おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

桂りょうばさん

2015-08-30 22:52:45 | その他いろいろ
 故桂枝雀さんのご長男、前田一知さんがざこば師匠(←師匠って書くって何か抵抗あるんですけど)に正式に入門、「桂りょうば」として修業を始められることになりました。

 朝日新聞の記事はコチラ。(読者登録をしないと途中からは読めません。悪しからず)

 ご本人のブログはコチラ

 もう43歳になっていらっしゃるんですね。私が枝雀さんに入れ揚げていた頃、サンケイホールの枝雀さんの独演会でまだ小学生の一知クンが高座に上がったという話は聞いたことがありました。私が行った日ではなかったので、ちと残念に思った覚えがあります。すごく上手というウワサで、このまま枝雀さんの跡をついで落語家さんになるのかと思っていたら、そのままフェードアウト。私も枝雀さんから離れていたのでよく知らなかったのですが、バンド活動をなさっていたとか。一応、芸能界にはいらっしゃったんですね。

 ご本人のブログを見ていたら、2010年から素人落語家としてあちこちの高座に上がっていらっしゃったようです。今回正式にプロの落語家になって名前をもらわれました。

 これからさぞお大変でしょうね。お父様の名前は大きすぎます。米團治さんが米朝師匠に小米朝として入門されたときより大変なような気がします。米朝師匠の落語って、よく言われていますが正統派の落語、計算しつくされた理詰めの面白さだと思うんです。枝雀さんがよくおっしゃっていた「緊張と緩和」が最高のバランスになっているんだと思います。もちろんテクニックだけではなく、人間性と言いましょうか、人物全てが投影された落語です。まあ、こんな言い方もベタ、後付になりますが、これが人間国宝・文化勲章の落語なんでしょうね。お弟子さんたちはそれを見よう見真似でなぞり、いわゆる正統派の落語家さんの道を歩まれます。コピーではなくそれぞれの個性を生かして、です。

 枝雀さんの落語って、たぶんご本人は米朝師匠以上にテクニックを駆使されているんだと思うんですが、お客さんのほうから見ると、そういうかけらは微塵も見えず、とにかく面白い落語です。「緊張と緩和」は最高のバランスからちょっとズレていて、そのズレがあの大爆笑になったのではないかと思っています。←私の個人的な思いです。念のため。

 やっぱりファンはりょうばさんに枝雀さんの面影を探してしまいます。あの超面白い落語を再現して欲しいと思いつつ、コピーしてしまうと、「なんや、コピーか…」と軽蔑してしまいそうな…。ファン心理は複雑です。それを受け止めないといけないりょうばさんもこれまでもそういう視線をいやっちゅうほど感じていらっしゃると思います。本当に文字通り「茨の道」に踏み込まれましたね。

 話題性があるので、テレビとかにもすぐに声がかかりそうですが、安易な道に走ることなく、枝雀さん的な正統派の落語家になっていただきたいものです。健闘を祈ります。
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第八回永楽館歌舞伎

2015-08-29 23:07:12 | その他いろいろ(歌舞伎)
 今年の永楽館歌舞伎の演目と出演者が決まりました。昨日、松竹歌舞伎会の「ほうおう」が届き、その中に永楽館歌舞伎の前売りが9月13日からとあって、6月の松竹座みたいにまた何もわからないまま予約をしないといけないのかしらとチラッと思っていたところでした。

 【演目】
 一、青雲の座 出石の桂小五郎
 二、お目見得 口上
 三、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)

 【出演】
 片岡愛之助
 中村壱太郎
 上村吉弥
 中村鴈治郎

 がんじろはんがご出演ですね。昨年の永楽館で壱太郎さんが「口上」で「来年は父の襲名があり、父といっしょにこちらへも来たい」とおっしゃっていましたが、その通りになりました。久しぶりのALL上方による歌舞伎になりそうです。せっかくなので、できればちゃんとした上方歌舞伎を演ってほしかったなぁと思ってしまいました。愛之助さんによれば、この「永楽館歌舞伎」ではこれまで演ったことがないものを演ろうと決めていらっしゃるそうなんですが、そこはほれ、臨機応変に対応してくださってもいいのではないかと…。

 「口上」がどうなるのか楽しみです。がんじろはん、最近あちこちで「上方歌舞伎を発展させるためには子どもをつくって役者を増やすこと!」とおっしゃっているそうで、愛之助さんにもいつも「結婚せんでええから、子どもだけつくったら」とオススメされているそうです。ワイドショー好きとしてはがんじろはんのツッコミに期待です。

 「蜘蛛絲梓弦」って先月歌舞伎座で亀ちゃんがなさったものですよね。歌舞伎座の大きな舞台で蜘蛛の糸を投げまくったはりましたが、あのギュッとコンパクトな永楽館の舞台だとどうなるんでしょうか。前のほうで見たらさぞ迫力があるんでしょうね。まるで自分も舞台にいるような気になれるかもしれません。

 【公演概要】
 開催期間:平成27年11月4日(水)初日~10日(火)千穐楽
       第一部: 開場11:00 開演11:30 終演予定14:30 
       第二部: 開場15:30 開演16:00 終演予定19:00
         (10日(火)千穐楽は第一部のみ)

 観劇料:11,000円
 前売り開始:永楽館窓口 平成27年9月13日(日)
       松竹歌舞伎会会員(電話、Webとも) 平成27年9月13日(日)

 ※新大阪からの直行バスが毎日出ます。永楽館のすぐそばまで連れて行ってくれるので便利です。詳細はコチラ。チケットもいっしょに取ってくれるので、どうしようか迷っています。とりあえずバスだけは申し込んであります。
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京都BAL

2015-08-28 23:23:08 | 百貨店
 河原町にある京都BALが先週8月21日にグランドオープンしました。「BAL」と言っても、関西以外の方には馴染みがないかと思いますが、関西では老舗のファッションビルで、大阪、京都、神戸の三都市にありました。「最先端、おしゃれ、上質」というようなキーワードが当てはまるファッションビルで、駅ビルやターミナルの地下街とは一線を画したお店が入っていました。ただ、残念ながら大阪のBALは今はユニクロのGUになってしまって、もはや見る影もありません。大阪ってやっぱり「安けりゃいい」っていう土地柄なんですかね。ちと悲しいです。

 京都と神戸は頑張って残っていましたが、京都BALは3年ほど前から建て替え工事に入っていました。京都もまた安物のビルになってしまうのかしらと思っていたのですが、さすが京都!そんな下品なビルにはなりませんでした。ショップリストを見る限り、以前入っていたお店はほぼ残っているようです。新しい商業施設ができると必ず出店している「ビームス・シップス・ユナイテッドアローズ」の御三家は入っていません。このきっぱりとした姿勢、よろしゅうございます。

 関西初とか関西最大級とかいろいろ目玉となるお店はあるようです。個人的には「ザ・コンランショップ」「エストネーション」をぜひ見たいと思っています。「ザ・コンランショップ」はブリーゼにあったのがいつの間にかなくなっていました。「エストネーション」はルクアイーレに出来たのですが、品揃えがイマイチなんです。「エストネーション」はたぶん大阪の人には合わないと思うので、早晩撤退するような気がしています(あくまで、私の“気”ですが)。京都って案外東京の感覚に近いところがあるように思います。上品なコンサバって感じでしょうか。

 まだ実際には行けてないんですが、百貨店愛好家としましては、ここは外せないかと…。久しぶりに「行きたい」と思うニューオープンのお店ができました。行ける日が待ち遠しいです。
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晴の会

2015-08-25 23:57:18 | 観たもの
 会社の近くにある居酒屋の看板で「いさき」を見つけました。

 唐突に「いさき」と言われても、それが何か…って感じだと思いますが、上方歌舞伎会にもご出演だった松十郎さん、千壽さん、千次郎さんの同期三人のユニット公演「晴の会」で千壽さん扮する宿屋の女中の名前が「いさき」でした。“煮てよし焼いてよし”だそうです。

 今さらですが、一応「晴の会」にも触れておきたいと思います。「晴の会」は前半が舞踊、後半が上方落語「宿屋仇」をモチーフにしたお芝居でした。

  第一部 舞踊三題
    長唄『浦島』片岡千次郎
    地唄『たぬき』女狸 片岡千壽 
           宮守 片岡松十郎
    長唄『橋弁慶』弁慶 片岡松十郎
           牛若丸片岡千次郎
  第二部 上方落語『宿屋仇』より
    城井十風 作
   『浮世咄一夜仇討』
    万事世話九郎 片岡松十郎
    紀州屋女中    片岡千壽
    客・源兵衛    片岡千次郎

 第1部の舞踊はそれぞれのキャラを生かした役柄だったように思いました。千壽さんの女狸の色っぽいこと!私の後ろに座ってたお客さんは、どうも歌舞伎というものを見たことも聞いたこともない、女形の存在ももちろん知らない、っていうような方だったようで、千壽さんが男の人だとお連れさんから教えられてめっちゃびっくりしたはりました。可愛らしい顔立ちで骨ばったところがないし、声も無理して出しているところがないので、普通に女の人に見えますからね。「千壽さん、すごい!GJ」とひそかに思っておりました。

 松十郎さんが弁慶、上背もあるし、千壽さんとは反対に男らしい顔つきなので、よくお似合いでした。上方歌舞伎会で「勧進帳」をやればいいのに、ってちょっと思いましたが、あれはやはり「上方歌舞伎」じゃないとダメなんでしょうね。かっちょいい松十郎さんが拝見できるのに…。千次郎さんの牛若丸は、義経ではなくちゃんと牛若丸でした。上方歌舞伎会のお幸さんとは真逆のお役です。

 第2部のお芝居の作者、城井十風とは桂吉坊さんのことです。小さな空間を生かして、必要最小限の道具ですべてを表します。小劇場っぽい雰囲気も感じられました。こちらも三人のキャラにあてがきした?って思えるくらいぴったりでしたが、大幅に登場人物をいらってるわけでもありませんでした。Youtubeで米朝師匠の「宿屋仇」を聞きましたが、登場人物は客が二人から一人、女中ではなく番頭さん(その名が伊八、たぶんそれをもじって“いさき”?)、になった以外は大体が落語のとおりでした。歌舞伎の名場面もあちこちに散りばめられ、お三方はそちらにも健闘されていました。ただ、1回見ただけでは「あ、あの場面?」とはすぐに分からなかったので、2回見ないといけないと思いました。

 このお芝居、たった6回で終わらせるのはもったいないと思いますが、歌舞伎興行ってひと月25日、それを毎月繰り返しているので、その間隙を縫って公演を行うなんてことはまず無理です。御曹司さんで少々のワガママも許される人ならいけるかもしれませんが、まだ名題にあがったばかりの役者さんではキビシイでしょうね。

 既に「第2回」も開催することは決定しているようで、これで8月はこの「晴の会」と「上方歌舞伎会」の二本立てで楽しめるようになるみたいです。今から期待してしまいます。

 千壽さんのブログのこちらに写真が載せてあります。女中いさきの表情がSo cute!です。

 9月南座の「あらしのよるに」にはこのお三方が揃って狼(ばりい、じぐ、ざく)でご出演だそうです。千次郎さんのブログに書いてありました。千次郎さん、本当にホッとされたんでしょうね。とても良い笑顔です。
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第25回上方歌舞伎会 千穐楽

2015-08-23 23:20:13 | 観たもの
 早や千穐楽の上方歌舞伎会でございます。たった2日間、公演回数は4回ですが、会を追うごとに皆さんお上手になっていかれます。昨日とは見違えるようによくなっていてびっくりしました。

 今年の演目は「双蝶々曲輪日記 (ふたつちょうちょうくるわにっき)」の半通し上演でした。
  序幕  堀江角力場前の場
  二幕目 難波裏の場
  三幕目 道行 乱朝恋山崎   常磐津連中
            山村友五郎=振付
  四幕目 八幡の里引窓の場

 「角力場」と「引窓」はそれぞれ単独で上演されることがありますが、それ以外は珍しい場面です。配役は↑上のチラシの通りです。

 昨日も書きましたが全体にレベルが上がってきており、大体安心して見ていられます。松十郎さん、千壽さん、千次郎さんは自分たちの自主公演をなさっただけあって、さすがに“一日の長”がありました。本公演でも十分通用すると思います。9月に鴈治郎さんの襲名披露の巡業があり、そこでも「引窓」が上演されますが、もしお早の壱太郎さんに何かあっても、千壽さんがいつでも代役できますから、とひそかに思ってしまいました。

 今回は竹之助さんが大活躍でした。竹三郎さんのお弟子さんで、昨年名題試験に合格、2月に松竹座で名題昇進されました。山崎屋与五郎のお役で、これは「つっころばし」といわれる二枚目だけれどどこか頼りない若旦那です。花道の出からぼんぼんの鷹揚とした雰囲気が出ていて、色気もあって、よろしゅうございました。道行の舞踊では、心痛のあまり発狂してしまったお役でしたが、違う世界に行ってる感がよく出ていたと思います。与五郎の相手役吾妻は前半がりき彌さん、舞踊が當史弥さんです。お二人ともお綺麗で儚げで、仲居や腰元ばかりではもったいないなぁと思ったけど、まだ名題下さんなんで、がんばって名題に上がっていただきましょう。

 千壽さんと千次郎さんの「引窓」はテッパンでした。千次郎さんのお幸、泣かせてくれました。まだ30台半ばなのに、しっかりと老母になっていました。千壽さんは上にも書いたように抜群の安定感です。その二人に挟まれた南与兵衛役の松太朗さん、イマドキの若者らしく顔が小さくてひょろっとしていて、まず見た目が不安定、お芝居も何だか頼りなくて「この人大丈夫?」とずっと思っておりましたが、今日の千穐楽は「同じ人?」って思えるくらいの上達ぶりでした。指導者ご挨拶で鴈治郎さんが「お稽古も大事だけれど場数を踏むことももっと大事」とおっしゃっていましたが、本当にこの言葉のとおりでした。

 松太朗さんも濡髪の松四朗さんも孝夫さんのお弟子さんなんですが、ちょっとした仕草、目線の持って行き方が孝夫さんによく似ていらっしゃって、それだけ師匠に似せようと頑張っていらっしゃるんですね。同様に千壽さんも秀太郎さんをよく写していらっしゃいます。千壽さんの後姿のお尻のあたりが完全に女の人でした。むっちりと丸っこいお尻なんです。他の人を見てみると薄くてペタンコなんです。ちょっとびっくりしました。

 「千次郎の会」で今年の上方歌舞伎会の演目を聞いたとき、与兵衛は松十郎さん、お早は千壽さん、お幸は千次郎さんと予想したのですが、松十郎さんだけ違っていて、昨日の与兵衛を見たときは「んもう、だから松十郎さんがしゃはったらよかったのに」と本当に思いましたが、今日の千穐楽で松太朗さん、盛り返しはりました。後は見た目ですね。もっと太って大きくならないといけません。イケメン隼人クンも体重を20キロ?増やしたと言ってましたから。

 松十郎さん、今回は3役、コミカルなお役も強面のお役もどちらもOK、でも、個人的には最後のご挨拶でお化粧を落としてすっきり爽やかな浴衣姿が一番良かったです。

 そのお楽しみの指導者ご挨拶ですが、我當さんは残念ながらご欠席、秀太郎さん、孝夫さん、鴈治郎さん、山村友五郎さんがお出ましでした。幕が開いて秀太郎さんが口火を切るお役でしたが、その時点で感極まったご様子で目が真っ赤、「何も言えません」とすぐに孝夫さんにマイクをまわされました。孝夫さんは「この挨拶が一番苦手なんです」と。「4回目が圧倒的にいいので、1回目見た方には申し訳ない」と。とにかく愛情溢れるご挨拶です。鴈治郎さんもやはり溢れる思いいっぱいの熱いご挨拶でした。友五郎さんは「日本舞踊も見てください」って。その後また秀太郎さんに戻ると、今度は落ち着いて少しお話されました。上方歌舞伎塾の卒塾生は皆さん秀太郎さんの“子ども”なんですね。松嶋屋さんのお弟子さんも他のお家のお弟子さんもみんな「この子ら」なんです。良いお師匠さんです。最後の大阪締めはいつもなら我當さんですが、今日は秀太郎さんがなさいました。

 毎年のことなんですが、涙と感動の上方歌舞伎会です。これが終ると「夏が終るなぁ…」って思います。
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第25回上方歌舞伎会

2015-08-22 23:33:51 | 観たもの
 上方歌舞伎会行ってきました。本日初日です。でもって明日が千穐楽。たった2日間ってもったいないような気がしますが、これ以上はむりなんでしょうね。

 今日の第2部でしたが、8割ぐらいの入りでしょうか。エビサンのほうは満員御礼だそうで、あっちよりこっちのほうが断然“歌舞伎”なんですけどね。残念です。

 秀太郎さんは「何度云っても直らない。情けない」とブログでお嘆きでしたが、なかなか皆さんしっかりなさっていたようにお見受けしました。以前に比べると安心して見ていられます。その中でも松十郎さん、千壽さん、千次郎さんはさすがに抜群の安定感、「引窓」は泣けますよ。

 明日11時と4時、2回あります。第2部の最後には指導者ご挨拶ということで孝夫さんと秀太郎さんがお出ましになります。またこのご挨拶が泣けるんです。

 皆ちゃま~、文楽劇場へGOでございますよ。

 
 黒門市場にある喫茶店「おいで」の玉子サンドです。どなたかのブログかツィッターで拝見して、一度食べてみたいと思いまして…。卵焼きはフワフワではありません。しっかり巻いてあります。これだけでお腹いっぱいになりました。

 
 別腹の甘いものです。「いちりん」のミルクココアゼリーです。ゼリーというよりムースでした。明日も何か買いに行くと思います。
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七人ぐらいの兵士

2015-08-21 23:56:56 | 観たもの
 シアターBRAVAで「七人ぐらいの兵士」を見てまいりました。久しぶりの“歌舞伎ぢゃない”お芝居です。先日も書きましたが上演時間3時間、休憩無しでした。最近はもっぱら歌舞伎見物ばかり、1時間見たら30分のお弁当休憩、また1時間見たら20分のおやつ休憩…というようなリズムに身体が慣れてしまっているので、3時間も大丈夫なのか、そればかり心配しておりました。ま、途中、何度か意識を失いながらも何とか完走しました。

 この「七人ぐらいの兵士」は今回15年ぶりの再演作品です。初演時は、さんちゃんの本格的な演劇の初舞台、また、生瀬が脚本を手掛けた作品ということで話題になったそうで、さらに上演回数が少なくて“伝説の舞台”と言われているとシアターコクーンのサイトに書いてありました。私はその伝説の舞台云々は全然知らなくて、さんちゃんと生瀬の舞台はここのところずっと見ているので、その続きって感じでまいりました。

 ストーリーです。
 戦時中の中国大陸。日本軍のある駐屯地で、ダメ兵士ばかり且つ大阪出身者ばかりが集められた分隊があった。彼らは一旦戦地に派遣されたものの再訓練となっていた。兵隊のリーダーである木下兵長(生瀬勝久)は、かつて漫才師であったが、高座の出番直前に相方に失踪された過去がある。訓練中の怪我で野戦病院に運ばれた木下は、“爆笑王”と入院患者達から呼ばれる男がいると、従軍看護婦・吉永花子(内田有紀)から紹介されるが、それはかつての相方・水嶋(明石家さんま)だった。ウソと詭弁の天才・水嶋はあらゆる手段を使って軍隊を逃げ出そうとするが、一方、木下は水嶋を殺そうと目論む。そんなある日、駐屯地に慰問団がやってくるという情報が….。水嶋は分隊の兵士達にある提案をするが、それが脱走を目論んでいた片岡(恵俊彰/中尾明慶)をはじめ、兵士達の気持ちに火をつける。それぞれ交錯する思惑は一体どうなるのか?!

 前半はいつものさんちゃんと生瀬のお芝居、お約束のさんちゃんと温水さんとの掛け合い、さんちゃんの歌のレッスン?もあり面白おかしく進行します。あちこちでドカーン、ドカーンと爆笑が起こっていました。天邪鬼の私はもひとつその波に乗れず、とにかくヘロヘロだったので「寝れるときに寝よう」と笑い声を子守唄に時々意識を失っておりました。あ、でも、温ちゃんとの掛け合いは大好きなので、そこはしっかりと起き、ガハガハ笑わせていただきました。

 後半は一転シリアスなお芝居になります。泣けます。ただ、私は“主義・主張”のあるお芝居ってどうも苦手で、今年は戦後70年ということでこういう作品をぶつけてこられたんでしょうけど、なんだかもひとつ乗り切れませんでした。ドラマや映画、舞台では戦後70年関連のいろいろありますが、さんちゃんがそういうお芝居をするって違和感ありまくりでした。

 カーテンコールでさんちゃんが真っ赤なチャイナドレスを着て出てきてくれて、そこでようやくさんちゃんらしいさんちゃんを見ることができました。なぜかちょっとホッとしました。カーテンコールは終演が10時を過ぎていたせいもあって1回だけであっさりと終りました。お客さんもお疲れだったんでしょうね。
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上方歌舞伎会

2015-08-20 23:55:37 | その他いろいろ(歌舞伎)
 上方歌舞伎のお弟子さんたちの年に一度の歌舞伎公演である「上方歌舞伎会」はいよいよ22日に初日を迎えます。まだチケットがあるようです。この週末、大阪では歌舞伎公演が三座であいているそうです。オリックス劇場のエビサンと新歌舞伎座の澤瀉屋さんと、この国立文楽劇場の「上方歌舞伎会」です。この三つの中では、おそらく「上方歌舞伎会」がいちばん歌舞伎らしい歌舞伎、正統派の歌舞伎です。ぜひぜひ応援してさしあげてくださいませ。よろしくお願いいたします。

 秀太郎さんのホームページにお稽古の様子が載っています。

 千壽さんのホームページ

 千次郎さんのホームページ
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上方芸能197号

2015-08-19 23:17:21 | 読んだもの
 雑誌「上方芸能」の最新号でございます。米朝師匠の特集号になっています。タイトルのとおり“芸能”というジャンルの雑誌なので、「演劇界」を買いに行くとその近くに置いてあり何度か手に取ったことがありましたが、もひとつ食指が動かず、買ったのはおそらく初めてかと思います。“季刊”だったんですね。私はてっきり月刊誌だと思っていて、前号(5月に発行)の予告で次は米朝師匠の追悼号になると書いてあったので、6月になってすぐに本屋さんに行きましたが何もなく、それ以降も本屋さんへ行くたびに見に行くんですが全然出なくて、前号をよく見たら“季刊”となっていました。8月11日にようやく発行されました。

 特集にあたっての巻頭の言葉です。
 特集 桂米朝逝く
 ―上方落語の金字塔
 
もしも20世紀後半に桂米朝を擁していなかったら、上方落語はわずかな断片を残すか、あるいは滅亡していたかもしれない。戦後間もなく、寄席演芸好きだった一人の青年が、他に例を見ない素晴らしい笑いの文化である落語をこのまま滅ぼしてはならないと自らの人生を賭けて再興し、多くの財産を遺して今年早春に逝去した。
 その業績は演目の復活、再生に始まって、活字や音、映像による記録、解説や考証、研 究論稿の執筆まで幅広く、かつ深い。論じる対象は落語に止まらず、寄席の諸芸から古典芸能にまで及んだ。演者、研究者として一流を極める一方で、数多くの個性的な弟子を育て、上方落語を大樹に築き上げたのである。
 本誌にも初期から寄稿を続け、最盛期の多忙な中で綴られた「上方落語ノート」の充実ぶりはまさに労作の名にふさわしい。
 今号特集は桂米朝の業績を跡付け、お人柄を偲んだ。謹んで師匠に捧げる追悼である。

 先に雑誌「ユリイカ」が米朝師匠の特集号を出しています。執筆者が何人か被っています。米朝師匠をよくご存じの方に書いてもらおうとするとまあ仕方ないことなんですが。「どっかで読んだことある?」っていうのは少し感じました。それとページ数の違いもあると思いますが、「上方芸能」のほうは一人当たりの持ち字数(っていう言葉はあるのか?)が少ないからか、もうちょっと詳しく読みたいなと思うところで終ってしまいます。「ユリイカ」のほう皆さん自由に詳細に書いていらっしゃって読み応えがあったように思いました。「ユリイカ」には加藤武さんの文章もあって、「米朝さん、待っていておくんなさい。私も直に逝きますから……」と書いていらっしゃいました。この言葉の通りそんなに律儀に実行に移されなくても、と思ってしまいました。

 「さようなら、米朝さん」と39人の方が哀悼の言葉を寄せていらっしゃいます。その人選を目次で見たとき「何かベタな人選やなぁ」と正直なところ思ったんですが、読んでみると通り一遍の内容ではなくて、おひとりおひとりがそれぞれエピソードをお持ちでそれを自分の言葉で語り、その人らしいお悔やみの気持ちを表していらっしゃって、ちょっとジーンとくるものがありました。さすが大阪を拠点にしている雑誌です。

 上方芸能を応援する雑誌なので、私も何かお役に立ちたい(要するに定期購読ね)と思いましたが、季刊なので劇評が3ヶ月遅れ、今頃3月の南座のことが書いてあって、仕方ないこととは言えそれはちょっとキビシイですね。
 
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近頃のおやつ ⑮

2015-08-18 00:27:43 | 食べたもの
 しばらくサボっておりました「近頃のおやつ」です。さかのぼってみると4月の終わりに書いたっきりになってました。3か月分を一気にまとめてというのはさすがに無理でしたので、7月からこっちのおやつをご紹介します。

 
 元町ケーキのざくろです。たまたま1日だけ梅田阪急に出店されていた折に買いました。やっぱり美味しいですわぁ~

 
 銀座甘楽の和菓子です。銀座三越で自分用に買ってきたものです。たしか柚子だったような…。

 
 
 大阪・堺の小島屋の「けし餅」です。餡子をお餅でくるみ、芥子粒をまぶしてあります。芥子粒のプチプチとお餅のムニュムニュの両方の食感が一度で楽しめます。お餅が固くなったら少しオーブントースターで炙ると柔らかくなるし、香ばしくいただけます。日持ちがするので(と言っても3~4日ですが)大阪土産としてもオススメです。

 
 出入橋きんつば屋のきんつばです。堺筋の本町と北浜のちょうど真ん中あたりに支店ができていたのを見つけ、即お買い上げです。甘すぎないけど水っぽくもない甘さのきんつばです。“日本一美味しい”と言われているそうです。Dott. Cicciolinoさまの大好物でした。

 
 
 「森のおはぎ」という名前のお菓子屋さんの水羊羹です。色の違いがわかりにくいんですが上がほうじ茶、下が抹茶でした。あっさりとして瑞々しい水羊羹でした。

 
 京都の亀屋良長Satomi Fujita by KAMEYAYOSHINAGAの「ようかん(抹茶)」です。抹茶羊羹の中に抹茶味のムースとスポンジが入っています。和菓子のような洋菓子のような羊羹です。どちらも美味しいんですが、個人的には抹茶羊羹がめちゃくちゃ美味しかったので羊羹だけでもいいかなと思いました。このSatomi Fujitaシリーズ、結構充実しています。新感覚の京菓子って感じです。
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