で、離れ離れとなった断簡37件のうち31件が一堂に会します。」とあり、何だかとっても壮大でロマンチックに思えて、2週間ぐらい前の金曜の夜間開館で仕事終わりにがんばって行ってきました。
行くと決めても「ところで31件でどうやって展覧会になるんやろうか」とやっぱり無知蒙昧全開で博物館に入りましたが、ちゃんとそれ以外もありました。
京博は3階から展示が始まり、順に2階、1階と降りていきます。3階では「第1章 国宝「三十六人家集」と平安の名筆」「第2章 “歌聖” 柿本人麻呂」を見ます。「柿本人麻呂」はよく見る肖像画(少し左に傾いて肘をついて座っている)が何枚もあって、それだけいろいろな人が憧れて肖像画をいっぱい描かせたんでしょうね。「歌聖」と言われることはあります。
2階に「第3章 “大歌仙” 佐竹本三十六歌仙絵」がありました。歌仙絵の前に、「絵巻切断」にまつわる展示もあり、籤引きのくじまでありました。36件を誰が引き取るのかは購入希望者が集まって、籤引きで決めたそうです。百人一首の「坊主めくり」といっしょで、お姫様が人気、坊主は不人気だったそうです。海外流出を憂えて歌仙絵を購入しようと思ったような“意識高い”人でも、私たちとよー似た感覚なのねとちょっとホッとしました。
切断された絵は、切断したままなのかと思っていたら、購入者の皆様はそれぞれ意匠を凝らした表装を施し、とてもステキなお軸になっていました。皆様それぞれ、ご自分のお軸を飾ってお茶会を開催、お道具もとっておきのお道具を用意されたそうです。そのお道具の展示もありました。住友家で購入された歌仙絵は100年間ずっと持ち続けられたそうです。今は京都の泉屋博古館が所蔵しています。
さすがに競い合って作成されたお軸ばかりでどれもこれも見ごたえがあり、見る前は「31件?」と思っていましたが、見た後は「31件だけの展示だけでもよかったのに」と思いました。展示替えがあったので、実際は31件は見ていませんが、じっくり見ていたら、後の展示が駆け足になってしまいました。
主役の「三十六歌仙絵」の後は、「第4章 さまざまな歌仙絵」「第5章 鎌倉時代の和歌と美術」「第6章 江戸時代の歌仙絵」と続きます。上の階で根を詰めて見たので、時間のこともありましたが、いささかお疲れモードで流してしまいました。最後は鈴木其一の「三十六歌仙図屏風」でした。これ、どこかで見ました。三十六歌仙が押し合いへし合い?一つの画面に入っている絵なんですが、時代が下ってこうなったんですねとミョーに納得しました。
会期はあと一週間、24日までです。明日18日は台風の時の臨時休館の振り替えで、月曜ですが開館するそうです。行けそうな方、ぜひどうぞ。
です。