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おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

いしだあゆみさん

2025-03-17 22:52:48 | 訃報
 いしだあゆみさんが今月11日、甲状腺機能低下症のため東京都内の病院で亡くなりました。76歳でした。

 ↑「ブルー・ライト・ヨコハマ」のレコードです。お可愛らしいですね。もちろん、リアルタイムでこの歌は知っています。累計150万枚のミリオンセラーだったそうです。当時はテレビの歌番組も多く、しょっちゅう聞こえていたように記憶しています。

 歌手としても女優さんとしても華やかにご活躍でしたが、私の中では“ファッションのお手本”と思ってた憧れの存在でした。「丸首のツインニットにパールのネックレスと一粒パールのピアス」という何の変哲もない装いがとてもステキだなといつも思っていました。おそらく何かのドラマで見たのだと思うのですが、ごくごく普通の格好なのに、雰囲気がありました。パッと見てわかるハイブランドでなくても、こんなにオシャレに見えるんだとウラヤマシク思いました。自分も真似したいなと思ってツインニットを着ましたが、全然ダメでした。見た目もスタイルも全然違うんだから当たり前っちゃ当たり前なんですが。ご本人の持って生まれたセンスなんでしょうね。

 それと、パールのピアスの穴開けの位置が絶妙でした。耳たぶのわりと下の方なんだと思いますが、真珠の涙がこぼれ落ちそうな感じで、ワタシもピアスにするのなら、あの位置!と決めておりました。でも「親にもらった身体に傷をつけるなんて…」っていう世代だったので、結局ピアスにはしなかったのですが。

 自分は「平凡な服装をすれば平凡に見える凡人」ということがわかりましたので、それ以来、自分を頼らず洋服に頼る人生になりました。頑張って洋服を買っています。

 話が違う方向にそれました。76歳なんて、イマドキはまだまだお若いですよね。ご冥福をお祈りいたします。
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谷川俊太郎さん

2024-11-19 21:48:53 | 訃報
 詩人の谷川俊太郎さんが13日老衰のためお亡くなりになりました。92歳でした。

 私が初めて谷川さんのお名前を認識したのは、Peanuts(スヌーピー)の翻訳者としてでした。そして、長らくずっと翻訳者だと思っていて、だいぶ経ってから有名な詩人さんと知りました。

 スヌーピー大好きなんです。もちろん可愛らしい姿かたちもですが、漫画のほうも好きでした。単行本や雑誌の「Peanuts」も買ってました。子供向けなんですが、結構深い内容だったように記憶しています。ルーシーの人生相談?なんか大好きでした。それは原作者のシュルツさんが作られたものではありますが、私は英語をそのまま読むことはできないので、谷川さんの翻訳のおかげでPeanutsの世界に入ることができました。朝のニュースで第一報を聞いたときも「あ、スヌーピーの人」って思ったくらいでして…。

 今でこそスヌーピーグッズはあちこちで(歌舞伎座でも!)売ってますが、昔々は子供服のファミリアでしか売ってなくて、阪急三番街の一番奥にあるファミリアまで買いに行ってました。この年になっても、やっぱりスヌーピーは好きで、マグカップとか買うとなるとついスヌーピーシリーズで探してしまいます。

 スヌーピーとの縁を結んでくださった谷川さんに感謝します。谷川さんのご冥福をお祈りいたします。今頃天国でシュルツさんとお会いになってるんでしょうね。
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吉田簑助さん

2024-11-08 23:15:22 | 訃報
簑助さんがお亡くなりになりました。91歳でした。

とても悲しいです。ショックです。大阪に住んでいながら、私の文楽デビューは遅かったのですが、簑助さんにはなんとか間に合いました。何度も書いておりますが、簑助さんが遣われる人形は本当に生きているよう、登場した途端、頬に紅みが指すんです。不思議な感覚です。

先週文楽に行きましたが、「忠臣蔵」の大序は若手の人が遣われるようで、やっぱり人形にしか見えなくて、「あぁ、簑助さんだったらなぁ、どこがどう違うんやろうか」と思いながら見てたところでした。引退されて3年経っても、人間国宝トリオの皆さんが頑張っていらっしゃっても、簑助さんの存在は偉大、絶対なんです。

八重垣姫、雛鳥ちゃんはいじらしく可愛らしく、お辰はとにかく格好良く、おかるは勘平LOVEのかたまりで、次から次へと思い浮かびます。

同じ時代を生きることができて幸せでした。ご冥福をお祈りします。
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上村淳之さん

2024-11-03 23:08:51 | 訃報
上村淳之さんが11月1日に老衰のためお亡くなりになりました。91歳でした。

関西が地元のせいか、こちらでは上村家の展覧会が結構ありました。特に高島屋は一手に引き受けていらしゃったので(松園さん文化勲章受賞時のパーティは高島屋が取り仕切ったと聞いています)、難波の高島屋の催事でもよくかかっていたように思います。前の前の職場が高島屋のお向かいだったので、招待券を頂戴して何度か見に行きました。

語彙力がなくて非常に陳腐な表現ですが、とにかく「きれい!」な絵でした。余白がなんとも言えず静謐、美しく、邪悪なものが一切ありませんでした。見ていると、こちらの心がだんだんと落ち着いていくのがわかりました。奈良のご自宅でさまざまな鳥を飼われ、鳥の生態を見るために鳥小屋に入ってスケッチされたという逸話もありましたよね。

ただ、文化勲章受賞者なのに、メディアの扱いがちょっと小さいような気がします。こちらのローカルニュースではそれなりに取り上げられていましたが。NHKの日曜美術館なら、きっと特集番組をお持ちでしょう。追悼番組を期待しています。

ご冥福をお祈りいたします。

【追記】
↑歌舞伎座の緞帳「水辺の四季」です。新開場直後に撮った写真があったので、置いておきます。三階席からなのでちょっと遠いのですが。
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唐十郎さん

2024-05-05 23:57:43 | 訃報
 劇作家で演出家、俳優の唐十郎さんがお亡くなりになりました。84歳でした。

 今朝、このニュースを見た時、大変失礼ながら「生きたはったんや」ってまず思ってしまいました。何か自分のブログに書いた記憶があり、「訃報を書いたのかな」って勝手に思い込んでいました。申し訳ございません。自分のブログを検索したら2021年に文化功労者に選ばれた時に書いてました。アングラの演劇の人がお国から勲章を貰われるって、ちょっと驚きました。対極にあるような気がしてたので。

 唐十郎さんの紅テントは残念ながら見たことはありません。「行ってみたい」という好奇心はありましたが、一人で行く勇気がなくて…。別に喰われることはないと思うのですが。

 唐さんのお芝居は自分たちで上演したことがあります。大学時代、1年間だけ演劇部に所属していましたが、大学祭で「唐版風の又三郎」をかけました。一応、端役で出演しました。何のお役か忘れましたが、どうもアングラ系って馴染めなくて、練習でも羞恥心が先に立って、演出の先輩から「もっと、もっと」って言われても何も出来なかったのですが、2回公演の2回目の時、腹を括ってはっちゃけたのだけは覚えています。先輩からも「頑張ったね」って言ってもらえました。演劇部は通学が遠かったので、結局止めてしまったのですが。“唐十郎”って聞くとちょっと遠い目になります。

 ご冥福をお祈りいたします。
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咲太夫さん

2024-01-31 23:34:09 | 訃報
 豊竹咲太夫さんが肺炎のためお亡くなりになりました。79歳でした。

 ずっと休演が続いていたので、お身体の調子はあまり良くないんだろうなとは思っていましたが、こんなに早くお亡くなりになるとは…。孝夫さんと同い年で、幼馴染でいらっしゃいます。お二人の対談を聞きに行ったことがありますが、「たかおちゃん」って呼んだはりました。あ、対談がメインなわけではなく、正式には「文楽素浄瑠璃の会」に行ったのですが、素浄瑠璃の方は見事撃沈、ほぼ意識を失っておりました。その時の記事はコチラ

 私が見た最後は2022年4月の「義経千本桜」の「川連法眼館」でした(たぶん…。このあたりまでは文楽もちゃんと記事にupしているのですが、最近は行ってるけど記事にしてないこともあるので)。その時はまだとても力強く語っていらっしゃいました。義太夫はあまりよくはわかってないけれど、咲太夫さんの義太夫は好きでした。「忠臣蔵」の四段目の「塩冶判官切腹の場」を聞いたことがありますが、客席が水を打ったように静まり、すごい根を詰めて聞いた覚えがあります。最近はそこまで(ワタシが)頑張れる人に出会いませんね…。ご冥福をお祈りいたします。

 
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市川猿翁さん

2023-09-16 00:28:41 | 訃報
 猿翁さんが13日にお亡くなりになりました。83歳でした。

 もう寝ようかなと思ってネットニュースをチェックしたらトップニュースで出ていて、びっくりしました。最近、ずっとお姿はお見かけしなかったので、あまり身体の調子は良くはないんだろうなとは思いつつ、澤瀉屋さんの公演の番附には必ず寄稿されていたので、まだまだ頭の方は冴えていらっしゃるんだろうなと思っておりました。

 残念ながらお元気な頃は見ておりません。大阪には澤瀉屋一門でよくお見えだったようですが、「見るならちゃんとした歌舞伎!」って訳の分からぬ理由をつけて避けておりました。初めて拝見したのは新橋演舞場の「二代目猿翁、四代目猿之助、九代目中車襲名、團子初舞台」の「口上」でした。その時にスーパー歌舞伎(ヤマトタケル)も初体験で、梅原猛さんといっしょに作られたって聞いていたので、もっと暗い小難しい理屈っぽいお芝居を想像していたのですが、とても華やかでスペクタクルでわかりやすいお芝居でビックリしたのを覚えています。「新・三国志」を見た時に良い意味で「青臭いなぁ」(言葉のチョイスがイマイチで申し訳ない)と感じて、猿翁さんってきっとすごいロマンチストな方なんだろうなと。これが「天翔ける心」なんでしょうか。

 春秋座で「猿翁アーカイブ」のフォーラムを聴講したことがありますが、新作のイメージが強い方ですが古典歌舞伎もとてもお上手だと。そういう基礎があるから、新作歌舞伎、スーパー歌舞伎もあれだけ面白いものになると。それはきっと亀ちゃんや團子ちゃん、澤瀉屋の皆さんにも受け継がれています。

 玉ちゃんとも共演されていましたよね。南座の玉ちゃんの展覧会に行った時に、ポスターを見た記憶が…。スーパー歌舞伎ではないと思うので、古典歌舞伎だったんでしょうね。

 今の花形やそのちょい上の世代は、多かれ少なかれ猿翁さんの影響を受けていらっしゃるんでしょうね。だからこそアニメやゲームを歌舞伎化しても、ちゃんと歌舞伎になっているんだと思います。歌舞伎界への貢献は大きい役者さんです。なのに、ニュースの見出しは「香川照之の父」ってさぁ、そのほうが通りはいいんでしょうけど。

 ご冥福をお祈りいたします。澤瀉屋さんのご繁栄も。
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左團次さん

2023-04-16 22:46:26 | 訃報
 市川左團次さんが右下葉肺がんのためお亡くなりになりました。82歳でした。

 今月の歌舞伎座を休演されていたので心配しておりました。でも、来月は真秀クンの初舞台なので、きっと「口上」でお出ましになるんだろうなと思っていたのですが…。ほんと、びっくりしました。電車の中でネットニュースを見たのですが「あっ」って大きな声をあげそうになりました。最後のお舞台は1月の国立劇場だったそうで、それ、見に行きました。「行ける時に行っとかなあかんわっ!」という思いがまた強くなりました。

 左團次さんと言えば、「助六」の意休がすぐに思い浮かびます。意休ってずっと舞台にいるので結構大変なお役だと聞いたことがあります。他にも結構いろいろご出演で、結構いろいろ拝見してると思うのですが、それよりも「口上」です。「口上」に左團次さんが列座されているのがわかっただけでこちらもテンション上がりました。何か面白いことをおっしゃってくださるんですよね。昨年12月のエビサン襲名披露の「口上」は進行役だったので超大真面目、ワタシ的には物足りなかったです。その前の月は孝夫さんと並んで列座されていましたが、なぜか孝夫さんがボケ役?、毎度孝夫さんが左團次さんに自分の役名をお尋ねになったはりました。

 あとは「俳優祭」の「鈴ヶ森」です。いきなりシースルーのベビードールのお衣装(「お」をつけるもんなん?)で出て来られた時は、文字通り目が点、次の瞬間大爆笑でした。あの「鈴ヶ森」がワタシの初めての「鈴ヶ森」でして、その後本公演で「鈴ヶ森」を見ても、左團次さんのインパクトが強すぎて、普通に見られません。「これは『鈴ヶ森』ぢゃない!」って思ってしまうんですよね。このベビードールのお衣装、後日菊之助さんの結婚披露宴の余興でもお召しになったそうです。菊五郎劇団の方たちは慣れていらっしゃると思うのですが、吉右衛門さんはビックリされてのではないかと…。

 菊五郎さんのコメントが出てました。コメントを読んだだけで泣きそうになりました。孝夫さんも麻雀仲間?遊び仲間?だと何かのインタビューで読んだことがあります。さぞ悲しんでいらっしゃることと思います。

 あの豪快で愉快な左團次さんが見られなくなるなんて、本当に寂しくなります。ご冥福をお祈りいたします。

 上の写真は左團次さんのブログから拝借しました。2016年3月から更新はされていないのですが、ブックマークしてあります。今、また読んでたのですが、爆笑に次ぐ爆笑でした。ユーモアのセンスが秀逸です。このブログ、本にしてくださらないかしら…。
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奈良岡朋子さん

2023-03-29 23:56:59 | 訃報
 俳優の奈良岡朋子さんがお亡くなりになりました。93歳でした。

 お舞台を拝見したのは1回だけ、仲代達也さんと共演された「ドライビング・ミス・デイジー」でした。その時の記事はコチラ。新劇俳優大御所のお二人の演技にとても感動していました。ワタシの観劇人生が文学座から始まったわりに、文学座以外の新劇の劇団はほとんど見てないんですよね。俳優座とか民藝はおそらく「労演」でやってて、一般に切符を売ってなかったように思います。それでも50年ぐらい前はまだ新劇も商業ベースの公演があって、俳優座の「ハムレット」や民藝の「セールスマンの死」を見た記憶があります。

 杉村先生をとても尊敬してらして、違う劇団だけど結構指導を受けられていて、何かで「私(奈良岡さんのこと)は、文学座の女優さんより杉村先生からいろいろたくさん教えてもらった」というようなことを読んだことがあります。生前に遺されていたメッセージ(こちらには姪御さんのメッセージも掲載されています)にも「杉村先生とももう一度同じ舞台を踏みたかった」と綴っていらっしゃいます。ワタシもお二人の共演のお舞台、見てみたかったです。あ、でも、テレビでは見てます。東芝日曜劇場で三姉妹が営む炉端焼きのお店の話、シリーズ化されていてずっと見てました。ほっこり、にっこりできるドラマでした(東芝日曜劇場のドラマ全部にいえることですが品の有る良質なドラマが多かったような…)。

 4月5日まで限定で約10分間のドキュメンタリー「ある女優・奈良岡朋子」(2022年製作)を劇団民藝YouTubeチャンネルで公開されています。落ち着いた聞きやすい良いお声ですね。ドラマに出て来られると、途端にその場面が締まったように感じました。

 ご冥福をお祈りいたします。
 
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辻村ジュサブローさん

2023-02-13 22:36:37 | 訃報
 人形作家の辻村ジュサブローさん(現・辻村寿三郎さん)が5日にお亡くなりになりました。89歳でした。

 ジュサブローさんと言えばNHKの「新八犬伝」です。1973年4月から1975年3月まで2年間も放送されていたそうです。それも毎日です。イマドキのテレビ事情を思うといかにすごい番組だったのかがわかります。ウチの母が大好きで、私もいっしょにずっと見てました。

 何といっても「われこそは、玉梓が怨霊~!」です。「八犬伝=玉梓」が刷り込まれているので、歌舞伎で「八犬伝」を見ると、「玉梓はどこですか?」って反射的に思ってしまうのですが、出てこないんですよね。そのたびに「違う!」って思ってしまうのですが。困ったものです。私の年代の人って、こういう人多いと思います。ジュサブローさんも玉梓には思い入れがあったそうで、自ら玉梓の人形を遣ってらしたそうです。

 坂本九さんも黒子姿で名調子の語りでした。「♪~仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌~♪」の歌で漢字も覚えました。文楽の呂勢太夫さんもこの「新・八犬伝」を見て人形劇が好きになり文楽の道に進まれたそうです(ご本人のトークショーで聞きました)。

 ジュサブローさんのご冥福をお祈りします。ステキな人形劇を有難うございました。

 
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