歌舞伎座が再開されての初めての歌舞伎見物となりました。何度も恨みがましく書いておりますが、8月も9月も切符は取ってあったんです。でも、さまざま“大人の事情”により断念、ようやくの上京!と楽しみにしていたところ、今度は自分が体調を崩してしまい、「あらまぁ、今月も上京出来ないのかしら」といったんは諦めかけましたが、何とか8か月ぶりの歌舞伎見物を果たすことができました。お江戸から戻って以降、体調が何となく良くなったような気がします。孝玉コンビ
の霊験あらたかでございます。“現金”とも言うかもしれませんが。
第3部の「石切」を2回、第4部の「楊貴妃」を1回拝見しました。3回とも1階席です。どちらも最初に取ったお席は流してしまいました。「石切」は上京する前の日に戻りで5列目中央、「石切」を見た後に歌舞伎座の切符売り場で6列目中央をgetしました。「明日の切符ありますか?」なんて買いに行ったのは初めてでした。「楊貴妃」はその前に取ってたので見たので、少し後ろに下がって9列目中央でした。前後左右のお席が空席なので、少々後ろでもよく見えました。この環境に慣れてしまうと、満席の座席には座れなくなりそうです。
「石切」は通常通り上演すると、1時間を超すそうですが、今回は“コロナ仕様”、60分に短縮されました。孝夫さん
も本来であれば、花道からご登場のところ、板付きで幕が上がると正面中央に座っていらっしゃいます。ワタシ、中央でしたので、真正面で向かい合い?ました。とにかく、孝夫さん
しか見えない、孝夫さん
だけを見ていられる、孝夫さん
ファン冥利に尽きるお席でした。マスクの下はニタニタ
でした。
白塗り生締めの男前の武将のお役、品も仁もある立派な武将のお役、「声良し、顔良し、姿良し」の孝夫さん
に切って嵌めたようなお役でございます。ちょっと高めの鼻から頭へ抜けるようなお声、聞きほれます。「石切」の舞台はもともと照明MAXかって思うくらい明るくなっていますが、孝夫さん
がいらっしゃるだけで、それが倍くらい明るくなっているように感じます。いつも思うのですが、孝夫さん
ご自身が発光しているかのような、そんな明るさです。
今回「石切」を初めてちゃんと見たような気がします。関西ではめったに「石切」がかかることがなく、初めて見たのは南座顔見世での團十郎さんでした。團十郎さんの大らかな明るさのニンと合ってるように思い、結構楽しく拝見しました。その後、お江戸遠征が増えるようになると、確かに「石切」遭遇率は上がり、「え、またですか?」状態になりました。ここのところ吉右衛門さんばかり見ていたような気がします。ただ、ずっと3階からだったので、細部までは見えないし、おそらくたまに意識を失ってたと思うので、孝夫さん
の「石切」で、「あぁ、こうなってたんですね」と納得する場面も多々ありました。面白くスカッとした気分になります。コロナ禍で鬱々となる中、こういうふわぁっとなる演目を選ばれたのかしらと思いました。
玉ちゃん
の「楊貴妃」、先月に引き続き映像×舞踊の公演でした。「口上」から始まりました。玉ちゃん
、舞台中央でお一人で口上を述べられます。内容は覚えていないのですが(コラッ)、聞いているうちに涙があふれて止まりませんでした。とてもお優しい、心のこもった言葉で語りかけてくださって、聞きながら、歌舞伎を見物できなかった8か月に思いを馳せ、いろいろあったよねと反芻していたら、それと波長がぴったり合ったようで、泣けて泣けてちょっと困るほどでした。インターネットの動画も拝見しておりましたが、やはりLiveに勝るものはありません。
「口上」が終わると「二人椀久」をひとさし舞ってくださいました。「口上」の「楊貴妃」の説明のくだりで、もともとは「玄宗と楊貴妃」というお芝居を孝夫さん
となさったそうで、それの一部を夢枕獏さんに「楊貴妃」という舞踊を作っていただかれたそうです。ぜひ「玄宗と楊貴妃」も再演していただきたいと強く希望します。で「仁左衛門兄さん」というのが頭に残っていますので、「二人椀久」の映像も当然孝夫さん
でしょう!と思っていたら、なんと、勘九郎さんで、一気に脱力、「あぁー、あぁー」と声にならない声を出してしまいました。他のご見物もそう思われたのではないでしょうか。決して、勘九郎さんが悪いというわけではないんですよ。勘九郎さんファンの皆様、スミマセン。
その後は奈落のご案内、歌舞伎座のセリを見せてくださいました。南座の舞台体験でセリの上り下りは体験していますが、それはセリに乗るだけで、下りても外に出ることはできず、奈落がどんな様子かはわかりません。今回は、セリの外から見ることができて、あの金網の向こうはこうなっていたのね、とわかりました(歌舞伎座と南座では規模が全然違うと思いますが)。鳥屋もすっごく広かったです。南座は人が5人も立てば満員状態ですから。
楽屋訪問も出来ました(映像で)。玉ちゃん
の美意識あふれた美しい、厳かな、凛とした楽屋でございました。今はコロナで出演者同士のご挨拶も禁止だそうですが、何もない頃、後輩の役者さんたちは玉ちゃん
の楽屋へのご挨拶はさぞ緊張されただろうなぁと思いました。
「楊貴妃」は映像のほうは中車さんでした。ここのところ、中車さんはテレビのバラエティで見る機会が多く、ほぼ全てテンションMAX状態なので、あんなに神妙な中車さんは久しぶり、ちょっと吹きそうになりました。楊貴妃の玉ちゃん
は美しく気高く、素晴らしいものでした。流れるような動き、でも流されているわけではなく、決めるところは決める、でもわざとらしい決め方ではなく、全体を見るととても優雅な動きになっています。もちろん、ご精進の賜物であの踊りがあるのですが、筋肉とか骨とかどうなっているのかな?と時々不思議に思うことがあります。ありきたりですが「天賦の才と努力の結晶」なんでしょうね。
いずれにしても、美しい孝夫さん
と玉ちゃん
を拝見できて、行った甲斐があったというものです。願わくは、「仁左衛門兄さん」とのご共演も!

歌舞伎座の座席です。

往きの富士山

帰りの富士山

トワイライト(帰りの新幹線の車窓から見えました)

第3部の「石切」を2回、第4部の「楊貴妃」を1回拝見しました。3回とも1階席です。どちらも最初に取ったお席は流してしまいました。「石切」は上京する前の日に戻りで5列目中央、「石切」を見た後に歌舞伎座の切符売り場で6列目中央をgetしました。「明日の切符ありますか?」なんて買いに行ったのは初めてでした。「楊貴妃」はその前に取ってたので見たので、少し後ろに下がって9列目中央でした。前後左右のお席が空席なので、少々後ろでもよく見えました。この環境に慣れてしまうと、満席の座席には座れなくなりそうです。
「石切」は通常通り上演すると、1時間を超すそうですが、今回は“コロナ仕様”、60分に短縮されました。孝夫さん





白塗り生締めの男前の武将のお役、品も仁もある立派な武将のお役、「声良し、顔良し、姿良し」の孝夫さん



今回「石切」を初めてちゃんと見たような気がします。関西ではめったに「石切」がかかることがなく、初めて見たのは南座顔見世での團十郎さんでした。團十郎さんの大らかな明るさのニンと合ってるように思い、結構楽しく拝見しました。その後、お江戸遠征が増えるようになると、確かに「石切」遭遇率は上がり、「え、またですか?」状態になりました。ここのところ吉右衛門さんばかり見ていたような気がします。ただ、ずっと3階からだったので、細部までは見えないし、おそらくたまに意識を失ってたと思うので、孝夫さん

玉ちゃん


「口上」が終わると「二人椀久」をひとさし舞ってくださいました。「口上」の「楊貴妃」の説明のくだりで、もともとは「玄宗と楊貴妃」というお芝居を孝夫さん


その後は奈落のご案内、歌舞伎座のセリを見せてくださいました。南座の舞台体験でセリの上り下りは体験していますが、それはセリに乗るだけで、下りても外に出ることはできず、奈落がどんな様子かはわかりません。今回は、セリの外から見ることができて、あの金網の向こうはこうなっていたのね、とわかりました(歌舞伎座と南座では規模が全然違うと思いますが)。鳥屋もすっごく広かったです。南座は人が5人も立てば満員状態ですから。
楽屋訪問も出来ました(映像で)。玉ちゃん


「楊貴妃」は映像のほうは中車さんでした。ここのところ、中車さんはテレビのバラエティで見る機会が多く、ほぼ全てテンションMAX状態なので、あんなに神妙な中車さんは久しぶり、ちょっと吹きそうになりました。楊貴妃の玉ちゃん

いずれにしても、美しい孝夫さん



歌舞伎座の座席です。

往きの富士山

帰りの富士山

トワイライト(帰りの新幹線の車窓から見えました)